ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

助言・明確化・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その1

2024年10月25日 | 精神分析に学ぶ

 2019年のブログです

     *

 昨日から札幌で開催されている2019年精神分析学会に参加しています。

 昨日は藤山直樹さんが助言者の研修症例の分科会に出てみました。

 藤山さんはあいかわらずのきれの良さで、ポイントをズバズバと指摘されます。

 久しぶりに元気な藤山節を聴かせてもらって、こちらまで元気になりました。

 しかし、同じ資料を読んでいるのに、藤山さんの気づきの豊かさは驚きです。

 すごいな、と感心するとともに、少しでも近づきたいな、と思います。

 ポイントの指摘だけでなく、明確化のための質問の例示もていねいにされて、初学者にもとても勉強になりました。

 今日は一般演題。

 じーじは精神病の分科会などで、統合失調症の患者さんへの面接などを学びたいと思っています。      (2019.10 記)

     *

 2024年10月の追記です

 この時はリタイア後だったので、札幌までは飛行機ではなく、フェリーでのんびりと行きました。

 夏のようにデッキでビールを楽しむということはできませんでしたが、暖かな船内で呑むサッポロクラシックの味も格別で、いつものように船酔いの前に酒酔いでダウンして熟睡でした。

 どさんこのじーじですが、秋の札幌はおそらく初めて、初雪間近で、さすがに寒かったですが、道路の落ち葉がきれいでじゅうたんのようでした。

 学会後に、ホテルの暖かな部屋で呑むビールも最高でした(子どもの頃にはわからなかったもんなあ)。

 年を取るのもなかなかいいもんだな、と思うじーじでした。      (2024.10 記)

 

コメント

立原正秋『きぬた』1976・文春文庫-凛としたこころの父親を描く

2024年10月25日 | 立原正秋さんを読む

 2018年のブログです

     *    

 またまた本棚の隅っこに古い小説を見つけ出して、読んでしまいました。

 立原正秋さんの『きぬた』(1976・文春文庫)。

 じーじがまだ大学生の頃の本です(当時からこんな暗い小説を読んでいたんですから、やっぱりかなりネクラの大学生だったんでしょうね)。

 内容を一言で紹介するのはとても難しい小説で、あらすじもあえて書きませんが、生きる道に迷った男性とそれに翻弄される女性たち、そして、それらを静かに見守る主人公のこころの父親を描く、といったところでしょうか。

 もっとも、端正で、正確で、美しい日本語で知られる立原さんの小説ですので、登場人物の造形や内面描写はしっかりしていますし、男女の愛憎や親子の確執が描かれていても、底流には美しさへの希求が流れていて、読後感は悪くありません。

 立原さん独特の醜いものへの容赦のない切り捨てはありますが、一方で、弱きものへの心温かさも厳然として読み取れます。

 この小説、今回、久しぶりの再読でしたが、とてもおもしろく読めて、2日で読んでしまいました。 

 若い頃にはおそらく読めていなかった箇所も、この年になってようやくわかるようになったというところが結構あったように感じました。 

 凛としたこころの父親、というのは、主人公が育ったお寺の寺男をしていた老人のことで、この小説の真の主人公ではないかとじーじには思えます。

 お寺経営に走る実父とは対照的に、生きる道に迷った主人公を温かい眼で見守り続ける姿はとても素敵です。

 こういう男性像に若い時に憧れてしまうと、じーじのようにその後の人生で苦労をすることになりかねませんので、要注意です。

 しかし、きっと、こんな道を求めて、じーじはこれからも歩んでいくのだろうな、という悪い予感(?)もしています。

 この年になっても、そう思えるくらいのいい小説を再び読めて、幸せな2日間でした。           (2018. 10 記)

 

コメント