ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

精神病・生き残ること・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その2

2024年10月26日 | 精神分析に学ぶ

 2019年のブログです

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 昨日は学会2日目。

 午前中は精神病の分科会に参加。

 みなさん、すごいケースのご紹介で、いろいろと考えさせられます。

 たくさんの学びがあったのですが、じーじとっての再確認は「生き残る」ことのテーマでしょうか。

 患者さんの攻撃性に、報復をせずに「生き残る」ことがまず出発点のような感じを持ちました。

 そのことだけでも、患者さんには大きな意味がありそうです。

 午後は終結症例の分科会。

 司会が藤山直樹さん。

 司会だけでなく、結構、自由に発言をされるので、面白いですし、とても参考になります。

 個人的には、発表者と司会の藤山さんの対談でもいいように思うほどでした。

 発表者がだんだんと率直になっていく様子が見られて、藤山さんの力量に改めて感心させられました。

 力のある臨床家は本当にすごいなと思います。

 もっともっと経験を積み重ねていきたいと切に思いました。          (2019. 10 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 

 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ。

 1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。 

 1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通う。 

 1977年、家庭裁判所調査官補採用試験に合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事する。

 1995年頃、調査官でも落ちこぼれ、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。 

 2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。 

 2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。

 仕事 個人開業で、心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを相談、研究しています。

 所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com  

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宮下奈都 『静かな雨』2019・文春文庫-一所懸命に生きる二組の男女を描く

2024年10月26日 | 小説を読む

 2019年のブログです

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 宮下奈都さんの『静かな雨』(2019・文春文庫)を読みました。

 表題作の「静かな雨」は雑誌『文学界』2004年6月号に掲載されたなんと宮下さんのデビュー作。

 それから15年しか経っていませんが、宮下さんは今や本屋大賞を受賞するような作家さんです。

 デビュー作とはいえ、「静かな雨」は完成度の高いいい小説です。

 交通事故で記憶力を失った女性とそれを支える男性の物語ですが、特に、女性の姿がすばらしいです。

 おおらかで、生き生きとしていて、もちろん、哀しみを抱えていますが、めそめそはしていません。

 静かな、静寂の中に、しっかりと生きています。

 男性やその家族も温かいです。

 びっくりしたのは男性の行助という名前。

 彼のお父さんが立原正秋さんの『冬の旅』のファンという設定ですが、宮下さんも立原正秋さんファンなのかな?

 さらに、併録の「日をつなぐ」は2008年の作品ですが、こちらも若々しい小説。

 若い夫婦に子どもが生まれて、その子育ての苦労をうまく書いていますが、なかなかリアルです。

 苦闘の末に、希望を見出したように見えますが、はたして二人の行方はいかに?という感じです。

 いい小説を二つも読めて、幸せな10月です。        (2019. 10記)

 

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