ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

谷川俊太郎・徳永進『詩と死をむすぶもの-詩人と医師の往復書簡』2015・朝日新聞文庫

2024年10月08日 | 随筆を読む

 2015年のブログです

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 谷川さんと徳永さんの『詩と死をむすぶもの-詩人と医師の往復書簡』(2015・朝日新聞文庫)を読みました。

 お二人の往復書簡と対談の本です。

 感動しました。

 徳永さんはホスピスのお医者さんで,お二人のテーマは,死と詩。

 ただでさえ重いテーマですが,お二人の深い哀しみをふまえた真摯さと少しのユーモアで,生きているのもいいな,と思える本です。

 この時期,谷川さんの大親友である河合隼雄さんが脳梗塞で意識不明の時であり,大親友の容態を心配している谷川さんの発言は,読んでいても辛いものがありますが,しかし,大詩人の谷川さん,ある時には子どものように,ある時には老賢者のように,鋭い発言をされています。

 谷川さん自薦の詩もすてきなものばかり,久しぶりに谷川ワールドを堪能しました。           (2015.6 記)

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 2022年9月の追記です

 死というのは,、とても大きな、そして、難しい事実ですね。

 じーじも年をとって、周りには亡くなった人も多くなってきましたが、死を考えることはなかなか難しいです。

 しかし、死を恐れても仕方ないですし、まずは目の前の人生を精一杯、時には怠けながら、時には遊びながらも、生きていくことが大切なのかな、と思ったりしています。          (2022.9 記)

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 2024年1月の追記です

 河合隼雄さんと谷川俊太郎さんの対談『魂にメスはいらない-ユング心理学講義』(1993・講談社α文庫)を読むと、お二人の予断のない、真摯な対話の様子に感激します。

 すごい人たちは、分野を超えても、本当にすごいんだな、と感動します。         (2024.1 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ  

    1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する  

    2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了 

    2017年、臨床心理士になる

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 mail  yuwa0421family@gmail.com    

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庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』1973・中公文庫-なつかしさと恥ずかしさを感じつつ読む

2024年10月08日 | 小説を読む

 2018年のブログです

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 またまた古い文庫本を見つけて、読んでしまいました。

 庄司薫さんの『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1973・中公文庫)。

 キャーッ、題名を言うだけで、なんか恥ずかしい。

 じーじが大学に入った年の本です(今から45年も前の大昔のことです)。

 大学生の時、教科書を読まずに、こんな恥ずかしい小説を読んでいたんですね。困ったもんだ。

 しかも、あちこちに、赤鉛筆で線が引いてあって、さらに、キャーッです。

 もっとも、今回、あらためて読んでみて、赤い線のところに頷けない今の自分と、今でも頷いてしまう自分の、両方がいて、人間って、年をとってもあんまり成長しないんだな、とあらためて思ったりしました。

 あらすじは書きませんが、東大進学を目指していたのに、大学紛争で東大入試が中止になってしまった日比谷高校生が主人公。

(今の若い人は知らないかもしれませんが、昔、東大入試が中止になった年があったんですよ~。でも、東大出の官僚の悪さが目につく今を考えると、どうせなら東大は廃校になったほうがよかったのかもしれませんね。)

 その主人公のさまざまな思いや考えと周囲の人々を温かく描いています。

 表題は、小説のラスト近くで展開されるある小さな女の子とのエピソードから取られています。

 とっても素敵でいいお話で、じーじの北海道ひとりたびのエピソードにも負けていません(?)。

 おおげさにいえば、生きる意味や生きる目標を問うているのしょうが、その文体の軽やかさのせいで、深刻さはあまりなく、しかし、時々、えらく深いことがらが述べられたりしていて、そこがじーじの趣味にぴったり合います。

 なつかしいながらも、とっても恥ずかしい感じで、うちの奥さんには内緒で読んでしまいました。         (2018. 10 記)

 

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