ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

村澤真保呂・村澤和多里『中井久夫との対話-生命、こころ、世界』2018・河出書房新社

2024年10月30日 | 中井久夫さんを読む

 2019年のブログです

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 村澤真保呂さんと村澤和多里さんの『中井久夫との対話-生命、こころ、世界』(2018・河出書房新社)を読みました。

 お二人のお父さんが中井さんと大の親友で、お二人は子どもの頃から中井さんのことを、ナカイのおじさん、と慕っていた間柄とのことで、そういうこともあってこの本が書かれたようです。

 すごく面白かったです。そして、刺激的でした。

 第一部は、中井さんとの対話。

 中井さんの本音トークが久しぶりに聞けますが、その丁寧な語りは貴重です。

 治療とは患者さんの内なる自然を回復すること、とか、治療には遊びが大切、などなど、意味深い発言がなされています。

 中井さんの発言から、深い思索が導かれるようで、なんとなく襟を正して読むような感じになりました。

 第二部は、中井さんの思想を村澤さんたちが解説を試みています。

 中井さんの、寛解過程論、を中心に中井さんの世界が解読されます。

 中井さんが翻訳をされたサリヴァンさん、その世界に近い量子力学のボーアさん、免疫学の多田富雄さん、生物学のユクスキュルさん、小児科医の松田道夫さん、などなどの思想が紹介されます。

 いずれも、じーじも以前から興味のある方々で、その偶然に驚きながら、本棚を改めてチェックしました。

 じーじが中井さんに魅かれるのも、このあたりに理由があったのかもしれません。

 無理のない、患者さんに優しく、患者さんを信頼しているその姿勢には、本当に頭が下がります。

 今後も折にふれて読んでいきたいな、と思いました。          (2019.1 記)

 

 

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竹田津実『北の大地から』1993・恒文社-北海道・道東・ポンヤンベツ川

2024年10月30日 | 北海道を読む

 2015年のブログです

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 竹田津さんは北海道在住の獣医で写真家,エッセイスト。

 映画<キタキツネ物語>を作った人でもあります。

 その竹田津さんの22年前のエッセイと写真の本です。

 特に,写真は秀逸で,もっと大きな写真集で見てみたいようなすばらしいものばかりです。

 舞台は道東を流れる一本の川。

 その変わりざまとそこに関わる農家や漁業,林業の人たち,そして,そこに生活をする人々を冷静な文章で描きます。

 その文章は冷静ながらも,抑えた怒りがにじみます。

 あからさまな怒りにならないのは,誰もがそこで生きているせいでしょうか。

 自分も加害者であるという事実が筆を抑えるかのようですが,しかし,なんとかしようよ,なんとかしなければ,という熱い思いが伝わります。

 批判は簡単ですが,堅実な変革は痛みを伴い,ゆっくりとしか変わらないようです。

 今度は道東の小さな川を眺めに訪れたいと思いました。        (2015 記)

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 2020年春の追記です 

 コロナがなかなか収まりません。今年の夏、じーじは北海道に行けるでしょうか。少し心配になってきました。       (2020.4 記)

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 2023年秋の追記です

 なんのかんのといいながら、ここ4年の間も北海道におじゃましました。

 フェリーの会社はおかげさまでコロナにそれほど神経質ではなく、あやしいじーじとタントくんを運んでくれています。感謝です。

 今年の夏も東川の図書館では、ブログの作成や更新などでお世話になりました。こちらもおおらかで助かっています。

 一度、机の目の前に中国人のすごい美人ちゃんが座って、じーじの美人恐怖症が悪化しそうになりましたが、困ったのはそれくらいでした(それと、アメリカ人の美人ちゃんに写真を撮られそうになったピンチ(?)もありましたが、今となれば笑い話です)。        (2023.10 記)

 

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