2022年10月のブログです
*
東畑開人さんの『聞く技術 聞いてもらう技術』(2022・ちくま新書)を読む。
新刊!(えっへん!)。
東畑さんはカウンセラーで、少し前まで大学の先生をされていたが、最近、やめたらしい(と本書に書いている)。
今は開業カウンセラー。
著書『居るのはつらいよ』で賞を取るなど、活躍中。
今年の遊戯療法学会のシンポジウムにも出席をされて、じーじはズームで拝見したが、歯切れのいい発言をされていたのが印象に残っている。
さて、本書、対話が難しいように見える現代におけるコミュニケーションについて述べると同時に、カウンセリングの技術についても述べている、なかなかの本。
じーじにも参考になることがらが多く述べられている。
例えば、聞く技術小手先編(?)には次のような内容が並ぶ。
時間と場所を決めてもらおう。眉毛にしゃべらせよう。正直でいよう。沈黙に強くなろう。返事は遅く。七色の相槌。奥義オウム返し。気持ちと事実をセットに。「わからない」を使う。傷つけない言葉を考えよう。なにも思いつかないときは質問しよう。また会おう。
いずれも、大切なことがらばかりで、じーじが実践できているものもあるし、なかなか難しいものもあって、いずれにしてもとても勉強になる。
さらに、聞くことについて述べる中で、ウィニコットさんを引いて、環境としての母親やほどよい母親の大切さに述べていて、これがとってもわかりやすい。
他にも、対話が難しい分断の時代に、コミュニケーションを復活させるにはどうしたらいいのか、についての提言など、参考になることがらも多い。
小さな本だが、いろいろと考えさせられるいい本だと思う。 (2022.10 記)
*
ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ
1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する
2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了
2017年、臨床心理士になる
仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています
学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)
mail yuwa0421family@gmail.com