2019年のブログです
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精神科医で心理療法家、家族療法家の下坂幸三さんの『フロイト再読』(2007・金剛出版)を再読しました。
もう何回目になるでしょうか。
本の中は何種類かの付箋とアンダーラインで大変なことになっています。
下坂さんの晩年の論文が載っていますが、学ぶことばかりです。
今回、印象に残ったことを二つ、三つ。
一つめは、理論は繰り返し脇のほうに押しやることが大切で、それでも押し戻してくるものが重要、との指摘。
初心者のうちは、じーじもそうですが、つい理論に左右されがちですが、理論を忘れたくらいのところで勝負をすることがいいようです。
たしか、精神分析のビオンさんも同じようなことを言っていたように思うのですが…。
二つめは、言葉に安易に納得しないことの大切さ。
同じ言葉でも、人によっては込められた意味がまったく違うので、徹底的にその意味するところをきいていくことが重要になります。
それが即心理療法になるといえそうです。
本書ではその具体例がたくさん示されていて、勉強になります。
三つめは、心的現実の扱い方について。
心的現実を尊重することは重要だが、全面的に肯定をすることの危険性も指摘されます。
よくきくが、大きく頷くことはしない、という冷静な対応が、クライエントの歪んだ考えを少しずつでも訂正していく、との指摘は卓見です。
統合失調症の患者さんの妄想のきき方にも通じそうです。
最後、症例論文のクライエントさんの許可の問題。
世の中、許可を得ることが流行となっていますが、その弊害を指摘します。
まったく同感です。
精神分析の藤山直樹さんも同じようなお考えだったと思います。
プライバシーの保護というのなら、許可を求める行為自体がプライバシーの保護を侵害することになりえる可能性も考慮しなければならないだろうと思います。
難しい問題ですが、クライエントさんの本当の意味での保護と尊重ということをもっともっと深く考え、議論していかなければならないと思います。
いずれにしても、まだまだ力不足であることを痛感します。
さらに勉強を深めたいと思います。 (2019. 2 記)
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2024年10月の追記です
理論をいったん脇に置く、とか、忘れる、とかいうことの大切さは、その後の読書経験でも、精神分析や心理療法の大家のみなさんがよくおっしゃっていることのように思われます。
じーじなどは、これが逆転移か?とか、これが投影同一化か?とか、どう対応したらいいんだろうか?などと、余計なことを考えがちですが、あまり頭でっかちにならずに、目の前のクライエントさんの不安や怒りなどに、自分も身を浸してみて、感じたり、考えたりするような作業のほうが大切なんだな、といつも反省させられます。 (2024.10 記)
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ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介
経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ
1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する
2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了
2017年、臨床心理士になる
仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています
学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員
論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)
mail yuwa0421family@gmail.com