長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第37回『城井谷の悲劇』

2014年09月16日 08時25分14秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第37回『城井谷の悲劇』(2014年9月14日 演出・大原拓)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高   …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政       …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

母里 太兵衛 友信   …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次   …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成       …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

宇都宮 鶴姫
 宇都宮鎮房の長女で、朝房の妹。(演・市川由衣)

安国寺 恵瓊      …… 知力80、統率力31
 (演・山路和弘)

佐々 成政       …… 知力27、統率力70
 (演・大谷亮介)

加藤 清正       …… 知力63、統率力81
 (演・阿部進之介)

福島 正則       …… 知力45、統率力83
 (演・石黒英雄)

黒田 兵庫助 利高   …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

宇都宮 朝房(ともふさ)…… 知力47、統率力55
 (演・橋本淳)

小早川 隆景      …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

宇都宮 鎮房(しげふさ)…… 知力55、統率力75
 (演・村田雄浩)

千 利休
 (演・伊武雅刀)

豊臣 秀吉       …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

○奇襲戦はいかにも戦争らしい緊張感があっていいけど、怖いねぇ~! まさか、豊前国城井谷のいくさが全国放送の大河ドラマでおがめるとは……ありがたや、ありがたや~。

●黒田一成の水牛兜(大水牛脇立兜)は、まだ早すぎるんじゃないの……? あれは、主君の黒田長政がまず水牛兜をかぶってから次にかぶることを考えなきゃ水牛にした意味が出てこなくなっちゃうだろ! 家臣がフライングしちゃダメだろう。ゴジラが出てくる前にメカゴジラが出てきちゃった、みたいな。
 でも、よく見れば史料の水牛兜とも形状が違うし、『軍師官兵衛』では、もともと一成は水牛マニアで、いろんな形のものを若いころからコレクションしてたってことになっているのか? キャラクターのディティールが異様にこまかい!

●ひとかどの武将なら、奇襲戦に遭って逃げるときは身分がモロバレになる甲冑や陣羽織はまっさきに脱いで隠すか捨てるかするんじゃないの? 重いし目立つし!
 あ、でも、黒田家では物を大切にする家訓がゆきとどいているから、長政主従も精魂込めて製作してくれた職人さんがたのことを思って、肌身離さず着込んでいたのかしら。倹約のためならば死の危険性をギュギュギュンと急上昇させることさえいとわぬ黒田家、あっぱれ!!
 又兵衛、その金ピカリンの前立て、はずしてどっかに持っとけって! っていうか、あぶねぇからどっか行ってくんない!?

○宇都宮鎮房の長女・鶴姫、史料によれば城井谷合戦のとき、数え年13歳。13歳……?
 いや、あの、男勝りっていうか……ずいぶん人生の辛酸というか、芸能界の浮き沈みを経験してきた面がまえのような娘さんなんですが。
 ここに市川さんをキャスティングしてきたっていうのは、最高ですねぇ~。もう、福本清三さんみたいな「古武士感」がただよってるもんね、日本女優界における市川さんって。大好きですね。
 兄貴の宇都宮朝房を演じている俳優さんはいかにも17歳(史実の年齢)らしい若さがあるんですが……すごい妹さんをお持ちですね……

○黒田孝高と小早川隆景と安国寺恵瓊がいる前で自分が考えた作戦を説明しろって……なんという先輩地獄。だが、オレの中の何かがたぎるぜ!!
 まぁ……プランは誰もが考えつく「付け城で補給ライン分断戦」であるわけなんですが。いや、そりゃあ城井谷はそう攻めるでしょ。

○黒田・城井の和睦交渉で、久しぶりに安国寺恵瓊の、相手の全てを見透かしたブラックな笑みが炸裂! それでこそ AKB49(えけいボウズ49歳)、喰えねぇ野郎だぜ!!

○顔もあわせずに「元はといえばおまえのせいじゃねぇか。」というコメントをグサリと入れる千利休、グッジョブ! しかし、こんな茶の席、絶対にいたくねぇよ……抹茶の味もわかりゃしねぇ。

○秀吉「ハハハ……このわしの命に逆らった男を、官兵衛は召し抱えたと言うのか! ハハハ……これほど愉快な話はない。」
 こわいね~!! 笑うのが怒りフラグという、まさに竹中直人の必殺技「笑いながら怒る男」の変奏曲ともいえる特徴を持つ『軍師官兵衛』の豊臣秀吉、超こわい!
 まさか、こういう角度から『独眼竜政宗』の勝新秀吉やマンガ『花の慶次』の秀吉に匹敵するすごみを持った秀吉を創出してくるとは。さすが、約20年ぶりの再登板。寺尾家康も怖いけど、こっちもやっぱり怖いですね。

○加藤清正の、頬ひげが絶妙に似合っていないイケメンっぷりが、昔どこかで見ただれかにものすご~く似てるなぁ……だれだったかなぁ……とここ1~2ヶ月ほどボンヤリしていたのですが、やっとわかった、清正、『幽幻道士』(1986年 台湾)の「親方」に似てるんだって、ゼッタイ!! まぁ、こんなもん共感なんていりませんけどね……
 そう思いだしたら、いつ清正が、あのグレートバンボロキョンシーを凌ぐ史上最強の「清正キョンシー」になって、テンテン率いる特殊霊魂チームと闘うのかと、気が気でなくなってきてしまいました……おやかたー!!

●結果的には官兵衛の意向の先取りをしてくれたということにはなるのですが、長政が官兵衛からではなく、先輩の清正・正則コンビから城井討伐の内命を聞いて独断で決起した、というこの筋は……つまり、鎮房を暗殺したのは官兵衛ではないという、お決まりの「大河ドラマの主人公はクリーンに!」対応なのか?
 う~ん、苦しい脚色のような気がするんだけどなぁ。それじゃあ、冒頭でおやじの事前了解を得なかったがためにあんなにさんざんな目に遭った長政が、あれからまったく成長してないってことになるんじゃないの?
 やっぱり、これは順当に、あの官兵衛・隆景・ AKB・長政の4者合議の席の段階で、「和睦した後でタイミングをみはからって……やっちゃいましょ。」ってことまで決まっちゃってたんじゃない? それで官兵衛は鎮房処断をあえて長政に任せたんでしょう。戦国乱世なんて、そんなもんよね。

○だいたい流れはこうなるとわかっていても、やっぱり今回のラスト5分間における緊張感はハンパないものがありましたねぇ! いやぁこれは、ひとえに長政を演じる松坂桃李くんの殺気に満ちた沈黙の恐ろしさと、それをがっきと受けとめる村田雄浩さんの演技力のたまものなのでしょう。おもしろかったなぁ~!! 桃李くんのまん丸な目が、こんなに恐ろしい狂気をたたえようとは。
 長政もそうなんですが、抜刀するきっかけになっていたらしい「肴を。」の言葉を聞いても一人だけ全く動じなかった黒田一成も、このエピソードのうちにだいぶ成長したんでしょうねぇ。失敗は成長の母、なんだねぇ。

○ただ、鎮房サイドも、「いつかこうなるんじゃないかとは思ってたんだよなぁ~。」と覚悟はしていたんじゃないのでしょうか。だって、相手は黒田家だけじゃないんだもんねぇ。和睦っていっても、圧倒的な戦力差を受けての滅亡回避しかできなかったんですから。
 実際の鎮房は、ドラマほど動揺もせずに、「今日がその日ですか。今まで大変お世話になり申した。」とか言って、泰然と最期を迎えたんじゃないのでしょうか。そっちのほうの鎮房を演じる村田さんも観てみたかったなぁ!

 ところで余談ですが、ドラマではまったく触れられなかったものの、史実ではこの鎮房暗殺の段階でも、鎮房の父である戦国大名・宇都宮長房(ながふさ 知力55、統率力63)はおん歳84でご存命だったんですって。じじい生きておったか!!
 まぁ、84歳だし、政務もそうとう若いころから息子の鎮房に譲っていたらしいんで、武将としての存在感はほとんどなかったのでしょうが……完全無視は、ないよねぇ。


結論、「第38回がとてもたのしみです。」

 今回は冒頭に壮絶な奇襲戦、クライマックスに緊迫感あふれる謀殺アクションと、いかにも戦国ものらしい見どころ満載なエピソードとなったわけなのですが、「成長」と呼ぶにはちと禍々しすぎる黒田長政の「変貌」と、それをみごとに演じきった俳優・松坂桃李のポテンシャルが堪能できた衝撃の回になりましたね。勇名をはせる戦国武将も、所詮は心に闇を持つ殺人者、ということなのか……
 グレるなんていう生半可なレベルではない溝の深さで、父とは別の道を歩んでいく長政の今後に注目していきましょう! そして、その闇につけこむルビー家康の、細すぎる右目も要チェックやでぇ!!
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在りし日の名曲アルバム  鬼束ちひろ『シャイン』

2014年09月15日 22時59分37秒 | すきなひとたち
 ヘイど~もこんにちは! そうだいでございますよ~だ。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました。
 今日は敬老の日で休日だったそうなんですが、私は平常運転で出勤でした。明日も明日で大事なお仕事があるし……時間的には余裕もあっていい感じなんですが、丸一日の完全オフ日はまたしても遠のいておりますな。まぁ、ゆる~くいきましょう。


 あのですね、例によってお引越しの準備をいろいろやっとるわけなんですが、置いといた CDもどんどん実家に送るっつうことにしまして、あんまり聴かないもの、思い入れのないものから先にとずっとやっていたんですが、いよいよあの鬼束ちひろさんのほうに順番がまわってきたんですな。
 そんで、どうせいったん手元から離すんならついでにということで、送る前にパパッと聴きなおしてみて、聴いた感じをちゃちゃっとここに記しておきたいと思います。
 ところで私の持っている CDの中で今のところいちばん好きなのは、井上陽水の7thオリジナルアルバム『スニーカーダンサー』(1979年)ですね。いや~これは愛してます。ベストアルバムじゃなくてオリジナルアルバムのほうがいいんだよなぁ。いびつなところというか、捨て曲とまでは言わないけど「正気ですか!?」ってツッコみたくなる珍品がゴロゴロしてて、むしろそこをいっそう楽しそうに唄われてるの。全曲好きだな~。

 さて、今回は鬼束さんの作品でも、リリース当時から「なぜ?」という反響が多かったいわくつきの『シングル BOX』(2004年3月リリース)を、1stシングルから1枚1枚聴いていこうという企ての第1弾です。これ……今年中に聴き終わらせて送れますかね? ムリだな。


鬼束ちひろ『シャイン』(2000年2月リリース 東芝EMI)

 『シャイン』は、鬼束ちひろ(当時19歳)のデビューシングル。作詞・作曲は鬼束ちひろ、編曲は土屋望。リリース当時のキャッチコピーは「大丈夫、私がすべてを撃ち殺してあげる。」。
 リリースにあわせて TSUYATA渋谷店においてキャンペーンを行ったり、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』で特集も組まれたりしたが、オリコンウィークリーシングルチャートはランク圏外、初回受注枚数も千枚あまりと、ヒットと呼ぶには程遠いセールスだった。

収録曲
1、『シャイン』(5分4秒)
 学校の閉塞感を、本人いわく「牢屋のイメージで作った。」という楽曲。シングルバージョンはロックテイストなアレンジであるが、翌2001年に発表されたアルバムバージョンはピアノのみの伴奏となっている(カップリング曲「 BACK DOOR 」も同様)。プロモーションビデオは、シングルバージョンのものと、ピアノのみをバックにスタジオライヴで収録されたアルバムバージョン『シャイン unplugged 』の2種類が制作されている。前者はシングルリリース当時に音楽番組で部分的にオンエアされるなど、ごく限られたメディアでしか使用されなかったが、翌年に後者が制作されるとそちらが使用されるようになり、プロモーションビデオ集にも後者が収録されたため、後者の方が一般的に認知されている。

2、『 BACK DOOR 』(5分13秒)
 ながらく翌年に発表されたアルバムバージョンのみがベストアルバムに収録される状態が続いていたが、このシングルバージョンは4thベストアルバム『 GOOD BYE TRAIN 』(2013年12月リリース)で初アルバム化された。


 簡単に言えば、こっちのシングルバージョンが土屋望プロデュース版で、有名なアルバムバージョンが羽毛田丈史プロデュース版ということになるのでしょうか。シングルバージョンでも羽毛田さんはピアノと電子ピアノを担当していますが。
 どっちも、タイアップなしでチャート圏外、おまけにゃ翌年以降オフィシャルで「なかったこと」にされている不遇づくしのデビューシングルなのでありますが、だからこそ、慈しみたいいとおしさがあるのよねぇ。
 ……まぁ、どっちもアルバムバージョンのほうがいいんですけどね……

 2曲とも、エレキギターやパーカッションがついて聴きあたりは良くなっているんですが、それが曲をマイルドにしすぎちゃって、特に『シャイン』なんかは歌詞が訴えている抑圧とか悲愴感をビックリするほど伝えにくくしているような気はします。それはやっぱり、アルバムバージョンみたいに鬼束さんの声質をそのまま活かしたほうがいいですよね。
 『シャイン』のサビの「♪ 日を 日うぉ ヒィウォ ヒィ~ウォオオ~!!」といくボルテージの上がり方なんか、笑っちゃうくらいに入魂ものですばらしいんですが、1990年代の軽さを色濃く残している演奏がみごとにその熱をそいでいるのがよくわかります。

 『 BACK DOOR 』は『シャイン』にくらべたら明るい雰囲気の曲だから、こんな感じのポップさでもいいか、という印象があるのですが、やっぱり目立つパーカッションの合いの手が鬼束さんのイメージを「よくいる歌手」の域に縛ってしまっているような気がしますよね。なんか、完全によそいきで毒のない歌い手さんといった感じになっています。記憶に残らないさわやかさ!

 とにかく、デビューシングルの段階から、「演奏よりも歌詞よりも、声!」というインパクトの偏屈っぷりをいかんなく発揮している鬼束さんなのでありました。そう、この2曲は言わんとしているメッセージはよくわかるんですけど、歌詞が今ひとつパッとしないんですよね。『シャイン』はなかなか血なまぐさいんだけどそこで通さずにきれいな単語も入れてるからモヤモヤしちゃってるし、『 BACK DOOR 』も全体的に抽象的でなんというか……いかにも10代という感じで甘っちょろい。

 鬼束さんの歌詞世界は、よく言えば「解釈の許容範囲が広い」、悪く言えば、まぁ……「浅い」。
 でも、大事なデビュー作なのに「恋愛」という売れセンな路線を気持ちいいくらいにガン無視している、その姿勢はやっぱり鬼束さんというか、九州女子の剛直さですよね。

 愛してま~……した!!
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つはものどもが 夢のあと AGAIN  ~ゲーム『 AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら……』のおまけDVD3 ~

2014年09月12日 23時06分03秒 | すきなひとたち
 みなさまど~も~こんばんは! そうだいでございまする。今日も一日たいへんお疲れさまでございました~。

 さぁさぁ、誰にせがまれるでもなくだらだらと続いていたこの企画も、今回でおしまいです。おしまいにします!
 ということで、ちゃっちゃといってみよ~。アイドルとグアムに48回行った気分になれる夢のゲーム、その「メイキング映像だけ」の全貌に迫る!!


プレイステーション・ポータブル専用ゲームソフト『 AKB1/48 アイドルとグアムで恋したら……』(バンダイナムコゲームス 2011年10月発売)

初回限定生産版BOX 収録特典メイキング&ファッションコレクション DVD
2011年6月時点での AKB48正規メンバーが出演している。同時期に発足した「チーム4」に所属するメンバー10名(当時)は、限定生産版の付録DVD にのみ出演している。


ディスク3「チームB メイキング」(各メンバー約6~7分、合計103分)の続き
 ※メンバー構成は前作から1名卒業し、2011年5月に加入した鈴木紫帆里が初出演している

鈴木 紫帆里(当時17歳 現チームK)
 チームKの横山由依さんのときにも触れましたが、このゲーム第2弾には、1年前の第1弾の時点では参加していなかった新メンバーが2人いまして、それが横山さんと、この鈴木紫帆里さんなのでありました。ただ、この2人がアイドルとしてまるっきり新人なのかというとそうでもなく、横山さんは2009年9月にオーディションに合格してから約1年の研修期間を経て正式メンバーになっており、さらにこの紫帆里さんにいたっては、1度 AKB48メンバーになっていながら卒業して、それからまたオーディションを受けて研修して加入したという珍しい「再就職新人」メンバーなのでした。若いのに、波乱万丈!
 具体的に言うと、紫帆里さんは2008年末にオーディションに合格して翌09年8月に正式メンバーになります。ところが、1週間経つか経たないかで活動を辞退するという形で卒業。しかしその後、約1年経った2010年7月に再びオーディションを受けて合格し、2011年5月に2度目の正式メンバー入りを果たすのでした。そこらへんの経緯は、どうやら紫帆里さんがそうとうな才媛だったために、学業を取るかアイドルを取るかで家族との間に葛藤があった結果だそうなのですが、こんなに美人で頭いいのか……どうなってんだよう神様!
 シチュエーションのほうはというと、砂浜で紫帆里さんが探していたネックレスを知らない犬が首から下げて座っていたという、1980年代の角川映画みたいな SFな設定なのですが、まぁ紫帆里さんだから成立するみたいな青春な感じですよね。ニキビと鼻声がういういしいんですが、やっぱりそこは横山さんと同様に研修期間をみっちり乗り越えてきた実績のたまものというか、ともかくソツがなくて印象の良い応対に終始していました。ただ何度も言うようですが、それでいいのかというと必ずしもそうでもなさそうなのがアイドル業界の難しいところなのでありまして……まぁともかく、世間一般でいう「優等生」にとっては、なにかと損な世界なんじゃないんでしょうか。

鈴木 まりや(当時20歳 現チームK兼 SNH48チームS2)
 「デートで食べる店のチョイスを失敗してしまった」という、けっこうな難易度のシチュエーションだったわけですが、これはドジっ娘の要素が必要となってくるので、それなりにちゃんと演技ができる人がやらないとみじめなだけになっちゃうシナリオですよね。まりやさんはうまくやれていたのだろうか!? それにしても、実際はおいしかったとまりやさんもフォローしていましたが、「まずいエセ日本食屋」という設定を受けてよくあのお店も撮影を許可したよね……たぶん、そこらへんはスタッフさんも詳しく説明はしなかったんだろうな。ともかく全体的に「熱心でまじめ」な印象の強いまりやさんなのですが、撮影後のインタビューで「このメイキング映像も楽しんでほしい」とゲーム以外の特典も勧めたり、「(このゲームの中でも)特に、いちばん最初に鈴木まりやを選んだというあなた! 私も今日から、あなたを推します!!」という、ファンにとってはよくわかんないけど、うれしいことはうれしいコメントを精一杯送ってくれるサービス精神には敬服いたしました。がんばってほしい娘さんだねぇ。

近野 莉菜(当時18歳 現 JKT48チームK3)
 まぁ~とにかく楽しそうでなによりというか、近野さんがそんなにハイテンションになるのもわかるロケ現場! すごいなぁ、天然のプール!! すみません、近野さんよりもそっちのほうに目がいっちゃったというか、めちゃくちゃ入りたくなりました! 普通のプールみたいな人工のそっけなさもないし、かといって日本の泳げる川ほどの急流も生物感もない、この絶妙な自然との距離感! 近野さんがセリフで「温泉」と言い間違えてしまうのもよくわかります。いつまでも漬かっていたくなっちゃうんだろうなぁ。今回、グアムの48の風景を見ることになりましたが、私がいちばん行きたい所は、ここかも知れないなぁ。アイドルそっちのけで観光DVD みたいな見方になっちゃったよ!

平嶋 夏海(当時19歳 現在女優)
 ヒエッ……恋人岬って、けっこう高い場所にない……? 私は高所恐怖症であるつもりはないのですが、ちょっとあの低い手すりから見える岸壁の光景にはビクッとなってしまいました。よくよく考えてみると、あそこで平嶋さんが水着姿になっている意味はよくわからないのですが、まぁそれだけ告白に盤石の態勢をもって臨んだという決意のあらわれなんだろうなぁ。前作に比べて多少やつれたような感じはありますが、少なくとも翌年1月の突然の卒業の予感は片鱗も見られない元気いっぱいの姿がありましたね。人生、なにがあるかわからんよなぁ。

増田 有華(当時19歳 現在女優)
 前作に引き続いて大阪弁キャラという設定は変わっていないのですが、インタビューで「2作目は、もっと私らしさが出せればいいなと思ってるんで。」と語っていたように、今回はご本人のダイナマイトバディを存分にビキニで押し出した波打ち際のシチュエーションとなりました。まさに、水もしたたるなんとやら! でも、48名全員がいちおう水着姿になっているという中で、積極的にグラマラスな部分を打ち出しているのがこの増田さんただひとりというのは、意外な感じもしました。セクシーはいたんだけど、グラマラスはいなかったですよね。うん、なんかボンドガールって感じの
古き良きスタイルなんだよなぁ。これで歌もうまいし演技もできるんでしょう? 逸材だねぇ。

宮崎 美穂(当時17歳 現チームK)
 別に、韓国とアメリカとで特別差をつけてとらえるわけでもないんですが、前作であの大島さんがそうとうな力を込めて「ハリウッド女優になる!」という夢を語るシチュエーションを演じ切っていただけに、それに比べると今回の宮崎さんの「韓国でアイドルになる!」という夢は、なんというか……だって、あなたもうプロのアイドルなんでしょ!? 告白する相手に「マネージャーになってよ。」というのも、言われたほうはうれしいのかどうか。グアムからヒッチハイクで韓国に行こうとするという設定もギャグといえばそこまでなのですが、宮崎さんがそれを実際にやる前にプレイヤーがなんか言ってあげられなかったのか? という気分になってしまい、なんだかやるせない気分で脱力してしまいました。そこまで韓国を推していたあの時代、というなつかしさは残りましたけど。

渡辺 麻友(当時17歳 現チームB)
 そっか、前作であんなにカクカクした演技だったのは、実際にプレイヤーの選択によっては渡辺さんが CGになるという演出があったからなんだ! いまさらになって知ってしまいました。それはそれとして……前作以上にコメントのしようがねぇな、これ。フラダンスとかアルパカとか「おしり!」とか……でもよくよく考えてみると17歳の女の子なんてそんなものだし、むしろ、48人もアイドルがいて、そういう言動でスタッフをおしなべて苦笑におちいらせるキャラクターが渡辺さんひとりしかいないというのが不思議のような気もしてきました。とはいっても、それが渡辺さんの営業スタイルなのであって、本当にひやっとするような狂気があるわけでもない非常に安全なものであるわけだし。うす暗い室内で水着というのも、もう渡辺さんなんだからしかたがないというリアリティのなさなのですが、AKB48という大所帯の間口の広さを垣間見せてくれる最後のメイキング映像でありました。昔はこういう女性もミステリアスでかわいいなと思ってたんですけど、今はちょっと……おれもおっさんになったもんだなぁ。


ディスク4「ファッションコレクション DVD」(各メンバー約3~4分、合計134分)
 3チーム全48名の、ゲーム中での衣装を着た姿が鑑賞できる。メンバー1名につき、普段着2種・水着・本作オリジナルのグループ制服の4パターン構成。

 ……いやーもう、これこそ感想の言いようがねぇんだけどよう。ただのファッションショーだからなぁ。
 ざーっと観て、気になったポイントだけを羅列していきますか。

・小嶋さんの気合の入りまくった眼力
・メイクのせいか別人のようにかわいく見えるけど猫背は変わらない指原さん
・高城さんのふとももは、いい!
・菊地あやかさんの基本的にうつむき加減で異常にゆっくり歩くテンポが気になる……そして、スカート型なのに短すぎてヒップラインがちらちら見える水着は、ずるいぞ!!
・宮澤さんの水着の日焼けあと……さすが、わかってるね! それでこそ宮澤さんよ。
・河西、柏木、北原の魅惑の水着三連星! 当時のチームBって、すごかったんですね。ただし、亜美菜さんの痩せ方はいただけない。もっと筋肉を鍛える方向でお願いします!
・まさに水を得た魚! 増田さんのテンションの高い水着姿に思わず手を合わせてしまいました。



 ……ほんとになんなんだろ、この記事。

 とにかく終わりました。特典映像をぜ~んぶ、しっぽの先まで拝見いたしましたよ! これで心置きなく処分できます。
 ただひとつだけ心残りなのは、もうひとつの映像特典だったはずの「当時発足したばかりのチーム4の付録 DVD」が手元にないということなんですよね! そこには、2010年代中盤の AKB48を語る上で欠かせない存在になっているはずの島崎遥香さんもいるはずなので、それも是非とも観たかったのですが、残念です。

 ともあれ、おそらくは「黄金期の始まり」というタイミングに位置するこの『アイドルとグアムで恋したら……』のメイキング風景を観ることができたのは、まさに歴史的史料をこの目にするという意味で重要な体験となりました。敵情視察というよりは、観ているうちに自然とノスタルジックな気分にひたってしまうような、「あのころは、すごかったんだね。」を追認する作業になったわけです。

 いやぁ、しかしメンバー全員が海外でロケするんだぜ、ゲームなのに。すごいよなぁ。

 ただ、前田敦子さんの「グアムの空を制する」というとんでもない規模の花火撮影には驚いたわけなのですが、大島さんの撮影に関するゴージャス感とか、金髪イケメンに引く手あまたの篠田さんに告白するという現実感のなさとかは、もうすでにこの時点で AKB48というアイドルグループが、ゲームの気軽に交際して恋人にするというコンセプトに収まることに無理のあるスケールに肥大していたことを如実に物語っていますよね。もちろん、そんな友だち気分になれるメンバーもいっぱいいるわけなんでしょうが、すでに「神7」周辺の方々との格差はとんでもないことになっていた、という事実はよくわかりました。

 そこで出てくるのが、ゲームの前作には出演していなかった若きホープの可能性といったところなのですが、横山さんは確かにかわいいし礼儀正しくてまったく悪い印象がわかないのですが、さぁそこからどうやって創設メンバーに伍するほどの「インパクト」を押し出していくのか? というところだと思うんです。

 難しいところなんですが……創設メンバーはただ優等生だからとか、ただかわいいから天下を取ったってわけじゃないもんねぇ。容姿とか礼儀とかは、実は「よかったほうがいい」っていうレベルの問題なのであって、トップアイドルはもっと必須な「なにか」があるような気がするんですよねぇ。「個性」とか「根性」とか「運」とか……

 でも、アイドルグループの名前というものは、時間がたつごとに良くも悪くも「重くなってくる」ものですよね。そして当然先輩も多くなってくるわけなので、ネームバリューと引き換えに不自由にもなっていくものなのかも知れません。昔ほど大変な仕事には出くわさなくなっていくのだとしても、それに安住していてはいられない「伝統の重圧」が次第に後ろからのしかかってくるという過酷さですよね。

 そう考えてみると、アイドルの皆さんも私たちの社会とそう違わない「めんどくささ」の中であくせく働いているんだな、思えなくないわけなのですが、とにもかくにも、「栄華の極み」に立ち始めた AKB48のみなさんの「えーっ、いいの、こんなの!?」という驚きの表情が観られた2010・11年のメイキング映像が観られたのは非常に意義深かったです。ドキュメント映画になっちゃうと、たぶんずっと重苦しくて作家の意思の通った作品になっちゃいますもんね。いや、そんなこと言っておきながら AKB48グループのドキュメント映画はいまだ1本も観ていないんですが、この『グアムで恋したら……』の後、「AKB48」の名を冠していない他の妹グループたちが乱立したり相互交流したりしていく荒波を経ての AKB48本隊のドキュメント映画は、今だからこそ観てみたいような気にはなりました。

 多くのビッグネーム諸先輩方の重圧にもめげずに頑張ろうとする後輩たちの苦悩……その旗頭に立たなければいけないのが、他ならぬ、このグアム編で初々しい顔を見せていた横山さんになるのかもしれませんが、北条義時、足利義詮、徳川秀忠……いつの時代も、「跡継ぎ」という立場の方々は大変なんですよ! そういった宿命に立たなければならないみなさまを、我が『長岡京エイリアン』は、もはや「ハロプロだ」とか「ハロプロじゃない」とかいう垣根を跳び超えて応援していきたいと思います。


 偉大な先輩に深い敬意を払いつつも、その大きな背中を迷うことなくズンッと踏みつけて乗り超えてゆけ!! 今川氏真とか武田勝頼にはなるなよ~!
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第36回『試練の新天地』

2014年09月09日 22時48分13秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第36回『試練の新天地』(2014年9月7日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高   …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康       …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政       …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫      …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

高山 右近 重友    …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

母里 太兵衛 友信   …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次   …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成       …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

小西 行長       …… 知力72、統率力48
 豊臣家重臣。北政所おねの侍女マグダレナの次男。(演・忍成修吾)

佐々 成政       …… 知力27、統率力70
 豊臣家大名。かつては秀吉の同僚でもあった。(演・大谷亮介)

宇都宮 朝房(ともふさ)…… 知力47、統率力55
 別姓・城井。鎮房の嫡男。(演・橋本淳)

大友 義統(よしむね) …… 知力60、統率力46
 (演・増田修一朗)

小早川 隆景      …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

宇都宮 鎮房(しげふさ)…… 知力55、統率力75
 (演・村田雄浩)

千 利休
 (演・伊武雅刀)

豊臣 秀吉       …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

●満を持しての初登場だというのに、目をひんむいてオタオタしながら、高山右近に「とりあえず、謝罪しときましょうや!」と最低な助言をあたえるという、極めて平成の若者っぽいキャラクターになってしまっている小西行長。なんだ、こいつは……ほんとに武士か?
 とりあえずわかるのは、戦争でこの人を味方に加えるのだけはやめとこうということなんですが……ダーイシといい輝元くんといい、そして今回の小西といい、関ヶ原合戦の敗戦フラグは確実にそろいつつありますな。

●「おのおのの信心は許す。」っていうのは、寛大なんだか中途半端なんだか……でも、秀吉にしたら相手はあくまで外国や国内の民衆であって、大名にまで厳しくあたるメリットもないというビジネスライクな判断があったのでしょう。元はといえば、昔のボスがおおいに推奨してまいた種だったんだし、のちの江戸幕府のように白黒はっきりつけるまでにはいけなかったんですね。制限と寛容の両輪で強力な諸大名を絶妙に操縦する、その絶妙なさじ加減の上に成立していた豊臣政権。それがカリスマ秀吉のパーソナリティでもあり、弱点でもあったのだ!

○「十二万石」と聞いてほっこりする官兵衛家臣団は、いいね……大河ドラマの主人公チームとは思えない庶民的な感覚に、高感度がいや増しに増します。そうそう、人間はこういう日常の変化をひとつひとつありがたく受けとめて生きていくのがいいんですよ。ビッグになっちゃだめよ。

○死亡こそしていないものの、ナレーションの締め方からして、おそらくは『軍師官兵衛』からは退場という流れになったと思われる高山右近。非常に敬虔なキリスト教徒であることと、常にヒロイックな「宿命」のようなものを自らに課している、ちょっとナルシスティックな危険性をにおわせていた、けっこうおもしろいバイプレイヤーでしたね。官兵衛も村重も、ある意味では彼にふりまわされっぱなしでした。
 ただ結局、右近を国外に追い出したのは秀吉以上に激烈だった徳川家康で、1614年に日本を去るまで、今回の内容から実に30年ちかくも「あれ? やめたんじゃなかったの?」と周囲にいぶかしがられながらも武将を続けていた右近の後半生も、ちゃんとドラマで観たかったですよね。実質的には前田家の重要な家臣として再就職したし、小田原攻城戦にもちゃーんと出席していた右近……なんだかんだいっても、しっかり秀吉に愛されていた男だったのだ! この「非公認、黙認……」こそが、秀吉。日本人だなぁ~オイ!!

 すばらしいキリシタン大名だった右近はよくわかったんですが、その裏の面として、「神道・仏教に対してはものすっごく恐ろしい弾圧者」だった右近も観てみたかったね……生田斗馬さんだったら、喜々として演じてくれたんじゃないのかな!?

●佐々成政が、やっと出てきましたが……全盛期ではないですよね。
 前田利家は、いつ出てくるのかな? 秀吉の死後もしっかりドラマになる以上、出てこないという処理はできないだろうけど。

●官兵衛、秀吉と城井鎮房とのあいだでひでぇ~板ばさみ! 鎮房に官兵衛を恨むなと言っても、心情的にそれはできない相談なんだろうけど、悪いのは秀吉なんですよー!
 でも、本州と九州とをつなぐ非常に重要なポイントとして、豊前国に官兵衛を配置しておきたい秀吉の思惑はよくわかる采配ですよね。そこはねぇ、いくらなんでも外様にい続けてもらうわけにはいかないのよ! 400年の歴史だかなんだかしんないけど。

○いつの間にやら、有岡城いらいの縁になっている加藤玉松丸が、黒田一成(かずしげ)という立派な武将に成長! あの、お父さまの加藤又左衛門重徳さんは、お元気ですか……史実ではまだピンピンしてるはずなんですが、ドラマではなぜか討死したような演出処理をされたまんま! なぜなぜホワ~イ?

○鎮房「この城井谷の山川草木の、すべてがわしの一部だ!!」
 す、すごい。こんなことを言われちゃったら、そりゃもうお手上げですわな。
 う~ん、そりゃあね、同じ播磨国内とはいっても、上司に言われて領地を転々としているひとが、先祖代々400年以上も同じ土地を支配し続けているひとを説得することはできませんよね。価値観が気持ちいいくらいに別次元なんだもんね。

●九州平定から帰陣しても、秀吉の眼は狂ったままだった……そんなクッソ生意気なだけの小娘、「あれ、やっぱ違うな。」って醒めた顔をして斬り捨てたらいいのにね。

●秀吉「それ(天下統一)は、まもなくかなう。」
 東日本の諸大名「じょ~うだんじゃっ、ないよっ!!」
 まぁ……まもなくかなうんだけどさ。そこは意地はらせてヨ。

○今回は本音をもらすプライベートシーンはなく、ひたすら秀吉の天下を祝うホワイトな部分しか見せなかった徳川家康だったんですが、その開いてるんだか開いてないんだかよくわかんない右目の奥底には、やっぱり異様な光が……今回も家康は怖かった!
 それはそれとして、寺尾さんはやっぱり、お歳の割には体格はしっかりしていますよね。小柄な竹中さんよりもよっぽどがっしりして見えるもんね。ブラックなだけでなく、スリムでダンディでもある新家康像に、これからも期待大です。

○佐々成政の援軍に、官兵衛とともにえっちらおっちらとひたすら勤勉に出陣する小早川隆景。つい最近までは押しも押されもせぬ毛利王国の重鎮だったのに……叔父さまは、毛利家のために人柱になってくださったのだ! 感謝してよ、輝元くん!!

○黒田長政とその家臣たちの独断専行を、苦い表情で見つめる後藤又兵衛。いくさだというのにテンションを上げないなんて、やっぱり『軍師官兵衛』の又兵衛は別人みたいだ!


結論、「第37回がとてもたのしみです。」

 なんか、今週に入って黒田家家臣団の IQが格段に下がったような気がするんですが……まるで、往年の江口信長家臣団を見るようです! その生き残りである佐々成政も、あのていたらくだしよう! 九州はやっぱり、おそろしかとこばい!! でも、九州の女性はいいよね。

 馬ヶ岳城もいいですねぇ~! ぜひとも行ってみたいお城です。『官兵衛紀行』に映っていた観光客ふうの2人の女性の浮きっぷりは尋常でなかったですけどね……官兵衛だって登りたくなかった山城に、女の人が訪れるかね、しかし!? ほんとにそういう猛者がいたら、ステキですけどね。
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父さんはな……父さんなんだぞ!!  映画『スイートプリキュア♪ とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ』

2014年09月08日 22時37分39秒 | アニメらへん
映画『スイートプリキュア♪ とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪』(2010年10月29日公開 東映 70分)


 プリキュアシリーズの映画作品の第11作であり、シリーズ第8作『スイートプリキュア♪』の単独映画作品である。
 今までのシリーズの単独映画作品は、TV 本編の流れとは直接のつながりのない番外編という位置づけだったが、本作は初めて本編との関連を明示しており、本編における第36話と第37話(ともに2011年10月放送)の間に発生したエピソードを描き、以降の本編の展開を補填するサイドストーリーになっている。このような連動を行うことになった背景としては、同年3月の東日本大震災の発生に伴い TVシリーズの放送日程にずれが生じ、キュアミューズの正体が判明する時期と映画の公開時期が重なったことが挙げられる。このため、同年2月の時点ですでにシナリオも組み上がっていた映画企画を全部白紙にした上で、本編と連動させる方針に転換したという。
 また、これまでのプリキュアシリーズの単独映画作品は、基本的に本編に登場しない異世界(映画『ハートキャッチプリキュア!』のみ現実世界のフランス首都パリが舞台)を舞台にしているが、本作では本編にも登場するメイジャーランドを舞台としており、そこで暮らす少女(本作オリジナルのゲストキャラクター)とその家族の物語となる。
 本作で、映画作品としては初めてキュアビートとキュアミューズ、フェアリートーンが登場する。特にキュアミューズについては映画公開直近の第35・36話で正体が判明したため、それを秘匿する意味で、予告編などではこれまでの黒い仮面姿のミューズを登場させていたほか、キャスト部分でも役名などの情報は一切掲載されていなかった。

 本作でも映画鑑賞者参加型のシステムは継続され、今回は「ミラクルライトーン」というミラクルライトが中学生以下の観客に配布された。それと同時に、前作では廃止されていたミラクルライトの使用解説シーンが本作では復活し、ハミィとフェアリートーン全員の計9名で解説が行われた(ただし担当声優はハミィ役の三石琴乃、フェアリートーン8名全役兼任の工藤真由の2名)。さらにエンディングでは、CGダンスが盛り込まれる前に説明も挿入され、「前説・本編・後説」の構成になっている。当初はミラクルライトに変わるような、本編のテーマである「音楽」を元にした新しい企画も構想されていたが、映画館で音を出すのは問題があるとしてライトが継続されたという。他にも子どもの鑑賞者には、「ニャンバイザー」と呼ばれるサンバイザーが配布された。

 スタッフは、『スイートプリキュア♪』の本編で初めてプリキュア作品に携わった池田洋子を監督に起用、女性監督としては前年の映画『ハートキャッチプリキュア!』の松本理恵に続いて2人目となる。池田にとっても映画作品の監督は本作が初めてだった。脚本は TVシリーズ構成の大野敏哉が、本編との連動のために直接担当した。作画監督も本作のキャラクターデザインを務めている高橋晃が担当し、本作で響たちが着用する私服を書き下ろしているほか、監督の池田の注文で『水戸黄門』のキャラクター「かげろうお銀」の町娘姿をイメージしたエレンの衣装も描いている。

 本作のテーマは、TV 本編のテーマである「友情」だけでなく、親子愛、特に「父と娘の関係」を中心に描いている。池田は、「親子愛があり友情があった上で皆の気持ちがひとつになる、という流れになる。」としており、「子供のために親が頑張るシーンがあるので、親御さんにはその辺りも見てほしい。」と語っている。その一方で、本来のテーマの友情についても、「響と奏の二人あってこそのプリキュアチーム。二人の心の絆にも注目して欲しい。」と語っている。プリキュアという作品の描き方についても、「変身してカッコよく戦う行動的なところはあるが、それ以外は普通の女の子と変わらない、ノーマルな普通な女の子の部分もきちんと描きたい。女性スタッフもいるので、女性目線も出していけば作品の幅も広がり、共感してもらえる部分がもっと増えるのでは。」としている。
 音楽は TV本編と同様に高梨康治が担当している。高梨は本作でのメインテーマとなる『心の歌』も制作し、歌詞は歌手のRemi によって作詞された。この曲のバリエーションがいくつかの重要なシーンで用いられており、特にラストバトルのシーンでは、監督の池田の意向でこの曲を優しい曲調にアレンジしたものが使用されている。

 全国168スクリーンでの公開ながら、2011年10月29・30日の初日2日間で興行収入約1億9700万円、動員数約18万人を記録した。


あらすじ
 父であるメフィストが善の心を取り戻し、調辺アコはキュアミューズの役目も終わったとして父と共にメイジャーランドへ帰ることになった。その時、突然街にハウリング音が鳴り響き、街から音楽が消えてしまう事件が発生する。
 心配に思った響たちはメイジャーランドに向かうが、いつも音楽で満ち溢れていたかつての面影は無く、音楽が消え世界は荒れ果て、人々は石のように無表情となり、音の鳴らない楽器を弾き続けるままだった。唯一動いていたアコの友達のスズは、このようになったのはアフロディテが突如変貌し、音楽を奪ってしまったからだと言う。真相を確かめるべく、アコとメフィストはアフロディテのいる城へ向かうがアコは囚われ、響たちは走り去るスズを追いかけた先でアフロディテの配下「メイジャー3」と交戦する。
 それぞれの戦いの最中、アフロディテがノイズの部下「ハウリング」によって身体を乗っ取られていたという真相が明らかとなる。選択を迫られたメフィストの命がけの行動によって、ハウリングはアフロディテの身体を開放した。
 ようやく正体を表したハウリングとプリキュアたちの戦いが始まるが、ハウリングの強大な力にプリキュア達たちはなすすべなく倒されてしまう。だが、倒れたキュアメロディにクレッシェンドトーンの力を与えられ、メロディはクレッシェンドキュアメロディとなって復活した。
 アコはこの戦いを通じて、まだ自分の使命が終わっていないことを悟る。そして断腸の思いで再び両親と別れ、すべてを終わらせるために響たちと加音町へと戻っていくのだった。


おもな登場キャラクター、アイテム

北条 響(ほうじょう ひびき)/キュアメロディ/クレッシェンドキュアメロディ …… 小清水 亜美(25歳)
 母親であるアフロディテが事件を起こしたと聞いて落ちこむアコを励まし、彼女にアフロディテに会うようにすすめる。

南野 奏(みなみの かなで)/キュアリズム …… 折笠 富美子(36歳)
 冒頭で、早朝に自分の部屋のベランダにいたメフィストと出遭って仰天する。

黒川 エレン(くろかわ エレン)/キュアビート …… 豊口 めぐみ(33歳)
 メイジャーランドに出向く際には、本で得た知識を参考に時代劇の町娘のような旅装をしていた。

調辺 アコ(しらべ アコ)/キュアミューズ …… 大久保 瑠美(22歳)
 冒頭では、父であるメフィストが警察に連行されたことをうけて交番へ向かい、父が問題を起こしたことに謝罪していた。物語の序盤では、自分がプリキュアとしての役目を終えたことでメイジャーランドに帰還することを決め、奏太たちに別れを告げていた。
 母であるアフロディテに直接出会い、母が事件を起こしたことを信じないでいたが、アフロディテによって音楽を封じる空間に閉じ込こめられる。

ハミィ …… 三石 琴乃(43歳)
 響の早朝ジョギングにつき合っていたが、フェアリートーンに無理矢理メフィストのいる交番まで連れて行かれた。メイジャーランドでは「ヒーリングチェスト」の管理を任されるが、うっかり道中に置いてきてパニック状態に陥る。

フェアリートーン(8名)…… 工藤 真由(25歳 全役兼任)
 ハミィたちとともにメイジャーランドへ向かう。

クレッシェンドトーン …… 西原 久美子(46歳)
 すべての音を生みだす力として、「ヒーリングチェスト」とともに敵側から狙われる。本作では危機を察知して自ら語りだしたり、スズに助言を送っていた。

アフロディテ …… 日高 のり子(49歳)
 音楽を愛するメイジャーランドの女王であったが、突如として変貌し、国中の音楽を否定して音楽を奪うと宣言する。茨のようなものに包まれ、家臣へ指示を下す以外は身動き一つしないなど、普段とは違う様子を見せている。
 実はハウリングの襲撃をうけ、やむを得ずハウリングを自身の体内に封印しようと試みて、逆にハウリングに体を操られていた。

メフィスト …… 堀内 賢雄(54歳)
 冒頭で、アコの友人である奏太に挨拶するために南野家を訪問するが、誤って奏の部屋にベランダから侵入しようとしたため、駆けつけた警察に連行される。その後は、異変の起きたメイジャーランドへと向かった。
 難しい年ごろになったアコの態度もあって、「娘に信用されていない」と、父親としての自分に情けなさを感じている。本編でのキャラクターデザインとは異なり、ノイズに操られていたときと同じ肌の色や顔立ちをしている。

南野 奏太(みなみの そうた)…… 小林 由美子(32歳)
 メフィストとの遭遇に驚いた姉・奏の悲鳴を聞き、バットでメフィストに殴りかかろうとしていた。アコが故郷へ帰ると知って残念がるが、アコがそれほど寂しそうな素振りを見せなかったことに腹を立て、喧嘩になる。

調辺 音吉(しらべ おときち) …… 園部 啓一(51歳)
 アフロディテの父で、アコの祖父、メフィストの舅にあたる。アフロディテが警察に連行されたという事件を電話で知らされ、愛用のペニー・ファージング型自転車で交番に駆けつける。メイジャーランドの危機を察知して響たちに事件解決を託す。

スズ …… 南 央美(43歳)
 メイジャーランドに暮らす少女で、アコの友だち。世界から音楽が消失したことで、両親が音のない楽器を弾き続けるという状態になり、悲しみにくれる。
 今回の事件の犯人とされるアフロディテを憎むあまり、アコと喧嘩になる。その後、道中でハミィが置き忘れた「ヒーリングチェスト」を守り、クレッシェンドトーンに音楽を取り戻してくれるように頼み込む。

ハウリング …… 玄田 哲章(63歳)
 ノイズの幹部。実体のない煙のような姿をしているが、正体はコウモリのような巨大な怪物。極めて残虐かつ狂暴な性格をしている。非常に強力なパワーをもち、口から破壊光線を放つ。また、相手を石化させる能力も持つ。
 音を憎むノイズを迎えるに相応しい新世界を作ることが目的で、音楽を消し去ろうとメイジャーランドに襲来したが、直後にアフロディテの体内に封じ込められた。だが、逆にアフロディテを操ることに成功し、凄まじいハウリング音を発生させてメイジャーランドからすべての音を奪い、住人たちを半石化状態のまま音の鳴らない楽器を演奏させ続ける姿に変えた。
 物語中盤で、メフィストの行動によってアフロディテの身体から抜けだして正体をあらわし、プリキュアたちと戦闘する。
 担当声優の玄田は次作『スマイルプリキュア!』で、最後の敵であるピエーロを演じている。

メイジャー3(メイジャースリー)
 ハウリングの配下で、表向きはアフロディテの家臣として仕えるシャープ、フラット、ナチュラルからなる3人組。ホストのような雰囲気をした美青年たちで、「メイジャーランド初のアイドル」を自称する。
 ネガトーンを召喚する能力を持つほか、それぞれ戦闘形態に変身するとプリキュアを苦戦させるほどの戦闘能力を発揮する。「ヒーリングチェスト」を奪おうとプリキュアたちに襲いかかるが、肝心のヒーリングチェストの詳細を知らないため、ハミィが持っていた木箱をヒーリングチェストと勘違いして奪っていた。

シャープ …… 遠近 孝一(40歳)
 金髪で色黒の男。赤紫のジャケットを着て、金のブレスレットとネックレスを身に付けている。戦闘形態は全身が赤色のサルのような姿で、攻撃とスピードともに優れている。
 敵を焼き尽くす高熱火炎「メガファイア」など、炎系の技を駆使してキュアメロディと激闘を繰り広げる。

フラット …… 真殿 光昭(47歳)
 紫色のオールバックの髪型をした男。ブルーリムのメガネをかけている。3人の中では最も口数が多く、捕えられたメフィストを「役立たずの国王殿」と罵倒するなど、陰湿な物言いをする。戦闘形態は全身が緑色のイノシシのような姿で、打撃を無力化するほど弾力のある腹部をもつ。
 パワーに長けており、怪力で相手をねじ伏せるとともに、破壊光弾「テラボール」を連射してキュアビートを苦しめる。

ナチュラル …… 金丸 淳一(48歳)
 銀髪で色白の男。細身だが筋肉質な体格で、紫のVネックノースリーブシャツを着ている。普段は柔和的な性格だが、本性は狂暴で好戦的。英単語を交じえながら話す。戦闘形態は全身が青色の河童のような姿で、高いスピード能力を誇る。
 全身から放つ高圧電撃「ギガサンダー」など、雷系の技でキュアリズムを追いつめる。

ネガトーン …… 大林 洋平(35歳)
 本作では、メイジャー3が森に放置されていた楽器を利用して生み出した怪物。金属のような輪を発射して、キュアメロディとキュアリズムの両腕を拘束した。

ミラクルライトーン
 本作で使用されるミラクルライト。「音楽」をイメージした作品にちなみ、先端に「八分音符」型の蛍光部分が付いている。劇中ではハウリングとプリキュアの大決戦の最中、スズの呼びかけに応じ、メイジャーランド国民の手に転送され、国民がライトを振ることによって、プリキュアたちはパワーを回復した。


おもなスタッフ
企画 …… 梅澤淳稔(51歳)ほか
脚本 …… 大野 敏哉(42歳)
キャラクターデザイン・作画監督 …… 高橋 晃(40歳)
音楽 …… 高梨 康治(48歳)
監督 …… 池田 洋子
制作 …… 東映アニメーション

主題歌
本作ではオープニング、エンディング共に、TV シリーズ本編での後期主題歌がそのまま使用された。
オープニングテーマ
『ラ♪ラ♪ラ♪スイートプリキュア♪ アンリミテッドバージョン』歌唱 …… 工藤 真由
エンディングテーマ
『キボウレインボウ』歌唱 …… 池田 彩
 ※本作での実質的なエンディングテーマである『心の歌』の後に流れたためテロップは無く、CGダンスシーン用のエンディングテーマとなった。映像は第38話以降のエンディングアニメーションの先行公開。

劇中歌
『心の歌』歌唱 …… Remi
 ※本作のスタッフロールはこの曲とともに流され、実質的なエンディングテーマとなった。
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