ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

ろくろ × 工作機械

2021年05月04日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

私たちの身の周りにあるさまざまな機械や部品、具体的には自動車やスマートフォン、家電製品、デジタル機器、時計などに使用される金属製の各種部品は、旋盤やフライス盤、更にはマシニングセンタといった工作機械で製造されています。
そのため、工作機械は機械を作る機械であることから、マザーマシンとも呼ばれています。

工作機械の始まりは、茶碗などの陶器を作る際に使用するろくろの原理を利用した旋盤と言われています。
その後、1452~1519年にダ・ビンチによって足で回転させるボール旋盤へと進化しました。
1770年代に入り、工作機械はイギリスで発明されて産業革命の推進力となった蒸気機関や紡績機械の製造に貢献したことが始まりで、18 世紀末以降にさまざまな工作機械が開発されて、現在へと至ったようです。

現代で活躍する工作機械。
ろくろが最初だったとはね。。。
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バナナハンマー × ブロンズ

2021年04月08日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

私が子供の頃のCMで、低温でもエンジンオイルの性能が低下しないことを示す、バナナで釘を打つCMがありました。
とうとう、ほんとうに釘を打てるバナナハンマーが登場した様です。
材質は、ブロンズ(青銅)だそうです。

買ってみたいが、ちょっとお高いかな??


写真は本物のバナナです。

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滋賀県近江八幡市の「赤こんにゃく」 × ベンガラ

2021年04月04日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今週末は、執筆活動を進めながら、気分転換でテレビを見ていると、滋賀県近江八幡市の「赤こんにゃく」が紹介されていました。
地元では慣れ親まれたこんにゃくのようでしたが、通常のこんにゃくしか知らない私にとって、「こんにゃくが赤い!?」「生レバーのようだ??」と少々、インパクトがありました。
このような赤こんにゃくは、派手好きな織田信長がこんにゃくまで赤く染めさせたとか、近江商人が全国を行脚している際にこのような奇抜なアイデアを思いついたなど諸説あるとか。。。

いつもように、この赤こんにゃくの赤色は何で着色しているのかが気になり調べてみると、やはり。。。
三二酸化鉄と呼ばれるFe2O3でした。
いわゆる鉄の赤錆で、ベンガラとも呼ばれています。

陶器の着色、染料、外壁など、昔からベンガラは様々な分野で活躍していますね。

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金属の原材料 × 磁鉄鉱

2021年03月22日 | 金属 よもやま話
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身近な金属製品に使用されている、鉄やアルミニウム、銅などの金属材料は、原材料である鉱石を人工的に製錬して、地金と呼ばれる素材にして、それを溶解・鋳造・圧延などの金属加工によって板や条、棒などの金属材料へと仕上がっています。
最近、金属材料の原材料である鉱石にも興味があり、少しずつ収集しています。

写真は、鉄の原材料である鉱石の1つである磁鉄鉱です。
十数年前に、岩手県の釜石にある「鉄の博物館」の売店で購入したものです。
ちなみに、子供の頃に磁石で遊んだ「砂鉄」は、磁鉄鉱等が風化の過程で母岩から分離したものと言われています。


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慣用句やことわざ、四字熟語 × 「鉄」「銅」

2021年03月20日 | 金属 よもやま話
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「鉄」や「銅」といった漢字を用いた慣用句やことわざ、四字熟語が多くあります。
特に、「鉄」という漢字は、鉄の強さのイメージから、さまざまな表現に使われています。
この辺りについては、隔月連載させていただいている記事(ツールエンジニア4月号(大河出版))にて書かせていただきました。
今月末に発刊されますので、お楽しみに。

一方、「銅」と「鉄」の両方の漢字を用いた四字熟語もあります。
それは、「銅頭鉄額」(どうとうてつがく)。
勇敢で強いことのたとえ、または、槍や刀を通さない、頑丈な甲冑を身に付けた勇ましい兵士のこと、だそうです。
人類が鉄を手にするまでは、青銅器時代と言われるように、当時の青銅(銅合金)は、武器や農具に使われた優れた金属材料でしたでしょうからね。

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何気なく美しいと感じてしまう比率 × 金・銀・銅

2021年03月20日 | 金属 よもやま話
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人間が何気なく美しいと感じてしまう比率で「黄金比」というものを聞いたことがあると思います。
その比率は1:1.618で、パルテノン神殿やモナ・リザ、企業のロゴなど、私たちの身の周りに多く存在しているようです。

美しいと感じてしまうその他の比率もあるようです。
その1つが「白銀比」で、その比率は1:1.414。白銀比は、A版(A3・A4など)とB版(B4・B5)といった紙の寸法に用いられています。

「黄金」、「白銀」と、金、銀の金属色が用いられている比率。
もしかして、銅の金属色を用いた「赤銅比」というのがあるかも??と、調べてみると、ありました!
その比率は、1:3.303の「青銅比」!
かなり比率差の大きい「青銅比」は、「黄金比」や「白銀比」と比べるとマイナーなようです。

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「技術の歴史」 おすすめです

2021年02月14日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

金属加工の各専門領域の書籍を見ると、鋳造分野では「人類が初めて手にした金属加工は鋳造」などと書かれていますし、鍛造分野では「最も古い金属加工は鍛造」などと書かれています。
以前から、どちらが正しいのやら?と思っており、人類が最初に始めた金属加工は鋳造か? 鍛造か?なども含めて、金属加工の歴史に興味を持っておりました。
そこで、古い書籍ですが、それらが書かれている「技術の歴史」をAmazonで中古書籍を購入し、読んでみました。


現在、執筆中の書籍内容にも関係しますので、詳細は割愛しますが、
「技術の歴史」では、青銅器時代から鉄器時代に移る過程や、金属の溶解より粉末冶金の方が先であったとか、また金属加工に限らず、あらゆる産業の歴史について書かれており、興味深く読むことができました。

技術の歴史にご興味をお持ちの方にはお勧めの書籍です!

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5円硬貨 × お疲れ様です

2021年02月06日 | 金属 よもやま話
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妻は、私が金属好きなことを知っているので、妻は私にちょいちょい金属ネタを提供してくれています。
ブログネタとして、いつもありがたい情報源になっています。

写真の赤っぽい色をした5円硬貨(写真左側)もその1つ。お財布の中にいつの間にかに入っていたようです。



5円硬貨は、いわゆる真鍮と呼ばれる銅亜鉛合金でできており、真鍮の黄金色が特徴です。
真鍮は、酸などの溶液にさらされると、真鍮の表面から亜鉛が溶けだしてしまいます。
これを「脱亜鉛」と呼びます。
脱亜鉛を起こした真鍮は、銅のような赤っぽい色になります。

今回の赤っぽい色をした5円硬貨が「脱亜鉛」を起こしているかはわかりませんが、いずれにせよ、色が変わるくらい過酷な環境を過ごしてきたのでしょう。
お疲れ様です。

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延期 × 新500円硬貨

2021年01月23日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

2021年度上半期に予定していた新500円硬貨の発行を延期することのなったようですね。
新500円硬貨は、「バイカラー・クラッド」と呼ばれる二色三層構造で、外観的には2色の硬貨に見えるそうです。
延期の理由は、新硬貨に対応させたATMや自動券売機の改修作業が、新型コロナウイルスの拡大に伴い、遅れているためだそうです。

待ち遠しいですな。

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北陸の大雪 × 金属タイヤチェーン

2021年01月11日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日も富山の大雪の話題です。
先週末から降り続けた雪は、ようやく峠を越えたようですが、道路には押し固められた雪があり、まだまだ交通状態が悪いようです。

冬道に欠かせないのがスタッドレスタイヤ。
スタッドレスタイヤは、いわゆる雪道に対応したスノータイヤで、普通のタイヤと比べて駆動力や制動力をより大きく路面に伝える工夫がされているそうです。
私が子供の頃は、スタッドの付いたスパイクタイヤが主流でしたが、路面のアスファルトを削ってしまう問題があったので、現在はスタッドのないスタッドレスタイヤとなりました。

更に雪が厳しい道路で活躍するのが、金属製タイヤチェーンです。
今回の大雪では、富山市内を運行している市内バスの多くは、このタイヤチェーンを装着しています。



早速、ネットで金属製タイヤチェーンの材質について調べてみると、
金属製タイヤチェーンは、「JIS D 4241:2000 路上走行用自動車―タイヤチェーン」として日本工業規格に規定されていました。
その規格を見ると、金属チェーンの材質は、軟鋼線材SWRM材でした。
SWRM材は含有する炭素量も少なめな鋼材で、あまり硬くはないようです。

金属チェーンが硬すぎると路上のアスファルトを損傷させてしまうからかもしれませんね。

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北陸の大雪 × 体積膨張

2021年01月10日 | 金属 よもやま話
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前回は金属を溶かす「溶解(ようかい)」でしたので、本日は金属を固める「凝固(ぎょうこ)」についてです。
金属分野においては、溶けた金属を型に注いで冷却して凝固させるプロセスを鋳造(ちゅうぞう)、使用する型を鋳型(いがた)、出来上がった金属製品を鋳物(いもの)とそれぞれ呼びます。

先週末から富山県も含めた北陸地方は大雪で、現時点での富山市の積雪量は120cmを超えています。
北陸育ちの私にとっても久しぶりの経験です。。。


そのため、ここ最近は気温が低く、凍結によって水道管が破裂しないように、「水抜きして水道管内の水をなくす」や「水をちょろちょろ出して、固まらないように流し続けておく」などの対策が言われています。
これは、水道管内の液体の水が固体の氷に凝固する際に膨張して、体積膨張によって水道管に亀裂が入るためです。
凍結による水道管破裂を金属分野で例えると、氷は鋳物、水道管破裂は鋳型破損ですな。

このような凝固に伴う体積が膨張する物質は、水以外に、金属ではビスマス、アンチモン、ゲルマニウムなどがありますが、
工業的に使用されている鉄鋼材料や非鉄金属の銅やアルミニウムなどほとんどの金属は、液体から固体に凝固する際は収縮します。
そのため、凝固時の収縮を考慮した型設計を行わないと、鋳物の冷却不足や鋳造欠陥の原因にもなってしまいます。

水であれ、金属であれ、凝固に伴う体積変化は、やっかいですな。

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「融解」よりは「溶解」。更には、「溶解」よりは「熔解」ですかね。

2021年01月05日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日は、金属を溶かす「溶解(ようかい)」について。

溶解は、固体の金属を融点以上に加熱して液体金属にする、鋳物や鋳塊を形作るための一番最初の金属加工プロセスです。
この溶解という言葉は、本来であれば、水に砂糖が溶けるように、ある物質が液体に溶けて均一な状態になる現象のことを意味します。
一方、固体が液体になることは「溶解」ではなく「融解(ゆうかい)」と表現します。
すなわち、「溶解はとけて混ざること」で、「融解は溶けて液体になること」です。

でも、なぜか金属の分野では、固体の金属を液体金属に溶かすことを「溶解」と呼びます。
更には、金属の溶解に古来より熱源として火を用いたため、古い書籍では溶解を常用外漢字の「熔解」と表現されることもあります。

個人的には、炉でドロドロに溶けた高温の真っ赤な液体金属のイメージからすると、「融解」よりは「溶解」。
更には、「溶解」よりは「熔解」の方がしっくりきますね。

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打ち初め式 × 鉄

2021年01月04日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今年もどうぞよろしくお願いします。
今年初のブログは、刀の打ち初め式です。

日本製鋼所の室蘭製作所では、刀匠の堀井家による90年以上にわたり日本刀作りが続けられているそうです。
毎年正月に行われる打ち初め式の模様は北海道で必ずニュースで流れるほどで、地域では恒例行事のひとつとなっています。

今日のNHKニュースで、今年の打ち初め式についての報道がありました。
テレビでは、真っ赤になった鉄を大づちと小づちで叩く動画が紹介されていました。

打ち初め式の狙い通りのコロナが終息してほしいものですな。

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おろし金 × クッキングホイル

2020年12月20日 | 金属 よもやま話
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本日は、以前に本ブログでそれぞれ紹介した「おろし金」と「アルミクッキングホイル」の組み合わせです。
妻がどこかで得た情報らしいが、おろし金を汚さずにすりおろすことができて、非常に便利です。
皆さん、お試しあれ!


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鬼滅の刀 × 鍛造

2020年11月22日 | 金属 よもやま話
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遅ればせながら、インターネット動画配信サービスNetfrixで、今流行の「鬼滅の刀」(全26話)を見ました。
人気があるだけ、一気に見ることができました。
その中で、金属オタクにとって興味深いセリフがありましたのでご紹介します。

それは、第17話「ひとつのことを極め抜け」で、蜘蛛の形をした鬼と戦う善逸が、自分を指導してもらったじいちゃんとの回想シーンです。
じいちゃんが善逸に
「刀の打ち方を知っているか? 刀はな、叩いて叩いて叩き上げて不純物や余分なものを飛ばし、鋼の純度を高め強靭な刀を作るんだ。」
と言い、諦めずに地獄のような鍛錬に耐えて、極限まで叩き上げ誰よりも強靭な刃になれ!と指導するシーンがあります。

これはまさに、鉄の鍛造成形プロセスの解説になっていますね。

その他にも、「鬼滅の刀」では、日輪刀という刀や、それを造る鋼鐵塚蛍というキャラクターの濃い刀鍛冶が出てきますので、金属屋も楽しめる内容になっています。
金属屋の視点で「鬼滅の刀」を見るのも面白いですよ!

ちなみに、第17話では、じいちゃんが善逸に「一つの事を極めろ!」とも言っています。
このセリフを聞いて、私は、じいちゃんが言うように、金属(一つのこと)を極めたいと改めて思いました。(笑)

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