私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

『茨城の魚』『新・霞ケ浦の魚たち』など : ご当地お魚図鑑めぐり⑰

2019-06-11 09:30:27 | 各地ローカル図鑑
2019年6月11日(火)

「ご当地お魚図鑑めぐり」 第17回は茨城県。


利根川という大きな淡水域、霞ケ浦という多様な汽水域と用水路
そして黒潮と親潮のぶつかる豊かな漁場となる太平洋に接する県。
そりゃ、当然のことながら魚種も豊富になるよね。

『茨城の淡水魚』(レイモン・アザディ著 筑波書林 1983年)


100ページ足らずの薄い文庫本なのに、124種もの魚種が紹介されてる。
もちろん周縁魚まで包括した淡水魚について1種ずつ解説。
茨城での方言にもページを割き、詳しく記録してるし
生息流域となる河川や湖沼を網羅しておられるので、記録の緻密さ正確さを強く感じる。

すごい本だよ。
ケド、著者のレイモン・アザディさんがどんな人かわからない。
ネット検索しても出てこない。
茨城の水生植物の本も出されてるみたいだし
文章もとても上手いので、長く茨城に暮らされ、水産関連に携わったのかな?


『平成調査 新・霞ケ浦の魚たち』(荻原富司・熊谷正裕編 (社)霞ケ浦市民協会 2007年)


オールカラーで画像もきれいだし、詳しいし、いろんなコラムも読みやすい。
特に、絶滅種の記録と多様な外来種を抱えた状況説明がいい。
とってもいい図鑑だなあ。
茨城県にとどまらず、近隣の県の人たちには是非購入をお勧め。

ま、後々編者の熊谷さんは
日本全国にわたるタナゴ釣り関連の名著を出されてて
元々関東地方中心だったタナゴ釣りを全国展開のブームの火種になっちゃった。
これらの本もとてもいいケド、ちょっぴり悪用されちゃった感もする。


『茨城の海の生き物』(茨城新聞社編 茨城新聞社 1985年)


茨城大学卒の4人の研究者さんが、分野別に執筆されてる。
あまり興味の湧かない藻類や植物をとばして読もうとしても
「潮上帯の生き物たち」などと、生息環境別に生き物をまとめてるので
苦手な藻類や植物もついつい見てしまうという優れものの図鑑。
そうなんだよな。
1つの生態系に暮らす生き物をある程度把握しておかなきゃいけないんだよね。
魚やエビ・カニだけ追ってても
環境激変なんかのときに気付かなかったり、対応できなかったりするもんな。

分厚いし、オールカラーだし、大きな画像なのもいい。
解説も短いので読みやすい。
比較的安価だしね。

手元にあるのはこの3冊だケド、茨城県関連はもっと出版されてるんだろうな。
もしご存知の方がおられればお教えくだされば幸いです。

やるね! 茨城県!

ナベカを2年ぶりに釣った!

2019-06-10 08:04:35 | 海釣り
2019年6月10日(月)

ナベカを釣った。




4日前の午前中のこと。
この後のセトウチサンショウウオ壊滅ショックで書く気になれんままほっといてた。

この日はネズッポ属を探しにこんなとこへ。


ワカサギ5本針と2号オモリでチョイ投げ(何が釣れるか分かりまへんでスペシャル)でねらう。

投げる度にクサフグに針を1本ずつ切られる。
クサフグは小さな針を飲み込んでも1時間後には吐き出すことを
以前バケツに何匹か入れて確かめている。
クサフグに迷惑をおかけするが少し気楽である。

シロギスをかみさんが先に釣った。


ヒメハゼもかみさんが先に釣った。


ここにもネズッポ属はいないか極端に少ない。

あきらめて波止へと徒歩移動、いつものタナゴ竿。

かみさんに久しぶりのキュウセン。


さらにタケノコメバル。

私にアサヒアナハゼ。


さらにアカオビシマハゼ。

そして、冒頭のナベカ。


以前釣ったナベカ初号機は2017年6月18日

まだ、タナゴ竿で海釣りを始めて半年の頃。
撮影もど下手くそだった頃。
だからきれいな写真に撮りなおしておきたかったのである。(物好きな人はクリックして比べてね)

その後もナベカを見かけると時々エサをたらしたりするも見向きもせず。
今回ほぼ2年ぶりに食欲を見せるナベカに出会った。

すっかり割れたオオヘビガイの残骸の巣からゴカイの小片をかじりに出てくる。
かじりとって巣へと戻る。
何度やってもかじりとられること小1時間。
クサフグに気付かれ、ゴカイをとられそうになった瞬間、しっかりくわえて巣へ。

かくして私の撮影ケースへ確保となったのだ。


クサフグくんのおかげだ。
私は、いろんな魚たちのこんな行動習性を見てるのが好きだ。
行動習性を見るのにはガサよりも魚(うお)釣りが向いてる気がする。
それにしても2年越しにナベカを釣りなおして喜んでる人は
世界広し舘ひろしといえども私と無邪気な幼い子たちくらいかも?という自覚は一応ある。

撮影はチョロチョロと難しい。


よく見ると抱卵しとるんやないの?
だから食欲もあったんかな?


初号機と比べ、キズ1つない体色もきれいな2号機を写真図鑑に再登録しておくことに。

かみさんは大きなキュウセンとシロギスとタケノコメバルで喜び
私は小さなアサヒアナハゼと久しぶりのナベカで喜び
どっちの勝ちかで実りのない言い争いを楽しみ
機嫌よくセトウチサンショウウオ幼生生息地へと向かってたんだよね。


壊滅的被害 : セトウチサンショウウオ幼生生息地

2019-06-08 18:45:58 | 爬虫類・両生類
2019年6月8日(土)

一昨日のこと。
たまにはセトウチサンショウウオ幼生のようすをと。

到着して唖然。
イノシシがヌタ場にしてグチャグチャになっとるやないの!


4月上旬に数個の卵塊を見つけ


尾芽胚まで発生が進んでいて


4月下旬にハッチアウトしてて




5月上旬に摂餌行動もしてるようでスクスクと




5月下旬にバランサーの消失と、後肢の出現を友が確認し


それから約2週間。

このペースだと7月には外鰓も消え、成体となり山へと戻るかもしれんな。
成長のようすはキチンと残しとかんとな。

そう思って確かめに来たらこうだもの。


乾ききってない泥にまみれてるし、たまり水も濁ったままだし
足跡もいくつも残ってるし(1つは私の)
イノシシの犯行はこの日の午前中みたい。

数カ所残ってる小さな小さな水たまりを丹念に丹念に時間をかけて探してみるケド・・・

あ~残念無念!
もう1日でも早く来てれば・・・

とはいえ、持ち帰り飼育して育てたとしても
生息地に戻すことは基本してはいけないもんな。
本来あるべきとこへそのままそっとおいておきたいもんな。

突然の交通事故みたいな自然の摂理に遭遇し
あらためて止水性サンショウウオは常に絶滅の危機と隣り合わせに生きてると思った。

スイゲンゼニタナゴ保護繁殖施設を見学して

2019-06-06 07:18:57 | 純淡水魚
2019年6月6日(木)

先日、スイゲンゼニタナゴの保護繁殖施設を見学させていただいた。
ご存知の方も多いと思うが
このスイゲンゼニタナゴ、国の種の保存法指定の極めて絶滅の危機にある淡水魚。
採ったり飼ったり売ったり買ったり放流したりすることは法で禁止されてる。

この施設は国の認可の下、飼育・繁殖に長年取り組んでいる。
所狭しと何十もの大小の水槽が設置されてる。

差しさわりのないよう水槽内の写真だけ撮らせてもらうことに。


長い間飼いならされたためか、エサをもらえるとワイワイ群がって撮影がうまくいかない。


なんとか婚姻色のしっかり出たオスを写したいのだが

これが限界かなあ。

この施設で知人は日々本来の仕事や残業を終えた後、エサやりや維持管理や人工繁殖を行ってる。

目が回るほどの忙しさだ。

「野生絶滅が目前に迫ってるもんな。そんな日が来ないにこしたことはないケド。
 現状では風前の灯火やもんな。そんな日に備えて、遺伝子絶やさんようにしとかんとな」

遺伝子に偏りが起きないよう人工繁殖の際のペアの組み合わせも工夫しながら
各研究機関とも連携しながら
毎年毎年数百を超える新しい命を誕生させている。

今年も稚魚が生まれてた。


今は施設から一歩も出ることのできない稚魚たちである。


もし、環境が良くなって生息地が回復していけば知人のこの長年の奉仕活動はムダになる。
それでも知人は間違いなく喜ぶだろう。

毎日毎日仕事前後に絶滅危惧種のタナゴ類を釣り歩き、SNSにアップするのも
毎日毎日仕事終わりに知人のように繁殖のための作業を黙々と行うのも
どちらも好きでやってること、自己満足に変わりないと言う人もいるかもしれない。
そんなもん遅かれ早かれ放流しても絶滅するじゃんと言う人もいるかもしれない。

でも、知人の行為の方が人としての深みを感じるな。
ただただ好きでやってるを越えてる何かに心が震えるもんな。

乱獲する人やタナゴ釣り人もほどほどにせいよと腹立ってくるもんな。

見学させていただき、あらためて感謝!

 




初夏の干潟釣り

2019-06-05 11:24:10 | 汽水釣り
2019年6月5日(水)

昨日は干潟での釣り。


暑くなるまでの短時間、ちょうど午前中が満ち上がり。


潮にのり、幼魚たちが波止場の浅地にも広がってくるハズ。

「ヒメハゼ釣ったよ~っ!」 かみさんが笑う。


「馬鹿っ! まだバケツに水も汲んどらんのにっ!」
こっちが準備中にフライングをする卑怯者なのだ。

2つのバケツに水を汲む。
1つは魚の一時保管用(撮影後は即放流)、もう1つは撮影用(濁りの沈殿のため)。

ヒメハゼを針がついたまま即バケツへ。
あわせて手もバケツで冷やして・・・
カメラを用意して・・・

上の写真を撮るまで私はこんないろいろやっとんよっ!

お気楽に「ヒメハゼ釣ったよ~っ!」だなんて・・・

でもって、そのヒメハゼ幼魚


コイツが釣れ始めると夏になったなあ、と思う。


今年の初物ヒメハゼだし、ヒレもまあまあ開いてくれるし
せっかくかみさんが釣ったし、喜んどるし
いつもより余計に載せさせてもらってます。(載せの介載せ太郎)

続いて私にマハゼの幼魚。

こんなに小さいのにアタリはしっかりくっきり。



背ビレを広げてくれない。
何となく顔もふくれっ面してる気がする。

その後、しばらくはヒイラギたち。


ふと思う。
アタリもヒキも大きさも形もまあまあタナゴに似てるなあ、と。

絶滅危惧種のタナゴたちを毎日のように釣ってる人もいるケド
このヒイラギ釣りを代替タナゴ釣りにするのもいいかもしれんぞ。
大きいのはカネヒラやオオタナゴを釣ってる気分になるし
口だけ持ってはずせばヌルヌルも防げるし、簡単だし
低温ヤケドもなく、粘液をはがして傷めたりもしない。

どうですか?
タナゴ釣りばかりにこだわらず、ヒイラギ釣りもなかなかですよ!

その後、久々にイダテンギンポ。


コイツも豪雨以降すっかり減ってしまったもんな。


「大きいよ~っ! なんか大きいよ~っ!」 またこのパターンやね。
見てみると、これまた今年初物のイシガレイ幼魚。


コイツ、この大きさで結構引くんだよね、いいなあ。
撮影はいろいろと試して、結局前回のマコガレイと同じパターンに落ち着く。


イシガレイとマコガレイは側線の曲がり方ですぐわかるケド
最近はもう顔つきだけでわかるようになってきた。

「私の勝ちじゃ~っ!」と、かみさんは上機嫌なのだが
ネズッポ属の魚やホシガレイ幼魚などなど、まだここで釣ってない魚がいるからね。

ソイツらをどっちも釣っとらんから、何をどう言っても引き分け。