花の公園・俳句 ing

日本は素晴しい花の国。美しい花々と公園、四季折々の風景を記録したいと思います。我流の俳句は06年3月12日からです。

ワイフ・オブ・バス は温泉地の

2023年04月01日 08時30分01秒 | ばら     
バラ図鑑の編集をしていて、またまた品種名について大発見がありました。

ソフトピンクの、やや小ぶりのカップ咲きの薔薇でミルラの微香がある、ワイフ・オブ・バス Wife of Bath (Shrub、ER)。
  別名に • The Wife of Bath ・AUSwife
作出者 イギリス オースチン David Austin  1969年。

この品種名の意味が分からなくて、風呂屋の女房? かと思ったりしたので、2008年05月21日の記事には恥ずかしながら 「上気したバラ」「お風呂の妻? 風呂に入っている妻? バースさんの奥さん?」などと書いていました。

その後カンタベリー物語に出てくる The Wife of Bath's Tale から採ったということを知りました。Webでは Bath を人名のようにとらえて、バース氏の女房という感じの書きぶりが多いようです。
これだけではあまり興味深くないので掲載から外そうと思っていました。元阪神のランディ・バース氏のことを思い出しましたが、氏は Randy Bass で綴りが違います。

しかし色々な本を見ると、このバラはイングリッシュローズとして初めて完全四季咲き性を持った第1号品種だというので、掲載することにし、いったんこの項の原稿を書き上げました。

きのう大宮図書館へ本を借りに行き、バラ関係のものを何冊かめくっていて、何気なくワイフ・オブ・バスの項を見るとイングランドに Bath 市があるというのを発見!
ビックリしてその本を含め3冊借りていそいそと帰宅し、本をめくったのですが、あれれ?? どこにもワイフ・オブ・バスの項がありません。
いったいどの本を見たのでしょうか? ほんとに物忘れがひどくなりました。

それで Webで検索すると、確かにイングランド西部サマセット州にバース Bath 市があり、なんとローマ支配下の紀元2世紀頃から温泉地として発展していたそうです。保存状態の良い古代ローマの公衆浴場跡 「ローマン・バス」は観光名所になっており、「バース市街」はユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

チョーサーのカンタベリー物語 (1400年までに成立) にバースの女房の話(The Wife of Bath's Tale)がありますが、5度の結婚歴のあるこの女房 (アリスーン)は前口上で、イエス・キリストは決して複数の結婚を否定しなかったし、アブラハムやヤコブやソロモン王も二人以上の妻を持ったと例証して、財産目当てと支配欲でいっぱいの自分の生き方の正しさを主張します。
この女房の最後の夫は Jankyn で、5人の夫の中に bath 氏はいないようです。とすればたぶんバース温泉の出身だったのでしょう。

ちなみに小学館 プログレッシブ英和中辞典で bath は、
 入浴,水浴び、日光浴,森林浴、
 通例~s;単複両扱い〕浴場,温泉、(古代ローマの) 大浴場;
   ((英やや古)) プールつき浴場,屋内プール

とあります。意訳すれば 「バース浴場の女房」 というに感じになりますね。

なおこの地名 Bath が英語のお風呂の語源と言うのは俗説で、温泉があるのでそう名付けられたという事です。

写真は 東京都新宿区 新宿御苑 2008年5月18日です。




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