わが津幡町の染井吉野は盛りを過ぎた。
あれだけ咲き誇った姿は掻き消え、今は若葉が萌出る。
正味2週間に満たない、短い花の時。
今回の投稿は、その記録から始めてみよう。
<愛犬と桜>
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<旧津幡川河畔の桜と案内板>
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<住吉神社の桜>
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<幹から咲いた花>
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染井吉野は、エドヒガンザクラとオオシマザクラの交雑種。
生育が盛んで、全国各地の街路や公園などに植えられているのはご存じの通り。
花は枝から房状に伸びて3~5個が付く。
樹木全体を染める満開時は「花が実る」とでも言いたくなる程の咲きっぷりだ。
<モノクロ加工①:陽の光を浴び輝く花>
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<モノクロ加工②:鈴生りの花が落とす影>
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季節の移ろいに歩調を合わせ、一斉に咲き、一斉に散る桜。
それは、自然が本格的な春の訪れを祝福して用意した
「開店祝い」のようにも思えるのだ。
--- さて、話題は変わる。
先ごろ、艇界のスターレーサー「山崎智也(やまざき・ともや)」が
現役引退を発表した。
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確かに、年明けから成績は振るっていなかった。
力量の衰え、気力の減退は明らかだった。
現況勝率は5.96。
1996年から守り続けたトップカテゴリーのA1級に留まるのは厳しかった。
通算2,000勝まで、残り32のカウントダウンでもあった。
しかし、彼は幕を引いた。
【ずっと楽しみながらやってきたが、
最近は勝つことに対して楽しいという気持ちが薄れてきた。
今月の宮島を走った時に、今のメンタルでオールスターを走るのは
お客さまに申し訳ないという気持ちと、
出場枠の一つを無駄にしてしまうという思いになった。】
(※本人談)
その存在感は競艇ファン以外、ピンとこないだろうが、まあ、凄い人なのである。
優勝93回(うちSGは11V、G1は31V)は、文字通りの「大記録」だ。
キャリアのピークと言えるタイミングは、
年間3つのSGを制して賞金王に輝いた2015年。
この日本一決定戦、僕は現場(大阪・住之江競艇場)で目撃している。
確か1→3→2、山崎→毒島→石野の順でゴール。
地鳴りのような歓声が轟く、超満員のスタンドで、
群馬支部ワンツー・フィニッシュに拍手を贈ったことを思い出す。
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--- 桜が散り始めた頃に舞台を降りる。
風に舞う花吹雪は、戦士を労う「退職祝い」かもしれない。
お疲れさまでした!