世界最古の「紙」は、紀元前150年頃のものだという。
古代中国「前漢」時代に編み出された大変貴重で高価な「紙」が普及する前、
世界各地では様々な媒体が利用されたきた。
例えば、古代メソポタミアの粘土板、古代エジプトのパピルス。
古代ギリシャなどのオストラコン、西アジア・ヨーロッパの羊皮紙などがそれだ。
日本や東アジアでは、木の板に墨で文字をしたため、通信ツールや、記録メディアにしてきた。
いわゆる「木簡(もっかん)」である。
わが津幡町・加茂(かも)遺跡で発見された木簡---
「加賀郡ぼう示札(ふだ)」は、平安時代(西暦800年代半ば)のお触書。
国内最古のもので、当時の暮らしが窺える重要な資料なのだ。
また、同遺跡からは他にも複数の木簡が出土している。
そんな縁もあり、時空を超えた「古(いにしえ)からの手紙」をリメイクするイベントが開催されると聞き、
本日(2023/12/16)、会場となる文化会館シグナス・研修室へ足を運ぶ。
子ども歴史民俗講座「古代の手紙~木簡年賀状を書こう~」には、
事前応募した町内の小学4~6年生、14~5名が参加。
見学だけのつもりだったのだが関係各位の配慮を賜り、僕も小学生と机を並べた。
まずは、木簡のあらましを受講。
隣合わせた子供が熱心にメモを取っていた。
感心である。
そして、木簡年賀状作り体験スタート。
スポイトで硯(すずり)に水を垂らし、黙々と手を動かすこと20分余り。
手先に疲れを覚える頃、ようやく粘り気のある墨液が少量溜まる。
墨をすったのは、一体、何年ぶりだろう。
こんなに苦労する作業だったのだと実感しつつ、筆先を浸して絵や文字をしたためる。
筆を走らせ、改めて墨の濃淡や滲みの味わいを再認識。
そして、木簡の「実物」を間近に拝見。
今から1000年以上昔の墨文字が鮮明なのに驚き、感激。
色んな学びを得て、充実した時間を過ごした。
木簡年賀状は、主催者から郵送していただけるとのこと。
拙作の宛先は自分自身。
元旦に届くのを楽しみにしている。
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