暑中お見舞い申し上げます
盛夏の候 いかがお過ごしでしょうか。
ここ北陸は、梅雨が明け、夏の気配が色濃くなってきました。
朝晩の気温差やコールドショックから夏風邪など召しませんよう、
お身体ご自愛くださいませ。
さて、個人的な「夏の花」は--- やはり「アサガオ」になるでしょうか。
アサガオ栽培は、昔も今も小学校低学年カリキュラムの一環。
僕も夏休みに「アサガオ観察日記」を書いた記憶があります。
数ある花の中でも、馴染み深い品種といえるかもしれません。
種を植え、双葉が萌え出し、蔓が支柱を這い登る。
日の出前から開き始め、昼ごろには萎れる一日花。
その掌ほどの可憐な花は、美少女を連想させます。
--- ということでほんの手慰みに筆を執りました。
ご笑覧くださいませ。
アサガオは帰化植物。
奈良時代、薬草として中国大陸から渡来したといわれますが、
日本では園芸用の花として普及してゆきました。
その頂点の一つが江戸の「変化アサガオ」ブームです。
僕たちが思い描くアサガオは、上掲拙作が典型。
花径10数センチのラッパ型で、花色は青・紫・紅等。
葉は、三方向に分かれ尖った形状を、よく見かけます。
江戸後期~幕末にかけ誕生したものは、実に多種多彩。
中には原型を留めていない、奇品・珍品もありました。
最盛期には1000種を超えたそうですから驚きです。
江戸園芸を牽引したのは武士。
--- 何しろ時は天下泰平です。
戦士として活躍する機会は、まずありません。
特に給金の安い下級武士たちが、手間をかけて草花を育て、愛で、販売して副収入にしました。
趣味と実益を兼ねていたんですね。
また、大きな影響を与えたのが植木鉢。
広い庭がなくても栽培できる。
新鮮な状態のまま売買できる。
画期的なアイテムは園芸の広がりに貢献しました。
お殿様や武家~有力商家~長屋住まいの庶民まで、
季節の花々を楽しんでいたとか。
園芸文化は文明の質を計るバロメーターの一つ。
植物の生態を知るための「学術的素地」。
栽培・管理を行うための「技術的素地」。
心に鑑賞のゆとりを育む「経済的素地」。
この3つが揃って初めて、豊かな園芸文化足り得る。
それぞれのレベルの高さは左程問題ではありません。
バランスよく混在しているのが肝要です。
日本の江戸時代のように。
そして欠かせないモノが、あと2つ。
平和が保たれている「時代的条件」。
穏やかな気候という「環境的条件」。
これは「絶対条件」と考えています。
これからも、美しく可憐なアサガオの咲く夏が続くことを願って止みません。
では、また。
令和五年 盛夏
りくすけ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます