度々、拙ブログにて触れてきたとおり、
津幡四町(※)の「獅子舞」は2年連続で中止となった。
(※かつての宿場、清水、庄、津幡、加賀爪、中心部4つの在所)
もちろん新型コロナウイルス感染症の影響である。
獅子舞当日は、早朝から大きな獅子が街を練り歩き、
玄関先に祭りの幕や提灯が飾られた家々の前で「舞」を披露。
その報酬として花代(ご祝儀)を振る舞うのが習わしである。
(令和元年/2019年撮影)
そして、クライマックスが各町の獅子舞競演「四町頭合わせ」。
能登側から庄・住吉会。
金沢側から加賀爪・白鳥会。
倶利伽羅側から津幡・太白会。
津幡城址側から清水・八幡会。
四ツ角交差点に、四町の獅子が集まり、
囃子方、獅子舞、棒振りと互いの技を見せつけた後、獅子頭がぶつかり合うのだ。
(令和元年/2019年撮影)
夏の終わりと、秋の始まり。
季節の節目を印象付けてくれる行事だけに、毎年楽しみにしていた。
鑑賞できないのは寂しい限りだが、
本日(2021/09/13)より、津幡公民館に於いて「津幡地区 獅子頭展」がスタート。
早速、お邪魔してきた。
会場に一歩足を踏み入れると--- おお!四町の獅子がお出迎え。
獅子頭、カヤ(布製の胴体)、笛太鼓、薙刀、太刀、法被、化粧まわし。
スルメ・勝ち栗・お神酒などの供え物が一堂に展示。
なかなか壮観。
久しぶりに実物を間近で眺め、感激した。
加賀爪・白鳥会「赤獅子」
表面には朱漆が塗られている。
津幡・太白会「虎獅子」
表面には白鹿の皮が張られている。
清水・八幡会「熊獅子」
表面には黒熊の皮が張られ、目が左右に動く細工が施されている。
庄・住吉会「大獅子」
清水地区同様、表面には黒熊の皮が張られている。
それぞれ頭の背後にあるカヤは、麻布で牡丹や巻毛模様をあしらい、
ホネ(胴竹)を3本入れカヤの内側で縛って張る。
尾の高さは3.5m、全体の長さは5mあまり、幅2mほどのサイズ感。
複数人が操る大きな異形の存在に立ち向かうのが「棒振り」と呼ばれる役回りだ。
津幡の獅子舞は、木製の薙刀、太刀、鎖鎌などの武具を手にした棒振りが、
お囃子に合わせ、武術の技を取り入れた舞いで退治する「獅子殺し」が特徴である。
四町の棒振り共通の師は、安政5年(1858年)、
津幡町・竹橋(たけのはし)に生まれた、故「角尾伝蔵」氏。
金沢・大樋町の道場で習得した技を広めた。
会場内には、存命中の貴重な写真も展示。
素足に、大小二刀流である。
カッコいいぜ。
昭和15年(1940年)に永眠以降は、
氏の弟子たちが各地区へ招かれ、伝授していった。
連綿と歴史が続き、今に至っている。
会場には、他にも様々な資料が展示。
都合が許せば訪れてみてはいかがだろうか。
「津幡地区 獅子頭展~津幡町の獅子舞~」の会期は9月19日(日)まで。
時間は午前9時~午後8時(最終日は午後3時で終了)。
会場は、津幡小学校敷地裏手の「津幡町公民館」である。
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