人事介入 市民と野党 抗議宣伝
自由にモノ言えない社会にさせない
小池書記局長が訴え 東京・新宿
菅義偉首相による、日本学術会議への人事介入に抗議する街頭宣伝が12日、東京・新宿駅前で行われました。各野党の国会議員や、学者などの市民が次つぎとマイクを握り、「自由にモノが言えない社会にさせないために、みんなで声をあげていこう」とアピールしました。
主催した総がかり行動実行委員会共同代表の高田健さんは、「自分と意見の違う人を排除した。これは、菅政権がめざす政治のあり方すべてにかかわる問題です」と訴え。同じく共同代表の小田川義和さんは、「私たち一人ひとりの自由と民主主義の問題です。任命拒否を必ず撤回させましょう」と語りました。
国際ジャーナリストの伊藤千尋さんは、国外からも厳しい批判がでていると紹介し、「日本をより良い方向にしていくのは、ここにいる私たちです」と話しました。日本共産党、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」が参加。共産党の小池晃書記局長は、国会で菅首相はまともな説明ができなくなっていると指摘し、「説明できないなら、任命拒否を撤回するしかありません」と強調。政府の考えと違うことを発言すると弾圧される社会にさせないために、力をあわせて声をあげようと呼びかけました。主催は、総がかり行動実行委と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」です。
★11日、国際オリンピック委員会(IOC)会長・トーマス・バッハはオンライン理事会後に取りざたされる東京五輪中止論に対して「コロナ対策を具体的にまとめる極めて重要な段階に来ている。中止の議論はしない。答えはノーだ」と否定した。バッハは15日から18日まで訪日し首相・菅義偉、都知事・小池百合子らと面会するとともに、都内の選手村や主会場の国立競技場を視察し、選手らと面会する考えも示している。
★バッハは8日に都内で行われた国際体操連盟(FIG)が開催した日米中露4カ国交流大会の成功を念頭に、また1日に横浜スタジアムで9割近い収容率で開催したプロ野球公式戦の入場制限緩和実験に触れ「東京五輪で適切な数の観客を入れられる自信になる」とも説明し「多くの観客が訪れるだろう。日本のプロ野球や先日の体操がそれを示している」と自信を示した。バッハの発言からは無観客試合や海外の観客も来日する想定を崩していないことがわかる。
★だが現実は甘くはない。11日午後、日本医師会会長・中川俊男は東京など各地でコロナウイルスの感染者が増加していることを受けて「第3波と考えていいのではないか」との見解を示した。翌12日、コロナ対策相・西村康稔は「増加傾向が顕著になってきた。このまま続けばより強い措置を取らなければならない」と踏み込んだ。首相は所信表明や予算委員会の質疑などで五輪開催について「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催する」としているが、解散総選挙の時期についてただすと「コロナ対策最優先」と矛盾する答弁を続けている。またこの五輪は東日本大震災の復興五輪と銘打ったのは政府ではなかったか。コロナに打ち勝つ証しなど不要で、バッハや政府のもくろみがいかに大甘の予測をしているかがわかる。首相には「五輪はできるが選挙はできない」理由を総合的、俯瞰(ふかん)的に説明してほしい。(K)※敬称略
菅首相が生出演『ニュースウオッチ9』の質問に激怒し内閣広報官がNHKに圧力!『クロ現』国谷裕子降板事件の再来
菅義偉Twitterより
菅義偉政権の誕生によって恐れていたことが、すでに起こりはじめているらしい。菅首相は安倍政権下で“メディア圧力”を担ってきた張本人だが、菅官邸でも報道現場に直接的な圧力をかけているらしいのだ。しかも、今回ターゲットとなったのは、公共放送・NHKだ。
菅官邸によるNHKへの報道圧力を報じたのは、「週刊現代」(講談社)11月14日・21日号。菅官邸が問題視したのは、菅首相が所信表明演説をおこなった10月26日に生出演した『ニュースウオッチ9』(『NW9』)だ。
この日、菅首相は『NW9』で日本学術会議の任命拒否問題について、有馬嘉男キャスターが「国民への説明が必要」と突っ込んだことに対し、キレ気味にこう述べていた。
「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか。105人の人を学術会議が推薦してきたのを政府がいま追認しろと言われているわけですから。そうですよね?」
つまり、信じがたいことに総理大臣が「説明できないことをやった」と自ら公共放送でゲロったわけだが、問題はこの放送の翌日に起こったと「週刊現代」には書かれている。
〈その翌日、報道局に一本の電話がかかってきた。
「総理、怒っていますよ」
「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」
電話の主は、山田真貴子内閣広報官。お叱りを受けたのは、官邸との「窓口役」と言われる原聖樹政治部長だったという。〉
山田真貴子内閣広報官は、総務省出身で安倍政権下の2013年から2015年まで広報担当の首相秘書官を務めた人物で、新政権発足で菅首相が官邸に呼び戻した“子飼い”だ。そんな人物が、番組の内容に「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う」とクレームをつけ、「総理、怒っていますよ」と言い放つ──。無論、この「総理、怒っていますよ」というひと言のインパクトは絶大で、NHKが震え上がったことは間違いない。
というのも、菅首相にはNHKの報道に介入し、圧力をかけた“前科”がある。本サイトでも何度も取り上げてきたが、代表的なのが『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスター降板事件だ。国谷キャスターは2014年7月の『クロ現』生放送で当時官房長官だった菅氏にインタビューしたのだが、当時、閣議決定されたばかりの集団的自衛権容認について厳しい質問を繰り出したことから、放送終了後に菅官房長官が激怒。この菅氏の怒りが、後の国谷キャスターの番組降板へとつながることとなったのだ。ちなみに、NHKへの直接的な圧力を担ったのは、学術会議問題でもキーマンとなっている杉田和博官房副長官だと言われている。