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◆小池百合子都知事に「国政復帰」チャンス到来…4月の衆院補選に出る? 自民都連最高顧問に見立てを聞いた

2024年03月28日 08時52分43秒 | ●YAMACHANの雑記帳
小池百合子東京都知事(71)が衆院東京15区補選(4月28日投開票)で国政復帰を目指すのではないかと取り沙汰されている。現職衆院議員が2人続けて金銭スキャンダルや選挙違反で辞職した自民党は、独自候補の擁立が難航。高い知名度を誇る小池氏への「相乗り」の可能性も視野に入れるものの、肝心の小池氏の胸の内は読み切れずにいる。
そんな中、自民党の二階俊博元幹事長(85)が3月25日、次期衆院選に出馬せず今季限りで引退すると表明。仮に小池氏が永田町に戻った場合、最大の後ろ盾になると目されていた実力者だ。二階氏の「不在」は小池氏の判断に影響するのか。自民党都連最高顧問で、二階、小池両氏とも付き合いの長い深谷隆司元通商産業相(88)に見立てを聞いた。(佐藤裕介、宮尾幹成)
次期衆院選への不出馬を表明する二階俊博氏=3月25日、自民党本部で

次期衆院選への不出馬を表明する二階俊博氏=3月25日、自民党本部で

◆「より大きな舞台で」が小池氏のもともとの気持ち

3月26日、深谷隆司氏を東京・浅草の自宅に訪ねた。現在も自民党都連の重鎮として、国政選挙や都知事選の候補者選考に関わる立場だ。
小池氏は東京15区補選に出るか出ないか、どちらの可能性が高いと思うか尋ねると、「半々だ。国政の舞台に立ちたいというのが本音だろう。都知事という仕事は面白いが、限界もある。それよりも大きな舞台で活動したいというのが、彼女のもともとの気持ちだと思う」と話した。

衆院東京15区補選 江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で有罪が確定した柿沢未途・元自民党衆院議員の辞職に伴い、4月16日告示、28日投開票の日程で実施される。日本維新の会、共産党、参政党、諸派の「日本保守党」が候補者擁立を発表した一方、自民党、立憲民主党、小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会などは3月27日現在、候補者を決めていない。東京15区を拠点としていた元自民党衆院議員で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で収賄などの罪に問われた秋元司被告も立候補を表明した。

◆二階氏に代わる後ろ盾に「際だった人はいない」

小池氏は3月25日、二階氏の次期衆院選不出馬の発表を受け、「驚くとともに、二階先生らしいご決断だなと思った」と記者団に述べた。
小池百合子都知事(左)のパーティーで講演を終え、握手する二階俊博自民党幹事長=2019年8月、新宿区で

小池百合子都知事(左)のパーティーで講演を終え、握手する二階俊博自民党幹事長=2019年8月、新宿区で

これについて、深谷氏は「(二階氏は)おそらく小池さんには(事前に)話をしているはずだ。小池さんは困っているのでは」と指摘する。
二階氏と小池氏は、1990年代の新進党や保守党以来、行動をともにしてきた同志。都知事に転出した小池氏の国政復帰がささやかれるたびに、自民党幹事長として権勢をふるった二階氏との親密な関係が注目された。
仮に小池氏が衆院議員として自民党に復党したとして、二階氏に代わりうる有力な後見人がいるかどうかについては、深谷氏は「際だった人はいない。二階さんがいちばん力があった」と語る。
小池氏を巡っては、目標は国政復帰にとどまらず、「女性初の首相」が最終ゴールとの見方が根強くある。
これに関しては「(小池氏が)天下を取っていくなんていうことはあり得ない。自民党のベテラン議員と言われる人たちの頭の中にはないだろう。二階さんくらいはあったかもしれないが」と解説。ハードルは高いとみる。

◆小池知事と自民の関係「しこりは残るが、修復しつつある」

自民党衆院議員だった小池氏は、2016年7月の都知事選に党籍を持ったまま立候補し、自民党推薦の増田寛也氏を大差で破って当選した。その後、地域政党「都民ファーストの会」を立ち上げ、翌2017年4月の都議選で自民党に圧勝。協力関係にある公明党などと併せて都議会の過半数を確保し、自民党との対決色を鮮明にした。
自民党都連最高顧問の深谷隆司氏=3月26日、台東区雷門の自宅で

自民党都連最高顧問の深谷隆司氏=3月26日、台東区雷門の自宅で

その後は東京五輪の成功という共通の目標もあり、自民党とは徐々に「大人の関係」(自民党職員)を構築。自民党都連が「政治とカネ」の問題で身動きが取れなくなった2023年秋以降は、安倍派幹部でもある萩生田光一都連会長が小池氏との距離を縮めてきた。
2023年12月の江東区長選では自民、公明、都民ファーストが相乗り推薦した候補が当選。萩生田氏の地元で行われた八王子市長選(2024年1月)では、小池氏が自公推薦候補の応援に駆けつけた。
深谷氏は「小池氏の身勝手さには、みんな心の中にしこりが残っている」とした上で、「(関係は)何となく修復されつつある感じはする」と話す。政策的にも「そもそも(自民党時代には)同じ意見でやってきた人。違和感はなくなりつつある」という。
小池氏が東京15区補選に出ず、7月の都知事選で3選を目指す場合には、「別に『反小池』の候補者を立てる必要はない」と明言する。
「自民党都連から知事候補を立てるような動きはゼロだ。小池さんとぶつけ合うようなタマがいない。私がやりましょうという人もいない。自民党としては『不戦』。不戦敗ではない。勝ちでも負けでもない」

深谷隆司(ふかや・たかし) 1935年、東京・浅草生まれ。終戦を満州(現在の中国東北部)で迎える。早稲田大法学部卒業後、東京都台東区議(1期)、都議(1期)を経て、1972年から2009年まで衆院議員を通算9期。初当選同期は「YKK」と呼ばれた小泉純一郎、加藤紘一、山崎拓の3氏や石原慎太郎氏ら。中曽根派、渡辺派、山崎派に所属した。郵政相、自治相、通商産業相、自民党総務会長などを歴任し、2012年に政界引退。現在は自民党都連最高顧問、「TOKYO自民党政経塾」塾長を務める。

◆「時間切れ」「最後に打って出る」なお飛び交う憶測

小池氏は東京15区補選に出るのか、出ないのか。与野党にはなお、さまざまな憶測が交錯する。
国政復帰か、知事続投か。小池百合子氏の胸中は…

国政復帰か、知事続投か。小池百合子氏の胸中は…

自民党都連の執行部の一人は「(小池氏は)自民党総裁になりたいのだろうが、もう時間切れだ」とみる。二階氏の引退表明にも触れ、「一国会議員になってから、総裁になる道が見えない」と指摘する。
公明党都本部の関係者も「総理になれる可能性が150%ないと出ないのではないか。二階さんがいなくなった今、その可能性は低くなったとみるのが自然だ」と話す。
一方、71歳の小池氏にとって、7月の都知事選前に行われる今回の補選が事実上、国政復帰のラストチャンスになるとみる向きもある。知事に3選した後に衆院選に立候補すれば、「投げ出し」との批判を受けるリスクもあるからだ。
自民党の中堅衆院議員は「最後だからこそ、打って出るのではないか」と見通す。独自候補の擁立を模索する立憲民主党からは「小池さんが出てくる可能性はまだあると思っている。出れば当選は確実だろう。なかなか選挙戦略を描きづらい」(都内選出の衆院議員)との声が上がる。

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