16日、ウクライナ・マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から同国ノボアゾフスクに搬送されたウクライナ軍の兵士=ロイター・共同
【モスクワ=小柳悠志】ウクライナ政府は16日、南東部の港湾都市マリウポリで、防衛拠点となっているアゾフスターリ製鉄所から兵士らが退避を始めたと明らかにした。製鉄所では民間人の退避が7日に完了したが、数百人の負傷兵が残っているとされる。
ロシア国防省は16日、製鉄所から負傷兵を退避させることでウクライナ側と合意したと発表した。退避する間は一時的に休戦する「人道回廊」を設け、必要な治療も提供するとしている。英BBC放送は、一部の負傷兵が16日夜、バスでロシアの占領地域に移送されたとしている。
一方、ロシアのプーチン大統領は同日、北欧フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟申請方針を決めたことについて、NATOの軍事施設が両国に置かれた場合は「対抗措置を取る」と強調した。旧ソ連諸国でつくる軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」の首脳会合で表明した。
プーチン氏は北欧2カ国のNATO加盟自体は「脅威にならない」と述べる一方で、NATOの拡大は地域の安全保障を不安定にすると指摘した。
また、中央アジアのカザフスタン、キルギス、タジキスタンで今秋、CSTOの合同軍事演習を行う方針を発表した。CSTOの結束を誇示し、欧米をけん制する狙いとみられる。
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