中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

大食い、早食い

2008-09-17 22:34:50 | 身辺雑記
 たまたま見ていたニュース番組で、「スィーツの早食い競争」というのがあった。

 場所はニューヨーク、規定時間内に何とか言うイタリアの菓子を食べる競争だ。この菓子は小麦粉を焼いた筒状のケーキの中に生クリームチーズを詰め込んだもので、肥満した大男達が競っていた。早食い競争だからゆっくり味わうことはもちろんなく、ただひたすら口に押し込むだけで、口の周りはクリームだらけ、持つ手の中でも崩れてぐしゃぐしゃになり、それも頬張る。見ているだけで胸が悪くなりそうだった。

 19歳の青年が28個だったかを食べて優勝したが、感極まって泣いていた。この菓子は1個で500キロカロリーもあるそうだから、この青年は1万キロカロリー以上を一時に食べたわけだ。この日に備えて毎日4リットルほどの水を飲んでトレーニングしたそうだが、どれくらいの賞金が出るのか、いやはや涙ぐましいことだ

 これまでにもこの手のコンテストがよく紹介されている。たとえば米国で毎年行われる「ホットドッグ早食い競争」で、日本の29歳の男性が規定の12分間に53個3/4を食べた記録を、米国の23歳の男性が59 個半食べて更新したというニュースは各紙に掲載された。あまり見たことはないが、テレビでもこの種の番組があり、京都府在住の若い女性が大食い選手として有名らしい。テレビでの大食いを競う番組は、2002年に愛知県の中学生が早食い競争をして死亡した事故を契機に自粛されていたようだが、喉もと過ぎれば何とやらで、最近はまた復活しているようだ。

 昔からある岩手の椀子蕎麦も、近頃では食べた数を競い合うようなこともするが、本来は小さい椀の中の蕎麦を食べるとすぐに給仕人が新しい蕎麦を投げ入れて、満腹して箸を置くまで続けるというものらしいから、それほど意地汚いという感じはしない。それでも、競技化するのは嫌な気がする。

 私はこのような大食いや早食いの行事や番組は好きではない。食べ方は行儀が悪いし、味わうということもなく意地汚い。健康にもよくないだろう。何よりも飽食時代の悪ふざけのように思えて仕方がない。大食や早食いが人より優れていると言って、それが何ほどの価値があるのか。まして、それに備えてトレーニングするなどばかばかしいことだと思う。

 食べるということは、すべてと言うわけにはいかないが、本来はゆっくりと味わいながら楽しむものだ。Nという茶の企業のテレビコマーシャルで、若い俳優が大きな音を立てて茶漬けをガツガツと一気に掻き込むのがある。1人住まいの若者らしさを出しているつもりだろうが、行儀が悪くて好きではない。