去年は通り魔事件など無差別殺傷事件が続いたが、犯人の多くが口にしたその動機は、むしゃくしゃしていたので誰でもいいから殺したかったという、まことに理不尽極まるものだった。最近また理解しにくい事件が2件あった。
1つは千葉県市川市の17歳の高校生の少年が起こした殺人事件。少年は数ヶ月前から学校(通信制高校)に登校せず引きこもりの状態だったらしいが、朝洗面している父親の背後から背中を包丁で刺した。父親は搬送された病院で死亡した。警察に逮捕された少年は「引きこもりを打開したかった」と供述したようだ。不登校で家に引きこもっていることは何とかしなければとは思っていたのかも知れないが、それを「打開する」ために父親を刺すという手段を選ぶということが、どういう脈絡になっているのかさっぱり理解できない。
もう1つは神戸地方裁判所の建物内で起こった傷害事件だが、60歳の男が弁護士に背後から千枚通しで切りつけ、両手に傷を負わせた。弁護士は首を狙ったのだと思うが両手で防いだと言っている。この男は警察での取り調べに対して、刑務所に入りたかった、誰でもよかったと言ったそうだ。刑務所に入りたいというのはおかしな理由かもしれないが、定職がなく金もなくなって刑務所に入れば、とにかく「くさい飯」でも食べることはできると考えたのだろう。刑務所に入りたくて犯罪を犯すということはこれまでにも聞いたことはあるが、そのために人を傷つけるというのでは標的にされた者はたまったものではなく。こんな人間がいるのかと思うと街もおちおち歩いてはおられない。
少年の父親は何年か前に離婚して、少年と2人で生活していたようで、動機はもっと根深いものがあるかも知れないが、傷害男の動機は供述どおりのもののような気がする。いずれにしてもある原因があって、それで事件が引き起こされるものだが、原因と結果としての行為の間が極めて短絡的で、そこにはまともな思考過程が欠落していることは、今の世の中、年齢や世代には関係のない現象になっているのだろうか。
1つは千葉県市川市の17歳の高校生の少年が起こした殺人事件。少年は数ヶ月前から学校(通信制高校)に登校せず引きこもりの状態だったらしいが、朝洗面している父親の背後から背中を包丁で刺した。父親は搬送された病院で死亡した。警察に逮捕された少年は「引きこもりを打開したかった」と供述したようだ。不登校で家に引きこもっていることは何とかしなければとは思っていたのかも知れないが、それを「打開する」ために父親を刺すという手段を選ぶということが、どういう脈絡になっているのかさっぱり理解できない。
もう1つは神戸地方裁判所の建物内で起こった傷害事件だが、60歳の男が弁護士に背後から千枚通しで切りつけ、両手に傷を負わせた。弁護士は首を狙ったのだと思うが両手で防いだと言っている。この男は警察での取り調べに対して、刑務所に入りたかった、誰でもよかったと言ったそうだ。刑務所に入りたいというのはおかしな理由かもしれないが、定職がなく金もなくなって刑務所に入れば、とにかく「くさい飯」でも食べることはできると考えたのだろう。刑務所に入りたくて犯罪を犯すということはこれまでにも聞いたことはあるが、そのために人を傷つけるというのでは標的にされた者はたまったものではなく。こんな人間がいるのかと思うと街もおちおち歩いてはおられない。
少年の父親は何年か前に離婚して、少年と2人で生活していたようで、動機はもっと根深いものがあるかも知れないが、傷害男の動機は供述どおりのもののような気がする。いずれにしてもある原因があって、それで事件が引き起こされるものだが、原因と結果としての行為の間が極めて短絡的で、そこにはまともな思考過程が欠落していることは、今の世の中、年齢や世代には関係のない現象になっているのだろうか。