携帯電話中毒

　Interphoneというところが携帯電話が癌の原因になるかどうかの大規模な研究を進めているという記事を読んだ。13カ国の患者から6400の腫瘍の症例を集めて検証中で2009年に最終結果が出るようで、その中間報告が出たらしい。

　それによると携帯電話を使う人は使わない人より脳腫瘍ができる確率が50％も高いそうだ。Interphoneが英国やデンマークなどとの共同調査の結果でも、携帯電話利用が10年を超える人は腫瘍ができる危険性が40％高いということが分かったと言う。

　この記事は誰かのブログのものらしいのだが、そのことはさておき、携帯電話の使用頻度と腫瘍発生との間に有意な因果関係があるのなら、携帯電話の何が(電磁波？)原因になるのかもよく分からないだけに、やはりあまり気持ちの良いものではないだろう。

　腫瘍はともかくとして、最近の携帯電話使用者を見るとほとんどビョーキじゃないか、依存症か中毒症状になっているのではないかと思うことがよくある。先日の夜帰宅しようとして電車に乗ったところ、車内はかなり混んでいたが、私の周囲では携帯電話の画面を開いて見入っている者がとても多かった。目に泊まる範囲で10人くらいはいたと思う。年齢も性別もさまざまだ。話していたのは1人の青年だけだったが、それも話が終ると画面を見ていた。誰も「車内での携帯電話の使用をご遠慮ください」という車内放送などどこ吹く風だ。おそらく周囲の音などは耳に入っていないのだろう。それとも「見ている」ので「話している」のではないということなのだろうか。終点駅で電車を降りようとすると、ホームでドアが開くのを待っていた４人ほどの若い女性が皆、携帯電話の画面を見ていた。ちょっとでも目を離すことができないのだろう。

　黙って画面に見入っている限り他人には実害はないが、いつぞやの夜、かなり暗い道ですれ違った自転車に乗った若い男女３人は、どれも片手にハンドル、片手に携帯電話という姿で、危なっかしくて冷や冷やした。前方も見ずによく運転できるものと思うが、とにかく少しでも画面を見たいのか、依存症としか言いようがない。

　私の携帯電話は旧式で、近頃のようなさまざまな機能はあまりついていない。メールの機能はあるが、ボタン操作が面倒なようなので登録していない。だから、皆が何をあのように魅入られたように、所かまわず画面を見るのか分からない。最近は携帯小説などもあるようだから、そんなものでも読んでいるのか。それともメールがよほど面白いのか。

　若い男女だけでなく、いい年をしたオジサン、オバサンまでが取り憑かれたような表情で携帯電話の画面を見ている姿は、異様で、薄気味悪く思われることがある。