奈良市の33歳の市長が市議会中にガムを噛んでいたとして議長から注意を受けて謝罪した。7月の市長選で全国で2番目に若い市長として当選したばかりで、就任後初めての議会でのことだった。
この市長は、小さいころから気管支が弱く、長時間話すときは、薬用のトローチを携帯してなめていたという。議会では、前日からトローチを服用し、午前中で切れてしまったため、午後から代用としてガムを口に入れていたと言っているようだ。しかし市長は部課長ヒアリングの場でも机の上にガムが入った容器ごと置いてガムを噛み続けていて、職員らから「不愉快」との声が上がっていたというから、習慣だったのかも知れない。若さゆえのことなのか。
数日前のことだが、電車の向かい側の座席で40歳前後と思われる夫婦らしい2人連れが談笑していた。明るく仲の良さそうな雰囲気なのだが、2人ともガムを噛んでいた。男性の方はクチャクチャ、女性の方はモグモグという感じで、どちらもひっきりなしに口を動かしている。最近は電車の中で、このようなおおっぴらなガムの噛み方を見るのは珍しく、やはり少し行儀が悪いという感じで、見ていて何やら落ち着かない気分になった。
チューイングガムというものを日本にもたらしたのは、敗戦後日本にやって来たアメリカの占領軍の兵士達だった。彼らは絶えずモグモグと口を動かしていて、人前で物を噛むことははしたない行為とされていた日本人には奇妙な光景だった。それがガムというものだということはすぐに分かった。奇妙なものだが当時子どもだった私には、何か憧れのようなものだった。兵士達は戦場にレイションという携帯食を持参する。1度父がそれを手に入れてくれたことがあったが、その中にガムが入っていた。当時のアメリカのガムはガムの創始者のリグレイ(WRIIGLEY)社のものだったし、その後日本に輸入されたのはおそらくはすべてリグレイ製品だった。今でもあるのではないか。日本人のことだからすぐに模造品が出たが、噛むとまさにゴムというような代物だった。
今ではガムはどこでも売っているし、いろいろな種類がある。一時ほどいかにもガムを噛んでいるというような姿はあまり見かけなくなったように思う。中国でもガムは売られているし友人達も噛むが、食後に口に入れる程度だ。その程度ならいいと思うが、やはり公共の場で口をモグモグさせるのは、アメリカ人ならいざ知らず、日本ではあまり行儀の良くないこととされている。プロ野球の選手がガムを噛みながらマウンドに上がったり、バッターボックスに立ったりすると非難の声も出る。奈良市長の問題については「ガムを噛むと、その刺激によって脳が活性化され、仕事の能率を上げることは周知の事実。合理性よりも様式美を重んじる日本では、ガムの効果よりも見た目の印象が重視されるので、なかなかアメリカのようには行かない」と言う声もあるようだが、アメリカでも公の場でガムを噛みながら話すということはあるのだろうか。やはりガムを噛みながら答弁するようなことは不快感を与えるのが普通ではないか。
この市長は、小さいころから気管支が弱く、長時間話すときは、薬用のトローチを携帯してなめていたという。議会では、前日からトローチを服用し、午前中で切れてしまったため、午後から代用としてガムを口に入れていたと言っているようだ。しかし市長は部課長ヒアリングの場でも机の上にガムが入った容器ごと置いてガムを噛み続けていて、職員らから「不愉快」との声が上がっていたというから、習慣だったのかも知れない。若さゆえのことなのか。
数日前のことだが、電車の向かい側の座席で40歳前後と思われる夫婦らしい2人連れが談笑していた。明るく仲の良さそうな雰囲気なのだが、2人ともガムを噛んでいた。男性の方はクチャクチャ、女性の方はモグモグという感じで、どちらもひっきりなしに口を動かしている。最近は電車の中で、このようなおおっぴらなガムの噛み方を見るのは珍しく、やはり少し行儀が悪いという感じで、見ていて何やら落ち着かない気分になった。
チューイングガムというものを日本にもたらしたのは、敗戦後日本にやって来たアメリカの占領軍の兵士達だった。彼らは絶えずモグモグと口を動かしていて、人前で物を噛むことははしたない行為とされていた日本人には奇妙な光景だった。それがガムというものだということはすぐに分かった。奇妙なものだが当時子どもだった私には、何か憧れのようなものだった。兵士達は戦場にレイションという携帯食を持参する。1度父がそれを手に入れてくれたことがあったが、その中にガムが入っていた。当時のアメリカのガムはガムの創始者のリグレイ(WRIIGLEY)社のものだったし、その後日本に輸入されたのはおそらくはすべてリグレイ製品だった。今でもあるのではないか。日本人のことだからすぐに模造品が出たが、噛むとまさにゴムというような代物だった。
今ではガムはどこでも売っているし、いろいろな種類がある。一時ほどいかにもガムを噛んでいるというような姿はあまり見かけなくなったように思う。中国でもガムは売られているし友人達も噛むが、食後に口に入れる程度だ。その程度ならいいと思うが、やはり公共の場で口をモグモグさせるのは、アメリカ人ならいざ知らず、日本ではあまり行儀の良くないこととされている。プロ野球の選手がガムを噛みながらマウンドに上がったり、バッターボックスに立ったりすると非難の声も出る。奈良市長の問題については「ガムを噛むと、その刺激によって脳が活性化され、仕事の能率を上げることは周知の事実。合理性よりも様式美を重んじる日本では、ガムの効果よりも見た目の印象が重視されるので、なかなかアメリカのようには行かない」と言う声もあるようだが、アメリカでも公の場でガムを噛みながら話すということはあるのだろうか。やはりガムを噛みながら答弁するようなことは不快感を与えるのが普通ではないか。