中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

報道人のわきまえ

2011-09-03 10:31:41 | 身辺雑記

Hg君が最近はNHKのニュースでもテロップに誤字が多いと言った。私はテレビがないので分からないが、おそらくパソコンのようなもので文字を打ち込むときに、誤った文字変換になったのだろうが、やはり短いテロップであってもよく推敲して誤りがないようにしなければならないだろう。 

 

テレビのテロップと言えば、先だって公共放送の当事者としては許されないようなことがあった。東海テレビ放送(名古屋市)が情報番組「ぴーかんテレビ」で岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米セシウムさん」、「汚染されたお米セシュウムさん」などとしたテロップを誤って表示した。同局によると、リハーサル用テロップを外部委託のCG制作会社の50代のスタッフが「ふざけた気持ち」で作成。これが誤操作で放送され、さらにディレクターらが次のコーナーのリハーサルに気を取られて気づくのに遅れたため、結果的に23秒もの間表示された。

 

もちろんこのことは大問題になり、1万5千件以上の苦情が同局に殺到し、これまでこの番組のスポンサーだった企業や団体はCMから降り、番組は打ち切りになった。近頃放映された同局の検証番組に顔は隠して出たこの50代のスタッフは、「本当に思い付き。ちょっとした悪ふざけ」「ただ、漠然と入れただけ。何かしてやろうという気持ちはなかった」と言ったという。このスタッフは所属会社を懲戒解雇になったようだが当然だろう。それにしても50代にもなって、なぜこのような馬鹿げたことをしでかしたのか理解に苦しむが、外部委託会社とは言え、公共事業に携わっているという意識が弛緩していたのではないか。放送前日に、不適切なテロップに気付いた若手の女性タイムキーパーは「やめてください。不謹慎です」と訂正を求めたが、スタッフは「はいはい」と応じたと証言したが、スタッフは「すぐに直してくださいと言われた認識はなかった」と話していて、どこまでずれた考えの持ち主かと思う。

 

東海テレビはフジテレビ系列局だそうだが、フジテレビは以前にも番組放映に関わって不始末をしでかしている。フジテレビが放送した「東日本大震災報道特別番組」で、菅直人首相の会見を中継している際、会見とは関係のない別の音声が混信し、放送された。音声は「ふざけんなよ、また原発の話なんだろう、どうせ」「ア~、笑えてきた」「くそだよ」など男女の声だったようだ。同局は「このような音声を放送してしまったことに強く放送責任を感じております。今後、このような事態が発生しないよう取材、放送を続けて参ります」とコメントした。「音声機器のトラブルをリカバーしようとした技術スタッフの人為的ミス。本来上がるべきではない音声が上がってしまった」と説明した。

 

このフジテレビのコメントはピントが外れている。「このような音声、放送してしまったこと」よりも、このような会話をすること自体が不謹慎だし、おそらくは外部スタッフではなくフジテレビのスタッフだろう。一部で「女性の声はキャスターのAアナではないか」との報道もあったらしいが、フジテレビでは「調査の結果、社員の発言ではなかった」とこれについては否定し、だれの発言かは明らかにしなかったようだが、何か隠蔽体質と傲慢さがあるように思う。そのような傲慢さが、会話を交わした者たちの意識にも植え付けられていたのではないか。

 

テレビも新聞も巨大なマスメディアだ。そこの仕事に携わっている者はよほど自戒していないと自分が社会を動かしていると錯覚を起こすことになる。現に大新聞のトップの中にはあれこれ政治に口を出す者もいる。自分が権力者と思っているようなところがあって苦々しい。上がそうであれば末端の者までが勘違いして、横柄な傲慢な意識や態度を身につけていく。末端から外部委託も含めて謙虚な姿勢で報道という仕事に携わってほしい。