鉢呂経済産業大臣が、福島県の被災地を視察した後、記者の体に触るようなしぐさをしながら、「放射性物質がうつった」などという趣旨の発言をしていたことなどの責任を取りたいとして、辞表を提出して受理された。その後鉢呂大臣は、経済産業省で記者会見したが、その様子をネットで見たが、一部の記者の態度は不愉快極まるものだ。
まず会見が始まる前の様子。
司会「週末急な呼びかけとなって大変申し訳ございません。大臣25分ごろいらっしゃって、記者会見を開始したいと思います。冒頭大臣から発言が簡単にありまして、その後代表幹事社さんから…。時間は次の予定がありますので予定は20分と聞いてますが、そこは適宜」
A「次の予定あんの?」
B「何だよ予定って」
司会「(笑)一応あります」
C「ふざけんなよ」
D「やめちゃうのに次の予定もないじゃん(笑い)」
A~Dは記者。のっけからこの調子である。司会者は経済産業省の係官らしいから、なおさら軽侮した物言いになるのだろう。記者たちの品性の悪さが想像される。その後大臣が入室して質疑が始まる。その途中で、
所属、氏名不明「具体的にどうおっしゃったんですか?あなたね、国務大臣をお辞めになられる、その理由ぐらいきちんと説明しなさいよ」
鉢呂「私も非公式の記者の皆さんとの懇談ということでございまして、その一つひとつに定かな記憶がありませんので」
所属、氏名不明「定かな記憶がないのに辞めるんですか。定かな事だから辞めるんでしょう。きちんと説明ぐらいしなさい、最後ぐらい」
鉢呂「私は国民の皆さん、福島県の皆さんに不信の念を抱かせたこういうふうに考えて…」
所属、氏名不明「何を言って不信を抱かせたか説明しろっつってんだよ」。
鉢呂「ですから、今、お話したとおりでございます」
フリーランス記者「そんなやくざ言葉やめなさいよ。記者でしょう。品位を持って質問してくださいよ」
鉢呂「大変すみません。私は精一杯話してるおるつもりで、ご理解をいただきたいと思います」
フリーランス記者「恥ずかしいよ、君はどこの記者だ!」
http://www.youtube.com/watch?v=gTYBjRutH6w
確かに大臣の説明は歯切れが悪く、聞いていていらだたしい感じもしたか、それにしてもこの記者の言葉遣いはなっていない。いじめ、いたぶりのような感じがする。自分を何様と思っているのか傲慢きわまりない。いかに不適切な発言で辞めたにせよ、質問するには一定の礼儀、わきまえが必要だろう。現役の大臣や、強面で知られる某知事に対してならこう言う態度はとるまい。要するに卑小な小物なのだ。「記者でしょう。品位を持って質問してくださいよ」はもっともなことだが、このような低劣な記者には馬の耳に念仏だろう。それにしてもいったいどこの社の記者だったのか。最近は記者会見の時には発言者は挙手して、所属と氏名を言うのが慣例になっているそうだが、この記者は言っていない。他の記者には分かっているのだろうが、そこらはもたれ合いで黙っているのだろう。
最近のマスコミの記者の品性が落ちていることは、しばしば指摘されることで、大新聞の記者でも例外ではないようだ。あるサイトでこんな記事を見た。
これで思い出すのが05年のJR西日本の福知山線脱線事故。社長を前にして、記者が「遺族の前で泣いたようなふりをして、心の中でべろ出しとるんやろ」といういびる姿がテレビで放送されたことだ。これは、世界最大の部数を誇る某全国紙の社会部の記者の質問だ。
これには、本社にも苦情や怒りの電話が多数あったという。実際に同業他社からも、この記者たちの評判は芳しくなかったそうだ。あえて、時効ということで名前は伏せておこう。
それから6年、クビを盗ったぞ、といわんばかりの「ドヤ顔」で、溺れている人を叩くとは、記者は何も学んでいない。
(*「ドヤ顔」:「どや」(どうや)とは関西方言で、「どうだ」という意味。得意顔、したり顔)
新聞は「社会の木鐸」とか言われる。木鐸とは世人を覚醒させ、教え導く人のこと(論語)だが、末端の品性の低いチンピラ記者の言動を見聞きすると、もはやこれは死語だと思いたくなる。もちろん使命感を持った記者も少なくないのだろうが、残念ながら悪貨は良貨を駆逐しているような気がする。