音楽が鳴りやんだら(高橋弘希 文藝春秋)
主人公の葵は、ロックバンド(ThursdayNightMusicClub)のボーカル。天才的な作詞・作曲能力を持つ。大手レコード会社のプロデューサー中田にスカウトされるが、デビューの条件としてベースの入れ替えを求められる。デビュー後は人気を博してツアーも盛況になるが、やがてドラムス、ギターもオリジナルメンバーから手垂れのミュージシャンに変更することを求められ・・・という話。
天才的だけど破滅的、大ヒットを飛ばせば飛ばすほど孤独になる、そんなロックシンガーの典型?を描いている。
文学的?表現が多くて、ちょっと戸惑うこともあったが、極端に偏屈な感じでもないので読みやすい。
私の好みだった「指の骨」とか文学賞を受けた「送り火」とはかけ離れた世界の話で、多少エンタメ寄りの要素を強めてみたのだろうか?