ケイコ目を澄ませて
聴覚障害がある小河ケイコ(岸井ゆきの)は、荒川近くの古くさいボクシングジムに通う。熱心な練習の甲斐がありプロになり2勝している。ジムの会長(三浦友和)は持病が深刻化してジムをたたもうとしていた。それを知ったケイコはボクシングを続けるべきかを悩む・・・という話。
というだけの話だし、結末も予想される通りなのだけど、不思議な魅力を感じるのはなぜだろう。
世評が高いことを知った上で見たから?
フィルム撮影したような?画質がなつかしさを感じさせるから?
主役をはじめとしてキャストの演技が、演技と思えないほどだから?(ミット打ちは相当稽古したんだろうなあ・・・)
聴覚障害者のボクサーが書いた本が原作で、聴覚障害がある人の生活ぶりがリアルだから?
本作は荒川の近くが舞台でジムの名前もそのまま荒川ジム。冒頭から最後までさかんに挿入される首都高の立体交差、ケイコが練習する河川敷のシーンも多くて、東京の郊外とまでは言えない、でも大都会のイメージからも遠い荒川近辺をうまく描写していたことも大きかったかな。