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映画大好き、ごきげんな毎日・・・そして、やってきた猫の話

「運命の人」昨日の続き

2011-09-21 12:04:54 | 読書
台風の影響で昨日も大雨、今日も大雨
被害が出ないといいのですが 


山崎豊子「運命の人」
昨日の続きです
北九州の青果業の実家に身を寄せた弓成は、
記者になるべく、生業を絶って東京に出た彼だったが

豪腕でならした父親の庇護の下、何とか生活はしていたものの
すでに病を持っていた父が亡くなった後は、商売もうまく行かず、

終には他の青果業と合併の話が持ち上がり
彼は従兄弟にすべてを任して家を出る

身も心も荒んだ彼は、沖縄行きの船に乗り
まるで廃人のようになって、フラフラと海へ飛び込みそうになったとき
たまたま居合わせた渡久山に助けられる

弓成の様子を見て渡久山は自分の家に誘い
寝むことをすすめ、しばらくそこで静養することになり

やっと人間らしい心を取り戻せた彼は
その後伊良部島にわたり、島人たちと交わりながら
刺々しい気持ちも削ぎ落とされていく


そんな月日が流れ、
彼は再び沖縄の歴史を研究し始め、人々が閉ざしていた言葉を聞く

戦争のこと、基地のこと・・・・


一方、琉球大学・我楽助教授は
アメリカの大学へ客員研究員として出向していた
研究は、アメリカの対日戦略、そして沖縄返還に至るアメリカ側の政策だった

そこで手にしたのが沖縄返還に関する「復元補償費」400万ドルの密約文書だった

このとき2000年

数十年の時を経て、弓成の証言が立証される


・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*


沖縄密約、
詳しいことって知らんかったわ
いわゆる「西山事件」らしい

つい昨年、外務省が文書公開の決定をした、らしいです

いやいや、いつもながら山崎豊子さんの作品は社会派で良いですね
殆んど読んでいますが
この作品が最後になりそうって

主人公が絶望し、死ぬことばかり考えていたときに出合った渡久山とのくだりは
涙なくしては読めませんでした

裁判で、どろどろした男女の話に持っていかれ
検事側の「すりかえ」が功を奏して
外務省は無傷のまま

まったく理不尽な話で、やっぱり政府の不信感は募るばかりです

良い本でした
感動しました、おススメです


コメント
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