「贖罪」 堂場舜一著 (中央文庫) 定価:857円
【この本を読んだ理由】
帯の「警視庁失踪課・高城賢吾がその闇に挑む!新シリーズ始動!!」に惹かれて。
【読後感】
堂場瞬一の作品は「神の領域」(2009.6.18のブログ)に続いて2作目である。
ストーリーは警視庁失踪課・高城賢吾が失踪者の捜索を始めるところからスタートする。
その中で派遣社員の待遇問題やネットカフェ難民の問題等、現代の世相を交えつつ、失踪者とその関係者のドラマをじわじわと浮き彫りにしている。
その文章は比較的分かりやすかった。
ただ、「蝕罪」は辞書を繰っても出てこない。
「贖罪」なら辞書にあった。
①体刑に服する代わりに、財物を差し出して罪過を許されること。
②[宗]犠牲や代償を捧げることによって罪過をあがなうこと。特に、キリスト教の教義の一。
著者は「贖」に「蝕」を宛てることで、このストーリーが罪を購(あがな)うのではなく、罪を更に蝕(むしば)んでいることを表現したかったのだろうか?
と言う疑問が残った。