いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

詩人・和田元震 2

2007年07月07日 | SO-Color

今日は七夕です。
少しロマンティックに想いをめぐらすのもいいかなぁ…。
文学畑で少し散歩でもしましょう! 

     ホレトンネン   和田元震
      (惚れてんだよ、ではこの軟らかな気持ちがでない)

ホレトンネンてのはいい言葉ね
気持ちが内にこもってるのよね
好き――なんてのは うわついていて
気持ちの表面のことですね
ひとに言う言葉ではないのよね

国宝竜吟庵の入り口の
東福寺の庫裡の粗(あら)壁に
大きく 深々と
相合傘の中には ノブとノコ
傘の三角の片方に ウットリと軽くつむったまつ毛の眼
片方に この言葉が刻まれていた

刻みつけなければいられなかった確かな愛情
寺の壁に臆面もなく
大きく彫りつけた無遠慮な若さ
忘れられない無邪気な 楽しい落書だったが
今日は新しい漆喰の白壁が消していた

      

     芭蕉の「俳」   

落柿舎の庭の句碑
柿主や 梢はちかき あらし山 去来

おお 目の前に大きく迫る 嵐山
梢はちかき……
うん いいなあ
うまいなあと感じる
それが「俳」だ

「俳」のある句だから俳句
句ができても「俳」がなければ俳句ではない
(詩も ポエジイがなければ詩ではない)
と芭蕉は指導したという

だが その「俳」については
芭蕉は一言も説明しないで
ユックリと自分で体得させたとか

「俳」の無い俳句が今でもあるのじゃないですか
ポエジイの無いポエムじゃ困ります