前の晩は風が強くて雨戸を叩くように雨も降りつけました。そして明けてお彼岸の中日でした。外は家の中よりも暖かいような空気が漂っていました。
久しぶりになってしまったお墓参り…1月の父の命日以来でした。
気象庁の開花予想では23日あたり…きっと、そうなりそうな桜のつぼみを見ました。
お参りして帰り道は、また渋滞でゆっくり車は進みます。車の窓を開けてすっかり春の気配を漂わせている田園風景を眺めデジカメを取り出して写してみました。外は気持ちのよい空気に包まれて、車内のエアコンもむしろ冷房の方が良いくらいで、額に汗も出てきます。
あたりの空気の穏やかさに誘われて、青葉の森公園を散歩したくなりました。近くで昼食をとってからブラブラしようか…。
10年もまえのこと、娘に長男が生まれてしばらく私の許に産後の休養をしてから帰るというころ、この公園に案内したこともあったなぁ、…また、父の命日のお墓参りをみんなでした後で、遊園広場でバトミントンなどしたこともあったし…なんて、感慨深い思いで歩きました。
午後も回って来ると午前中の穏やかさがなくなって、風がまた強くなってきました。青葉の森公園のソメイヨシノの蕾は、〔もうすぐ咲きますぞ〕という顔をしていました。
家族連れが芝生に腰をおろしていました。小さい子を連れた新米パパが、「タンポポが咲いているよ」、「ここはマムシが出るんだよ、怖いんだよ」…と、しゃべりながら散歩しています。カメラを構えているおじさんもいます。あれ、私はカメラを持って何気なく歩いているおばさんです…。
昨日は、暴風警報が出ていたけれど、小さい枝が散歩道に折れて散らばっています。さらに根こそぎ倒されている木もありました。あの大きな樹は、椎の木でしょうか。葉の裏を見せて風にもてあそばれるように吹き荒れています。
風の被害の少ない場所では、水仙も花大根の紫の花も倒されず綺麗に咲いていますのに…。
風の通り道となるところが痛手を負ったのですねぇ。大きなものに隠れていることも時には、大切なんだよね。風向きを読むのが私って下手だから…なんて、今は全然身辺に関連性もないことを偉そうに思ったりしてみました。
自然のなかに身を置いてみると哲学者になったような(?)…、こんな平凡な思考くらいしか浮かばない、私の散歩です。
この緑が綺麗です。地被植物一面の苔でした。
「あら、土筆! 最近初めて見たわ。」 私が土筆を見つけて結構夢中に摘みだした頃、二人連れのご婦人が私の手にある土筆ひと掴みを見て、ナイロンの袋をちょうど持っているから…と、袋を下さったのです。犬の散歩の途中でいらっしたのです。
もう遠くに行ってしまわれたと思ったお二人が、戻って来られて 「はい、どうぞ」と、摘まれ片手のなかにあった土筆をご自分で持ち帰れば良いのに私に下さるのです。とにかく誰も採らなかったようで面白いほどに摘めたのです。
しかし、そろそろ帰ろうとしていた私は「どうも、ありがとう~。私、もう帰ります~」と、声を掛けてから、 「土筆摘みの写真を撮りますよ~。自然な姿で良いですからね。」…とお断りしてお二人を写させてもらって 別れました。
風は強かったのですが、良い午後のひとときを頂きました。
その土筆を大好きな“卵とじ”にして食べようと思ったのです。ところが、公園の中の土筆は食べられないというのです。回りの植物のために消毒や害虫退治の薬を使っているかも知れない…心配があるのですって。
そう言えば、そうなのかも知れない…と、食べずに捨てました。あの、ほろ苦くて春を戴いているという風流な気持ちになりきれなかった残念さが残ります。土筆にも悪いことをしてしまったような、申し訳ない気持ちで捨てました。