後に父を偲ぶ日として集えるには、本当に都合も良い日。そんな日を選んだ訳ではないのに結果、良い日に亡くなられたと思う。こうして顔を合わせながら、ご先祖がこの日を命日に選んでくれたような有難みを感じてお参りできる。

お墓のお花は必ず庭にあったものを添えて供えるようにしている。25回忌になる今回は黄色実センリョウと蘇鉄が家の庭の草木。本日は母が参加できないので、母の使っていたタオルで墓石をきれいに拭いた。綺麗にきれいに優しくさすった。父もきっと私たちの心がわかってくれるよね…!
みんな揃ってお参りした後は毎年なんとなく記念撮影をする。


大きな墓地だから寂しくないよね、またお参りに来ますから…と父に挨拶をして、車4台を連ねてこの大きな墓地から帰る。

娘や孫たちも毎年参加しているが、今年もお正月に郷里に戻った彼女たちは、娘の連れ合いのお祖父さんのお墓参りをして来ている。いつもそうしているので、お参りしないと大事な何かを忘れ物したみたいに落ち着かなくなる。これも習慣のひとつとも言えるのだが…。
もうひとつ、このお参りのあとは決まって寄るレストランがある。母が健康で、母に従って集っていた頃からの、これもまた習慣となってしまっている。
考えてみるとそこへ行く時に昨年も私はそのレストランを通り過ぎてしまった。通り過ぎての十字路で180度方向転換したのも、去年と同じ。
「私を先導車にしないで!」
「ええ、Sさんを先頭にするとこれは駄目ね、と後続にいた私はしゃべっていたのよ」
「ああ、それも去年言っていたことだったね」
(なにか一族気が揃っているからか、何があってもウキウキ、楽しくなるからいいね!! この感想は私だけじゃないだろうね…。)
父の存命の頃をあれこれと思い浮かべている私たち姉妹と孫たち。娘の連れ合いは残念ながらあの父には会えなかったんだなぁって彼も感想を述べていた。現在10歳の孫娘の結婚相手に、生きている間に会えるだろうか?会っていきたいものだが…? そう願っていればなんとか頑張って生きていけるかと感じたのである……。