モクミツは甦るか
とまりぎ
日経新聞は東京の弱点として、山手線周辺を中心に広がる木造住宅密集地域(モクミツ)を五日間にわたってとりあげている。
ミュンヘン再保険会社が2003年に公表した世界の災害リスク調査では、「東京・横浜」が主要50都市のなかで最悪だった。危険度を示すリスク指数はニューヨークの17倍、ロンドンの24倍。地震や台風も多いだけでなく、住宅の密集度や構造の弱さが影響した。
東京都は今月、11月上旬にモクミツ地域を燃えにくい街に変える「不燃化10年プロジェクト」を立ち上げた。
都内の数ヶ所を選んで予算を重点配分する方針だ。
延焼を遮断する道路の整備を進め、税制面での優遇策などで自発的な建て替えも促すという。
モクミツ地域には共通の特徴がある。住人の高齢化と建物の老朽化だ。
建物の多くが耐震基準が改められた1981(昭和56)年以前に建てられていること。
4m幅の道路に接していないために、建て替えられないこと。
まだある、地理的には複数の区にまたがる場所が少なくない。
区の姿勢に違いがあるからだ。