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<樒(しきび)の枝>
施餓鬼法要で使われる樒(しきび)はもくれん科の植物です。
木全体に毒があり、昔は、動物に荒らされないようにお墓にたてられることもあったようです。
そんなことから、お寺で使われるようになったのでしょう。
いまでも、花と同じようにお墓にお供えすることもあるようです。
(清運寺ではお墓に樒(しきび)を供える人はありませんが)
それに対して、榊(さかき)はツバキ科の植物で、神道で使われるものです。
葉はつばきと同様肉厚でつやがあり、ツバキよりも少し大きく、縦長の葉っぱです。
神棚にお供えしたり、結婚式や葬儀の時にお供えするという使い方をされていますね。
使われ方は似ていますが、まったく違う植物です。
そうですね、しきびというと某S会をイメージする方も多いかもしれませんね。
イメージというのは人それぞれに違うのかも知れません。
私のイメージだと、南天は日蓮宗というよりは身延町を思い起こしますね。
鬼子母神を信仰している人にとっては、日蓮宗のイメージとしてザクロを思い浮かべる方もあるかも知れません、(ザクロは鬼子母神に関係の深い植物です。)
帰りぎわに「なぜ、しきびを供えるのか」と、母に聞いたら、「知らない。」と言っておりました。
たまたま、貴ブログを拝見しまして、ちょっと疑問が解けました。ありがとうございました。
疑問が解消されて何よりです。
香花という言葉も初めて聞きました。
確か日蓮宗では、お供えする花(植物)の種類については具体的な決まりがなかったように記憶しています。
他の宗派ではどうなのでしょう。
私にもよくわかりません。
でも、清運寺のある甲府では私の知っている限り、宗派(浄土宗、臨済宗、曹洞宗、真言宗など)によって供える花が違うということはないようです。
宗派というより、地域的な違いなのかも知れません。
最近、清運寺では、お墓に造花を供える方が出てきて、驚いているところです。
日本各地のお寺やお墓、葬儀などで使われる花について、調べてみると面白い結果が出てくるかも知れません。
まだまだ、研究の余地がある分野なのかも知れませんね。
「しびき」という名で売られている各宗教用の物は、榊の葉を小さくして縁にギザギザを付けたような黒い実が付く木です。
関東の友人に知らないと言われ「佛花 しびき」で検索しててここに来たのですが、かなり限られた地域での事だと改めて感じました。
樒は「抹香」の材料。香木店にて「抹香を下さい」と
いうと、樒の粉末を出してくれます。
お墓で使われる線香は本来
このパウダーを練って作られた「護摩線香」なのです。
(製法上、タブ粉を使う事もあり)
宗派によっては本山格の寺院でも伝統的にこの「護摩線香」をご本尊の前で焚きます。
その他に別に焼香(伽羅、沈香)をします。
インドでは仏塔のまわりに直接蒔いて使われます。
これは、ご存知の通り土葬等の関係で害獣除けに使われた
経緯も有りますが、元々の意味としては魔除けです。
動物が葉を食べると嘔吐します。
榊については、日本では稲作の神様を古来「さ」と申し上げます。春の桜は「さ/くら」稲作の神様のおわす所を表す木。「くら」とは「神のおわす所」を意味します。だから
桜は農耕の神の宿る木と言う事です。「さ/け」酒は
神の食物(饌=け)を表します。「神くら」は「神楽」と
なります。さて、榊は?神様のおいでになる所の垣根の意味で「さかき」と云われる所以です。