清運寺だより

ようこそいらっしゃいました。甲府市にある日蓮宗寺院の住職のブログです。日々の出来事、感想、行事などをご紹介します。

坂の途中のビールとソフト

2014-01-31 15:51:36 | 

<昔、私が信行道場に入っていた時の話です。>

身延の信行道場で日蓮宗の教師になるための35日間の修行中、毎朝久遠寺の朝勤に出仕します。

身延山西谷にある信行道場から久遠寺まで隊列を組み団扇太鼓を打ちながら坂を上っていくのです。

その坂の途中に茶店があります。

道場に入った時にはなかったのですが、ある時その茶店にビールとソフトクリームという看板が掲げられるようになりました。

それを見た私たちは「ビール飲みたい」「ソフトクリーム食べたい」と俄然煩悩に目覚めてしまいました。

(信行道場では当然アルコールもたばこも禁止です。)

その日から毎朝その茶店を通るたびにこの信行道場が成満(修行終了)したら真っ先にここでビール、あるいはソフトクリームを食べるんだというのが私たちのひそかな目標となりました。

実際、信行道場から解放された後すぐにその茶店は信行道場生でいっぱいに。

みなさん待ちに待った至極の一杯、あるいは一口を堪能したことでしょう。

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信行道場のカレー

2014-01-30 14:51:20 | Weblog

信行道場とは日蓮宗の教師になるための養成機関で35日間こもって修行するところです。

そこでは一切外界との接触を断たれひたすらさまざまな修行に取り組むのです。

食事はもちろん精進料理、地元のお母さんたちの手作りごはんです。

たとえば朝はごはんに生卵、箸休めの漬物と汁物。(私が信行道場に行ったのは昔のことなので今は違っているのかもしれませんが)

たまに夕食にカレーが出ることもあります。しかしそのカレーも精進料理なので肉はなし、代わりにこんにゃくが入ります。小口切りのこんにゃくの食感は肉を感じなくもないし味も良かった。あまりに面白かったので、道場を出たら作ってみようを思ったのですが結局今まで一度も作ることはありませんでした。やはりあの場所で食べるからおいしいと感じるのかも知れません。

食事は指導者の引金(法要道具の一つで音を出して合図をする道具)の合図で食べ始め、二度目の引金の音で食事終了となります。食事中はもちろん無言です。

食べる楽しみというのはほとんどありませんが、唯一の変化は外部からの差し入れです。特定の個人にだけ差し入れすることはできませんから、差し入れする場合は道場生全員分をおさめることになります。

ヨーグルトとかお菓子類が多かったように思います。

いただいた差し入れ品はおいしく残さずいただくのが基本ですが、差し入れが多くて食べきれない場合もあります。そんな時にはまだ食べられる仲間に食べてもらうという形で対応していました。

中でも差し入れの多かったのが身延まんじゅう、私たち山梨地元の人間は食べ飽きている感があるのですが県外の方にはとても魅力的に映るらしく人の分までたくさん食べる人もいましたね。

たいてい信行道場から出るときには体重が減っていることが多いのですが、身延まんじゅうの食べ過ぎで太った人もいました。

今差し入れは現物ではなくお金でおさめることになったらしいのでこういう風景はもう見られないのかもしれません。

食べ物の変化といえば、もう一つは道場から外部に出た時です。信行道場のカリキュラムの中には七面山登山や山梨近隣の霊跡への訪問があります。その時にもご供養としてパンやジュースなどが差し入れされることもありました。たいていはその場で食べるのですが、食べきれない場合は持ち帰りとなります。バスで移動のときはいいのですが、長い距離を歩く場合、特に登山などの時にはジュースの重さ(時には数本となる)が負荷となって結構大変だった記憶があります。

いずれにしても無事に道場を終えられたのはおいしいごはんを作ってくれた地元のお母さんたちやご供養として差し入れをしてくださった方々のおかげでもあります。

あの時はほんとうにごちそうさんでした。

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僧侶のファッションセンス

2014-01-29 10:34:50 | 

最近美坊主なる言葉が流行り、イケメン僧侶の本なども出ているようです。

そういう時代になったのですね。

でも確か枕草子にも声のいい僧侶はかっこいいというような記述があったような。

時代は変わってもかっこいい僧侶の人気は不動のようです。

しかしファッションセンスはというと・・・

最近の若い方は分かりませんが、概して僧侶のファッションセンスはいまいちという感じがするのですがどうでしょう。我が宗派だけかもしれませんが。

ファッションセンスが悪い理由として

①どこに行くにもユニフォームである法衣で事足りるのでいろいろな服装をする必要がなかった。

②出家しているのでかっこいい服を着たいという煩悩を捨てている。

③周りが坊さんばかりで若い女性と接する機会も少なく、ファッションセンスを磨く機会に恵まれなかった。

等々考えられますが、大きな要因として正装として用いられる袈裟と衣にあるのではないかと思われます。

ユニフォームとして普段着ている法衣はたいていが黒地の衣にくすんだ色の袈裟なのですが、正装として着用するものはド派手なものがほとんどです。

衣にしても、紫、赤、緑、青、黄色等々極彩色、袈裟も金襴などのきらびやかな生地を用いたり、またその柄も織りや刺繍などド派手、まるで舞台衣装のようでもあります。

そのくらいでないと実際のところ見栄えがしないんですね。

歌舞伎の衣装と同様に昔は薄暗い中で法要は行われていましたからそのせいで強い色づかいになったのかもしれません。

それに道場を荘厳するという意味でもきらびやかなものが求められていたのかもしれません。

昔、私も僧侶になりたての頃、袈裟を新調したことがありますが、かなり派手なものを選んだつもりが着てみると全く地味で見栄えがしないということがありました。

生地を見たときにこんな派手なものは着られないというくらいでちょうどいいという教訓を得ました。

おそらく、多くの僧侶の方もそう思われているのではないでしょうか。

そして、衣も赤や紫が位の高い色とされているのでそういった色へのあこがれも持たれていることでしょう。

だから、その感覚を引きずって私服の色使いがおかしくなるんですね。

普通のサラリーマンだったら絶対に選ばない薄紫や緑のスーツとか、ちぐはぐな色使いのコーディネートとか。

もちろんすべての僧侶がそうというわけではなく、おしゃれな方もいますけれど。

とにかく法衣姿と私服の落差がものすごい。

法衣姿はものすごく素敵なのに私服のセンスはいまいちで残念!ということもしばしば。

しかし物は考えようやっぱり法衣姿がかっこいいのが一番、そう思っていただけるとみなさん励みになると思うのですが・・・

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お寺はミラクルワールドか?

2014-01-28 09:26:18 | Weblog

先日テレビで仏前結婚式は指輪の交換ではなく数珠の交換が行われ、結婚式でもお焼香をするという紹介に出演者の方々は驚いていました。

私たち僧侶にとっては当たり前でも知らない方にとってはとても珍しいことなのでしょう。

そもそも一般の方にとってお焼香は葬儀や法事などでしかなかなかお目にかかることは少ないですからね。

しかし、お寺ではお祝い事(入寺式、落慶式、結婚式、祭り等々)もたくさんあります。そんなときにも必ずお焼香をします。

昔、僧侶用グッズの通販で盆暮れ払い可という表示を見て笑ったことがありますけれど、一般のサラリーマンの方であればボーナス払い可と同じ意味合いなのでしょう。

私たちは当たり前と思っていることも一般の方にはなじみが少なく不思議に思ることでしょう。

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煙が目にしみる

2014-01-19 13:27:29 | Weblog

冬の本堂は寒い。

法事に参列する方々は修行に来ているつもりはないので寒さはNG.

なのでエアコン、石油ストーブで一生懸命温めます。

しかし天井が広くなかなか温まりません。

それでも、法事のある日は早い時間から暖房をつけ法事中寒くないように気を配ります。

本堂内部の構造は部屋の奥にあたる内陣と手前にあたる下陣というスペースに分かれ、外陣には参列者が内陣には僧侶が座ります。

法要中僧侶である私は襦袢に白衣、衣、袈裟など重装備に着込んでいるのでそれほど寒さは感じませんし、狭くて危険なので暖房で温めるのは外陣のみになります。

そこで一つ問題が・・・

内陣と外陣の温度差のため、内陣の奥にある焼香台で焼香をするとその煙がもろに導師である私の顔を直撃するのです。

冷たい空気に乗って焼香の煙が内陣から外陣に移動するその導線の真ん中に導師席があるからなんですね。

お焼香の人数が多いときには目の前が真っ白になってしまうことも、見えないだけならともかく、お焼香中は読経の真っ最中ですから思いっきり煙を吸い込むことになります。

場合によっては参列者もむせてしまうこともあります。。

冬以外の季節ならば煙は上に登っていくので問題はないのですが、冬は横に流れていく・・・

ある時期扇風機を使って煙の流れを変えてみようと試みたのですが、かえって煙を拡散させてしまうこのがわかり断念。

残念ながらこのまま辛抱を続けることになりそうです。

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僧侶の婚活

2014-01-16 14:29:05 | Weblog

昨日テレビで身延山の僧侶の婚活のニュースを見た。

確かに山では若い女性との出会いの場も少ないだろう。

取材された僧侶も言っていたが参拝者をナンパするわけにもいかないだろうし。

お寺を管理する僧侶と結婚するということは普通の主婦になるだけではなく、そのお寺を住職と一緒に支えていくという仕事をすることでもある。

一般の家庭で育った女性にとってはなかなか理解しがたい世界であるかもしれない。

お寺は24時間年中無休、プライバシーもほとんどない。

たとえば夏休みや年末に家族で海外旅行なんてことは絶対無理だし、子供も休日に遊びに連れて行ってもらえないなんてことは当たり前。

そのせいかお寺の事をよくわかっているはずのお寺の娘さんは母親の苦労を知っているのでお寺に嫁ぐことを嫌がる傾向もある。(ものすごく大きなお寺の場合は別)

また、お寺の奥さんとなる方に対して、結婚式のスピーチで「お寺はプライバシーのないところなのでつらい思いをするかもしれないけれど・・・」といわれることもある。

そんな中で最近の傾向として、お寺に嫁ぐというよりそのお寺の仕事(お寺自体の仕事ばかりではなく、併設されている幼稚園経営とかNPO活動とか周辺の仕事も含む)をやりたくて嫁いできたのではと思われる方も出てきた。

ある意味お寺に就職するような感覚もあるのではないだろうか。

そういう感覚を持った方が増えてくればお寺にももっといろいろな可能性が生まれてくるような予感がする。

婚活中の僧侶に対しては単に嫁さんを貰うというより一緒に事業を盛り立ててくれるパートナーを見つけるという感覚を持つことが良縁成就のポイントになるのではとアドヴァイスしたい。

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冬の富士山は表情豊か

2014-01-10 16:06:40 | Weblog

(山肌に煙る雲?遠くからでも煙がたなびくように見えるのですから、山の上では周りが見えないくらいふぶいているのかもしれません)

冬の富士山は表情豊か、刻々とその姿を変えています。

たった数分のうちに様子が変わることも。

写真好きにはたまらないんでしょうね。

朝起きた時に富士山がはっきり見えるとなんだか得した気持ちになります。

ある意味ものすごく贅沢なことかもしれません。

1月の標語ではないですが、小さなことにも感動・感謝することで1日がなんとなく充実して感じられます。

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富士に笠雲

2014-01-06 20:43:55 | Weblog

今朝の富士山は大きな笠をかぶっていました。隅田川沿いにある某ビール会社の巨大な金色のディスプレイの付いたビルにも似ているような・・・

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1月の標語

2014-01-06 20:28:42 | 標語

今月の標語は「小さなことにも 感謝できる人は 幸せになれる」です。

欲望には限りがない、求めれば求めるほど満足とはほど多くなる。

それよりももっと周りに目を向けて感謝の気持ちを持って接することができれば心も落ち着き満たされた気持ちになれるということでしょう。

先日NHKで幸福についての番組をやっていましたが、その中で幸福になるためには①人と交わること、②親切心、③ここにいること の3つが大切だと説いていましたが、言わんとすることは同じでしょう。

童話の青い鳥にしても、映画オズの魔法使いにしても、ディケンズのクリスマスキャロルにしても同じようなことを説いていますよね。

 幸せは遠くにあるのではなく、そこにあることに気づくことが大切なのでは。

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新年早々猫三昧

2014-01-01 20:13:11 | Weblog

あけましておめでとうございます。

今年は元日からたくさんの猫と触れ合いました。

まず、あいさつ回りの途中にキジ猫とトラ猫、立ち寄ったお宅2軒では12キロの赤トラと1歳の白にキジトラ模様の猫、そしてご近所では帰省中に連れてきたスコティッリュフォールド、新年早々猫三昧です。

さて、今年はどんな年になるのか、馬のように跳ねて躍動感のあるいい年になるとよいですね。

耳の折れていないスコティッシュホールド、体毛がふさふさ。

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