パンフレット
演奏が終わった後、皆が撮影をしています。
先日皇居で行われた雅楽演奏会に行ってきました。なかなか手に入らないチケットですが今回伝手があっていってきました。
曲目は管絃の太食調音取(たいしきちょうのねとり)、蘇芳菲(そほうひ)、庶人三臺(そにんさんだい)、舞楽の央宮楽(ようぐうらく)、狛鉾(こまぼこ)です。太食調の音取以外は聞いたことのないものでした。
太食調音取とは雅楽に使われる調子の一つで洋楽のE音に相当する太食調の曲を演奏する前に演奏するチューニングの曲です。
蘇芳菲とは五月節会にみこしの前で舞ったとか、嵯峨天皇が競馬の見物に行幸のとき、右方の舞「狛竜」と組んで舞ったと伝えられている曲で舞自体は途絶えてしまったようです。
庶人三臺は相撲の節会に阿良々木(女房の舞)に奏されたと伝えられていて現在舞は伝えられていないそうです。
舞楽の央宮楽は承和9年(842年)に皇太子を立てる儀式の奏するため仁明天皇の勅により林真倉(一説には大戸清上)が作ったと伝えられているそうです。 左方の四人舞で舞の後半にひざまずいて拝する独特の舞振があります。
狛鉾は昔、高麗の国から日本に船が入港する時、船人達が五色に彩った棹で巧みに船を操る姿を模したものといわれています。この舞は棹という道具を使い装束も鮮やかな青緑色で印象に残る演目でした。
今雅楽の世界ではこの宮内庁楽部の演奏がスタンダードとなっているようです。篳篥吹きの私としては勉強になることの多い演奏会でした。
それにしても会場の中は舞台の周りが白砂利で敷き詰められそこにびっしり椅子がおかれいっぱいの観客であふれかえっていました。見ているだけで熱気でむんむんしている中、演者たちは重いしかも暑い装束を付けているのですから大変でしょうね。それをまったく感じさせないのはさすがです。
現代では雅楽に触れる機会は少ないですが、探せば、近くの神社やお寺で演奏していることもあります。ぜひ機会があればこの雅な世界に触れていただきたいものです。
平安時代から現代にいたるまで変わらぬ音、昔の人々と同じ音を聞いているそう思いながら鑑賞するのもいいですね。
ちなみに7月21日清運寺で行われる清正公祭りで雅楽の演奏があります。興味のある方はお越しください。