まちみゅーツアーに参加して昭和町にある杉浦病院やその周辺の史蹟を散策しました。
昔甲府盆地中西部の釜無川流域は「地方病」といわれる「日本住血吸虫病(にほんじゅうけつきゅうちゅう)」の有病地帯でした。
そのなかでも、昭和町は発病者が多い地域でした。
杉浦病院は杉浦健造、三郎親子が生涯をかけて原因を究明し、その治療にあたったことで地方病の救世主ともいえる存在として知られています。
その杉浦病院が今年「昭和町風土伝承館」としてプレオープンしたのです。
日本住血吸虫病とはホタルのえさとなるカワ二ナという巻貝に似た宮入貝を中間宿主とする寄生虫が人間や動物の皮膚から侵入して血管に入り込み、ひどくなると腹水がたまったり、肝硬変を起こしたり、最悪の場合死にいたるという恐ろしい病です。
血管内に入り込むので、他の寄生虫のように虫下しを飲んでも効かず、治療は静脈に注射して投与するスチブナールという薬を使いますが、副作用がひどく体の負担が大きく辛い治療なのだそうです。
中間宿主となる宮入貝が生息できないように田んぼの水路をコンクリートにしたり、薬や火力によって宮入貝を撲滅したりという努力の結果、杉浦三郎先生が亡くなった昭和52年以降感染貝の存在は認められず、山梨県は平成8年に地方病終息宣言を出しました。
ツアー参加者の中には地元の方もいて、実際に地方病に感染して、今でも肝臓を超音波で見ると寄生虫の残骸が映っているという人もいたり、家族を地方病で亡くしたという方もいました。
終息宣言が出たとはいえ、まだまだその痕跡が強く残っていることに驚きました。
ちなみにこの日本住血吸虫を発見したのは桂田富士郎さんで、宮入貝を発見したのが宮入慶之助さんだそうです。
余談ですが、私が小学生のころ(記憶違いでなければ)甲府の朝日小学校で地方病の勉強のために、地方病にかかって亡くなった方の大きく膨らんだ腹部の標本(人間の胴体の部分のホルマリン漬け)が持ち込まれたことがあって、子供心に人間を標本にして見せてもいいの?と思った記憶があります。
子供のころの記憶なので曖昧な点はあると思うのですが、どなたかそのようなものを見た記憶のある方はいらっしゃらないでしょうか。
<宮入貝 大きさ8ミリ 標本にしたため脱色されていますが、実際はカワ二ナと同じ色で形もそっくり、しかし大きさはカワ二ナの稚貝くらいの大きさ。>
<カワ二ナ、ホタルのえさになります。宮入貝を撲滅したためにこのカワ二ナもいなくなってしまい、ホタルの生息地だった昭和町にホタルも消えてしまいました。>
<地方病にかかり腹水のたまった状態>
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