今日は清運寺の施餓鬼法要、昨日の嵐もおさまり天気も良い中で行われました。にも関わらず例年よりも出席者が少なくちょっとさみしいものになりました。
毎年この施餓鬼法要には境内で育てた竹と蓮、、樒(しきみ)の葉っぱが使われています。
竹は施餓鬼旗を結び付けて飾り
蓮の葉は旗を刺すごはんや水の子のお皿として
樒の葉は灑水用に使います。
蓮の葉も竹も直前に切り取らないとすぐに萎れてしまうのでやはり自家栽培ということになるんですね。竹だけは昔から栽培していましたが蓮と樒は私の代になってから栽培を始めたものです。なかなか自坊で法要に使う植物を栽培するのは大変だとは思いますができるだけこれからもこの伝統を守っていきたいと思っています。
ただ今施餓鬼ツアーの真っ最中、その施餓鬼法要の中で祭壇の周りを僧侶たちがお経を唱えながら回るという作法があるのですが、そこで時々ハプニングが起こることがあります。
お経を唱えながら回っている間、普通ならみな別々のタイミングで息継ぎをするのですがたまに全員が一斉に息継ぎをしてしまい、今どこを唱えていたのかが分からなくなってしまうということがあるんですね。
皆経本を読みながらではなく暗記しているものを唱えるので急に音が途切れてしまうと「え、今どこだっけ」となってしまうんです。たいていは誰かがそのあとに続く経文を大きな声で唱えてみなそれに続くことで回避できるのですが、誰も意識していなくて一瞬沈黙してしまうことがあります。
その時は誰かがとりあえず経文の一説を唱え皆がそれに続くということになるわけですが、それがほぼそのお経の終わりの部分を唱えていたのに、一気に相当前のお経文まで戻ってしまうという場合もあります。
いわゆる行道の罠というやつですね。そうするとそのままお経が終わるまで唱え続けるか、あるいは相当部分を端折って一気に終盤まで飛ばしてしまうかは導師か金座の判断によることとなります。
お盆に続く付け施餓鬼ならではのハプニングかもしれません。
18日から施餓鬼ツアーの後半が始まりました。
お盆が終わって疲労困憊、昔子供のころ、年配の僧侶の方々がお盆が終わるとのどはガラガラ腰が立たなくなっている状態を見て「大の大人でもお盆ってたいへんなんだなあ」と思ったことがありましたが、年を取るごとにそれを実感する今日この頃です。若い僧侶の方々は元気なのに50代以降の方々はすでに口数も少なく顔にも疲労の跡がはっきり見て取れます。自分もその仲間なのですけれど。
今年はお盆前7月前半からいろいろ忙しく強いストレスのかかることも多かったのでなおさらです。お盆の終わった翌日17日の朝はめまいで目が覚める始末。それからは毎日めまい止めの注射を打ちつつ体に鞭打っています。
猫の手が借りられたら少しは楽になるのでしょうか?
(あたちの手を借りたいなんて百年早いわよ!)
くるみさんに猫の手をかしてくれるように頼んでみましたが断られました。せめて癒してくれるといいんですがね。
8月16日はお盆の最終日、甲府市では各地域ごとにお盆の間各家に飾っていた盆飾りを回収します。昔は川に流していたようですが今は環境に配慮して各地域の集積場に持っていけばゴミ収集車が回収してくれるシステムになっています。
しかし、昔からの伝統で今でもちゃんと川施餓鬼を再現している地域もあります。場所によっては集積場があるだけ、もしくはそれに加えてお経のテープが流されているだけのところも多いようです。ここ原山神社のある元三日自治会では昔ながらのやり方で行っています。自治会の方々が前日会場の設営をし、午前5時頃からスタンバイ、午前6時からは近隣寺院4ケ寺の僧侶が交代でお経をあげます。1人の僧侶がお経をあげるというところはあっても4人が交代でというところは少ないのではないでしょうか。キチンと川施餓鬼をやる、僧侶の生読経がある等の理由からか元三日自治会だけでなく、近隣の自治会の方々、車で遠くからわざわざここを選んでくる方もいらっしゃるようです。
前日の設営から当日の作業と自治会の当番の方々も大変なご苦労だと思いますが、実は僧侶の側も結構きつい。というのもお盆の13日に檀家の方々がお墓詣りに見え、14、15日は各檀家さんのお宅に棚経に回り、16日の朝となると疲労がピークに達する時だからです。4人の僧侶のうち私だけは元三日自治会ではなく隣の西白木自治会に属しているのですが、昔からの慣習で毎年こちらでお経をあげさせていただいています。
神社の入り口にしつらえられた特設の集積場、その周りには施餓鬼旗が掲げられています。まずこの集積場に盆飾りを収めて係りの方から短冊を受け取り小さな水を張った鉢にその短冊を入れます。(川に短冊を流す代わり)そして線香を受け取って
施餓鬼用の祭壇の前の線香立てに線香を立てて合掌します。もちろんここにはお賽銭箱も。
祭壇の前では4人の僧侶は交代で読経。
この川施餓鬼に続き、夜に行われる灯篭流しが終わるとお盆の終了となります。
そして個人的には休みなく盆の付け施餓鬼ツアー後半が始まります。
今年も連年通り甲府仏教会主催の灯篭流しと花火大会が開催されました。
午後7時から開催予定でしたが突然の雨で予定は前倒し、法要も中止、花火も7時前には打ち上げ終わってしまいました。
花火大会のメインのナイヤガラ、いつもは煙がもうもうとして煙のナイヤガラとなるのですが、雨が降っているせいかはっきりくっきりナイヤガラの滝が見えます。灯篭を流す列に並ぶ人たちも傘を片手に花火見物。
午後7時前には突然の豪雨、にも関わらずたくさんの方がご先祖様を送りに見えていました。
早めの始まりましたが雨が止んでからはまた多くの人出があり灯篭を流す列が長く続きました。
川を流れていく灯篭、ご先祖様を送るお盆ならではの光景です。
8月6、7日に甲府駅北口よっちゃばれ広場で「神社を知ろう」と題してのイベントがありました。山梨県神社庁設立七十周年記念事業だそうです。係員は神職さんたちで白い袴に白い白衣、赤い袴の巫女さんもいます。6日には雅楽の演奏もあり、平調の越天楽、五常楽、陪臚の演奏と舞楽「蘭陵王」が披露されました。巫女さんによる浦安の舞や豊うけの舞も奉奏されました。
穴切神社で行われる一連の演奏の練習には参加していましたので様子はわかっていたのですが、この暑い中で衣装を着けての演奏、舞は大変だったことでしょう。
舞台での管楽の演奏。この衣装は風通しが悪くしかも頭に烏帽子をかぶっているのでサウナ状態でしょう。お疲れ様です。
浦安の舞 衣装が美しい。巫女さんたちの練習も何度か拝見しましたが動きは太極拳のようにゆっくりですが1曲舞うだけで汗びっしょり、これだけの衣装を着て舞うのは大変です。
蘭陵王 管楽に合わせての舞。雅楽の演奏自体聞くことは少ないと思いますが舞楽となるともっと目にする機会は少ないと思います。貴重な機会です。この練習の時に篳篥の演奏で参加していましたが、一曲舞うだけで舞人は汗びっしょり、もちろん衣装なし、Tシャツでの練習ですが。それが面をかぶって衣装と着けてとなるとどんなに暑いことか。
豊うけの舞 アニメのキャラクターに出てくるようないでたちです。
貴重な演奏、舞が奉奏されましたが、これからもまたこのような機会があればもっと神社や雅楽に親しみがわくのではと思います。今度は暑くない時期の昼間に聞きたいですね。