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京都旅行記(2023・夏)河井寛次郎記念館

2023年11月15日 | +京都

だいぶ間があいてしまいましたが、京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町
4.京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング
5.京都旅行記(2023・夏)畳アート @東福寺光明院

畳アートを見た後は、東山五条のオムライス屋さんでお昼をいただいてから、河井寛次郎記念館を訪れました。

清水寺からほど近い住宅街にある、味わいのあるこのお家は、柳宗悦、浜田庄司らとともに民藝運動に携わった、陶芸家の河井寛次郎が生前住んでいた住宅で、現在は寛次郎の記念館となっています。

太い梁と柱、どっしりと風格のある住宅に、寛次郎のぽってりとした厚みのある陶芸作品、ひいては日々の暮らしを見つめ続けた、寛次郎の実直な生き方に通じるものを感じました。

古風で伝統的な日本住宅ながら、どことなくモダンで粋なところも感じられるすてきなお家でした。

住宅から長く続く廊下を通って、奥の窯のあるエリアへと向かいます。白砂が敷かれたシンプルな中庭に、凛とした清潔感を感じました。

廊下にはガラスのケースがあり、寛次郎の作品が展示されていました。ルーシー・リーを思わせる美しいローズピンクにうっとりしました。

八角形ですが、角の取れた四角形といった感じで、やわらかさを感じる器です。温かみのある青色と、幾何学模様の美しさに惹かれました。

寛次郎の作品を見ると、飾りたいというよりは、日常生活に取り入れて日々大切に使ってみたい、と思います。まさに民藝運動が目指した用の美、ここに極まれりです。

廊下を抜けたところから奥は、窯のある作業場となります。これは素焼窯。乾燥した粘土の段階の作品は、この窯に入れて焼きます。

奥の離れも、趣のある建物で、庇に藤棚がありました。この離れにも、寛次郎の作品のほか、東京高等工業学校 (現・東京工業大学) の窯業科を卒業した寛次郎の、克明に記された勉強ノートなどが展示されていました。

さらに奥にある登り窯です。素焼きにした作品は、釉薬をかけた後、この窯で焼きます。登り窯は共同窯で、近隣の20軒が使っていたそうです。このあたりは清水寺に近いので、清水焼の窯元がたくさん集まっていたのでしょうか。

登り窯には階段状に窯が並んでいます。

各窯の室は、こんな風になっています。

再び住宅にもどって、今度は2階に上がってみることにしました。奥に見える階段を上ります。階段の下に収納がついていて、家具のようになっています。

寛次郎の書斎です。

再び1階にもどりました。お座敷の中央に寛次郎のオブジェがあります。

寛次郎は猫を飼っていたようで、今も看板猫が受け継がれていました。ちょっぴりおデブな猫ちゃんが気持ちよさそうにお昼寝の最中でした。

寛次郎の作品、寛次郎の暮らしぶりに触れ、東京にもどったら、寛次郎らが開館に携わった駒場の日本民藝館も訪れよう、と心に決めました。

これで京都旅行記(2023・夏)の〆といたします。長々とおつきありくださり、ありがとうございました。

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ペイン・ハスラーズ

2023年11月03日 | 映画

Netflix配信の新作。エミリー・ブラント主演の社会派?ドラマです。

ペイン・ハスラーズ (Pain Hustlers)

家も職もすべて失ったシングルマザーが、ひょんなことから製薬会社の営業員として採用されて大活躍。会社も大きく業績を伸ばしますが、さらなる金儲けをもくろむ会社が、やがて倫理的に許されざる道へと突き進んでいく...という実話をもとにした作品です。

エミリー・ブラントが好きで、不正を暴く社会派作品が好きなので、配信を楽しみにしていました。見る前は、大好きな「エリン・ブロコビッチ」みたいな作品を想像していたのですが、そこまでの爽快感がなかったのは

エミリー・ブラント演じる主人公のライザ自身が不正に手を染めていたからでしょうか。もっともライザは会社のために、そして自分のために必死にがんばっているうちに、いつの間にか越えてはいけない一線を踏み出してしまったわけで

誰もが陥る危険のある落とし穴、と少し怖くなりました。まわりが見えなくなるくらいに、すべてが順調にいっている時は、ふと立ち止まって冷静にまわりや自分を見つめる勇気が必要、という忠告と受け止めました。

それから本作では、アメリカの拝金主義が「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のようにシニカルに、カリカチュアに描かれていて、もちろんそうではない人もたくさんいることはわかっていますが、少々嫌気がさしました。

ライザが家族とうまくいかなくなったのもお金が原因ですし、その後仲直りしたのもお金のおかげなのですよね。貧しさを知っていても(あるいは知っているからこそ?)お金を手にしたとたんに、高級車を乗り回し、豪邸を手に入れ、人が変わってしまう。

お金はつくづく魔物なのだと思います。子どもの教育も、医療も、そして正義さえも金次第。そんな現実もコミカルに描かれていました。

ノー天気な博士を演じていたのは、アンディ・ガルシアだったのですね。私は宮崎駿さんに見えてしまって困りました。^^

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京都旅行記(2023・夏)畳アート @東福寺光明院

2023年10月29日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町
4.京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング

珈琲店で朝食をいただいた後は、清水五条から京阪電車に乗って鳥羽街道へ。紅葉の名所で知られる東福寺の塔頭 (たっちゅう) 光明院を訪れました。光明院は「虹の苔寺」の異名を持ち、重森三玲作庭のみごとな枯山水庭園で知られますが

ここ数年はアートギャラリーとしても人気が高まっているようです。2023年7月1日~30日は、「すごい畳」で知られる山田憲司さんの個展があると知り、今回是非訪れたいと思っていました。

門をくぐると、建物入口までのアプローチまでもが庭園のような佇まい。白砂に水紋が描かれ、白砂青松の風景でした。

建物の中に入ると、白砂に石を配して大海を表現した主庭のダイナミックな風景に圧倒されました。

山田健司さんは、岐阜県で創業150年という老舗、山田一畳店の五代目ですが、2018年頃から伝統的な畳を使った新しいデザインを考案し、畳のアーティストとして国内外で活躍していらっしゃいます。

畳をいろいろな形に作ってパッチワークのように組合せ、ひとつの絵を作り上げていますが、おもしろいのは畳の色を変えるのではなく、織目の角度を変えることで光の反射を利用して、色のグラデーションを作り出していることです。

本展では、光明院の紋である鶴を畳で表現していますが、二間続きの部屋に二羽の鶴がそれぞれ羽を広げていて、大迫力でした。畳のまわりをぐるりと歩くと、光の反射によって色が少しずつ変化していくのがわかりました。

鶴もすばらしかったですが、私の心をとらえたのはこちらのお部屋です。

六角形の小さな畳が敷き詰められていますが、これらはすべて同じ畳です。置く向きによって織目が60°ずつ変化し、6色のグラデーションを作り出します。色の濃淡を利用して、模様や絵を作ることもできますね。

庭もすばらしいですが、それを取り囲む建物もみごとでした。

階段を上ったところにある離れの間には、龍の絵に敷き詰められた畳がありました。お寺という空間をみごとに生かしたアートでした。

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京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング

2023年10月28日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町

京都といえば宇治茶が有名ですが、実は珈琲店も多いです。それもレトロで趣のある昔ながらの珈琲店。こうしたお店では、たいていモーニングを提供しているので、ホテルではなく、珈琲店で朝食をいただくのを楽しみにしていました。

今回は、ホテルの近くにある 高木珈琲店 高辻本店 で朝食を楽しみました。

ビルの1階にありながら、さりげなく歴史を感じる店構えです。どこに行っても自転車が止まっているのが、京都らしい風景です。

朝の目覚ましの一杯のなんておいしいこと。アフリカや南米のコーヒー農園では、昔は収穫したコーヒー豆をロバで運んでいたのでしょうか。物語を感じるイラストが味わい深い。

こちらは、名物リッチモーニング。厚切りトーストに、スクランブルエッグ、ソーセージ、ポテトサラダがついたプレートです。トーストの焼き色と溶けたバターがたまりません。

私はホットケーキをいただきました。懐かしさを感じる優しいお味です。

ブラウンを基調にした落ち着いたインテリアが居心地よくほっとします。キッチンの中では親子3代?おじさまたちが忙しそうにお仕事しています。クチコミで評判が広まっているのか、外国の旅行者の方たちも多かったです。

カウンターの上に出ている棚状の板が何かしら?と気になって、ひょっとして昔はテレビを置いていたのではないかしら?とコーヒーを運んできた3代目らしき若いお兄さんにお聞きしたところ、ちょっと考えて (煙草用の) 空気清浄機だと思います、との答えでした。

(お客様がひと段落して、スタッフの方が隅の席で休憩タイム)

がっかりした顔に見えたのか、その後お兄さんは (上の写真にある) 壁のくぼみを指して、テレビはここにありました、と教えてくれました。はずれたけれど、当たらずとも遠からず。ちょっとうれしくなりました。^^

たしかに昔のテレビはブラウン管で重かったので、薄い板では支えきれなかったでしょうね。空気清浄機用の棚は店内に3ヶ所あって、その昔は煙草を吸うお客さんが多かったんだろうなーと想像しました。

しばしの間、昭和にタイムスリップしたような感慨を覚えました。

***

牛若丸が弁慶に出会ったとされる、京の五条の橋の上。
下を流れるのは鴨川。左に納涼床を設えた料亭が並んでいます。

 

 

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京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町

2023年10月22日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE

おいしいコーヒーでひと休みした後は、いったんホテルにもどってしばしくつろいでから、先斗町 (ぽんとちょう) に夕食を食べにでかけました。先斗町は、鴨川沿いに続く長い長い路地で、飲食店が並ぶ趣のある繁華街となっています。

7月の18時前に撮った写真なので、まだ明るくて本来の雰囲気をお伝えできていませんが...

夏の先斗町は、鴨川に向けて足場を組んでテラスを設える、納涼床が風物詩となっています。(先斗町の納涼床については、以前コチラで記事にしています。) 今回予約したのは和食料理の 草風土(そうふうど) うしのほね

早い時間は納涼床の空きがなく、屋内の席になりましたが、今年の夏はものすごく暑かったので、結果的にはそれが正解でした。窓に近い席でしたので、納涼床の雰囲気を味わうことができてよかったです。お料理はコースではなく、アラカルトをシェアしていただきました。

せっかくなので京都のお酒をいただきたくて、伏見 都鶴酒造さんの純米酒「都鶴」をいただきました。酒米「山田錦」の旨みを生かしたすっきりとした辛口。お料理にもよく合いました。

つきだしですが、何か忘れました...。

好きな肴を選んで、五種盛り合わせにしました。活蛸の炙り 土佐酢ジュレ、鱧の南蛮漬け、うなぎと焼茄子 冷やしとろろがけ、万願寺唐辛子の肉詰め、和牛しゃぶと新生姜きんぴら。

八宝餃子。羽がしっかりしています。

席から納涼床を望めました。ほのかにくれない色に染まった雲がきれいです。

九条葱 あっさり塩ナムル。シンプルですが九条ネギ好きにはうれしい一品。

たぶんサラダだと思いますが、詳細忘れました...。

お店の自家製梅酒をロックでいただきました。

お魚のフライのようですが、これもわからず...。お店のHPのメニューにのっていないようなので、本日のおすすめメニューにあったお料理かもしれません。

〆に特製牛の骨ラーメン。

食事の後は、鴨川縁の河原をのんびり歩きながらもどりました。各店が納涼床を張り出しているのが京都の夏ならではの風景です。このあと四条通を歩くと、祇園祭の御神輿が並んで置かれている場所があり、ほんの少しお祭りの気分も味わえました。

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富錦樹台菜香檳(FUJIN TREE フージンツリー)

2023年10月21日 | グルメ

友人と、日本橋のコレド室町テラスに入っている台湾料理のレストラン、富錦樹台菜香檳(FUJIN TREE フージンツリー)でランチをいただいてきました。

コレド室町テラスは2019年にオープンした時に記事にしています。⇒ コチラ この記事の中で「ここはカフェかな?」と書いているのがフージンツリーです。台湾で人気のおしゃれレストランの日本支店です。

友人との集まりというと、イタリアンやフレンチということが多いので、台湾料理というのが珍しく新鮮でした。ビルの中のお店ですが、テラスへとつながっていて解放感があり、シンプルで洗練された雰囲気でいただくお料理はどれもおいしかったです。

大皿ではなく、コースのお料理なので、取り分ける気遣いがいらないのもよかったです。シャンパンでいただく台湾料理ということでしたが、私たちはライチジャスミンティと烏龍茶 (東方美人) をポットでシェアしていただきました。

本日のスープは、しらすを使ったスープ。しらすの旨みがしっかり効いて、帆立のスープ?と思ったほど。冷菜4種の盛り合わせは、左から春雨の和え物、海老の冷製、茄子のマリネ、奥に冷製ゆで鶏の柑橘醤油添え。

温菜3種盛り合わせ。左は大根餅でしょうか。中は揚げパンと海老のすり身の甘酢炒め。右は台湾揚げ出し豆腐。海老のすり身は海老がぎっしり詰まっていて、しっかりとした食感が楽しめました。

お店の名物料理である、豚バラ肉の角煮 ナツメとハイビスカスソース。豚バラ肉なので、見た目は脂が多いですが、まったく脂っぽさがなくてびっくり。いったい何時間煮込んだらこんなに柔らかくなるのでしょう。切り口がすぱっときれいなのにも驚きました。

プライムビーフの一口ステーキ。豚バラ肉の角煮がメインディッシュだと思ったら、その後に一口ステーキが続きました。まぶした香味野菜の風味もよく、ソースがからんでおいしかったです。

赤米入りご飯と、花ニラとピータン 豚挽肉のピリ辛炒め。ごはんのお供にぴったりです。

デザートの豆花 (トウファ)。上に載っているのは、梨のシャーベットとクコの実です。シャーベットがかき氷のような素朴な風合いでした。

フージンツリーを代表するお料理をバラエティ豊かに楽しめる、スタメン揃いの贅沢なコースでした。

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グランツーリスモ / 岸辺露伴 ルーヴルへ行く

2023年10月15日 | 映画

三連休に帰省した息子と見た映画、2作品です。

グランツーリスモ (Gran Turismo)

ソニーのPlay Station で人気のレーシングゲーム「グランツーリスモ」を題材にした作品と聞いて、「ピクセル」とか、ポケモンのハリウッド実写映画「名探偵ピカチュウ」みたいなB級映画を想像していたら、とんでもなかった。

ゲーム「グランツーリスモ」のトッププレイヤーから厳選されたメンバーが、リアルなレーサーとして訓練を受け、その中で選ばれし一名が、実際にル・マンの24時間耐久レースにレーサーとして参加したという、実話に基づく作品です。

いくらゲームでのドライビング・テクニックがすごくたって、リアルなレースで通用するの? どんな訓練を受けたらレーサーになれるの? 等々、見る前はクエスチョンマークの連続でしたが、その謎をこの映画が次々と解き明かしていきます。

こういうとんでもない企画を考えた日産のマーケティング担当やレーシングチームもすごいですし、リアルなレースに通用できるだけのバーチャルなゲームを作ったソニーのクリエイターたちもすごい!と感動しました。

選ばれしレーサーは、イギリスのヤン・マーテンボロー。彼の勝負曲が、ケニー・Gやエンヤだったのでてっきり1980年代の話かと思ったら、2013年のできごとと後から知って驚きました。ちなみに私がレースといえば、T-SQUAREの「TRUTH」が頭に流れます。^^

元サッカー選手の父親が、外で遊ばずゲームばかりやっている息子を歯がゆく思いながら、最後には息子を理解し応援する家族愛、日産のマーケティング担当 (オーランド・ブルーム) に圧力をかけられながら、最後までヤンを信じ続けたコーチとの師弟愛

ライバルチームとの心理戦、ラストのドラマティックなフィニッシュと、ありがちなストーリー展開もすべて事実となれば格別です。胸が熱くなりました。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

息子が岸辺露伴のドラマシリーズが好きで、NHKのドラマは勧められてすべていっしょに見ています。彼は本映画を劇場で鑑賞済ですが、今ちょうどアマプラに上がっているというので、今回いっしょに見ることになりました。

パリのルーヴル美術館でロケをしていると聞いて楽しみにしていましたが、パリの場面にはなかなか行かず、前半はほとんど、若き露伴が将来漫画家になるべきか否か思い悩んで、祖母が経営する宿屋に長逗留する場面が続きます。

ところがこの味わいのある宿屋、どこかで見たことあると思ったら、なんと昨年秋に訪れたばかりの福島会津・東山温泉の向瀧さんではないですか! ちょっとうれしくなりました。

若き露伴が逗留中、ここで出会ってひそかに思いを寄せる、訳あり風の美しい年上の女性 奈々瀬 (木村文乃) が、実は露伴 (高橋一生) の出自にかかわっていることが、後になってわかってきます。

公開前のビジュアルでは、パリでのロケがアピールポイントになっていた記憶がありますが、どちらかというと「御宿かわせみ」のような時代小説のテイストをもった、味わい深い作品でした。

そしてこのシリーズ、私が毎回楽しみにしているのが、飯豊まりえさん演じる、露伴の編集担当 泉京香のベルサイユ風?ファッションです。^^ 今回は特に序盤のオークションの場面で京香がまとっていた、パープルのドレスがすてきでした。

 

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京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE

2023年10月14日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回の記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)

金閣寺を訪れた後は、バスに乗って京都御所方面へ。御所のすぐ横にある、新島旧邸を訪れました。宗教家であり教育者、同志社大学の創設者である、新島襄 (にいじまじょう) の私邸です。ここは同志社大学発祥の地で、大学が移転した後の跡地に建てられました。

建物は鎧戸のあるアメリカ・コロニアル様式ですが、どこか和の佇まいも感じられます。

新島襄は近代日本におけるキリスト教の祖ともいうべき人物で、クリスチャンの端くれとして一度はここを訪れたいと思っていましたが、公開日が限られていてこれまで旅程となかなか合わず、今回ようやく訪問の念願を果たしました。

アメリカに憧れ、アメリカに渡って大学で自然科学や神学を学び、後に日本でキリスト教の伝道と教育に生涯をささげた新島は、日本を代表する宣教師として、アメリカのワシントン大聖堂にも彫像が掲げられています。

新島襄は、大河ドラマ「八重の桜」で八重の夫として登場しているので(演じているのはオダギリジョーさん!)ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

建物の中には入れませんが、窓越しに中を見学することができました。竣工は1897 (明治11) 年。洋風の外観、そして家具も洋風ですが、間取りは日本風で、日米両方の文化を愛した新島らしい邸宅と思いました。

上の写真は書斎ですが、和と洋の要素がまざりあい、畳のお部屋に洋風の家具を置いているような印象を受けました。西洋風の鎧戸の上に、明り取りの欄間があり、障子がはまっているのがユニークです。壁一面に書棚がありましたが、その8割は洋書ということです。

こちらはダイニングルーム。奥に見えるのは応接間です。洋風のお部屋ですが、間が日本式の襖で区切られているのがおもしろい。お部屋はすべて洋間でしたが、新島亡き後、八重は洋間のひとつを改造し「寂中庵」というお茶室を作りました。

建物の裏側です。同じコロニアル様式でも表側とは少し違ったデザインで、ニューオーリンズのフレンチクォーターに見られる建物に少し似ているように思いました。こちらも窓の上には明り取りの欄間が設えられています。

新島襄の生涯を知る上でも、建築物としても、興味深い建物でした。

***

新島旧邸を訪れた後、どこかでひと休みしようということになり、ぶらぶら歩いて偶然見つけた珈琲店 kawaCOFFEE (カワコーヒー)  に入りました。

窓際に横並びに4席、キッチンに面したカウンターに4席あるのみのこじんまりとしたお店ですが、町家風の落ち着いた佇まいが心地よく、マスターの気さくな笑顔に誘われるようにして窓側の席に並びました。

メニューは、本格的なコーヒーから、自家製のカステラなどのスイーツまで。カステラは人気のようで、わざわざ買いにみえている方もいらっしゃいました。

せっかく珈琲店に入ったので、ホットコーヒーにしたいところでしたが、この日は冷たい飲み物&甘いものが欲しくて、めずらしくコーヒーフロートをいただきました。冷たいアフォガードといった感じでおいしかった! 生き返りました。

窓の外にはマスターが配達用?通勤用?に使うのでしょうか。お店の名前の入ったかわいい自転車が止まっていて、絵になりました。

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京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)

2023年10月08日 | +京都

昨秋の函館旅行記がまだ終わっていませんが、今年7月に訪れた京都の旅行記を先に書くことにいたします。夫の京都出張にあわせて、私は東京から、息子は奈良からやってきて、土曜日に合流しました。

ちょうど祇園祭のさ中。いつものホテルの予約が取れず、今回は四条の ザ ロイヤルパークホテル 京都四条 に宿泊しました。シンプルで使い勝手がよく、お部屋の浴槽が大きかったのが個人的にはよかったです。現地で買った入浴剤を入れて、ゆったりとくつろぎました。

旅は土曜日のお昼に待ち合せた、こちらのお店からスタートしました。

四条と五条の間、烏丸通りからちょこっと入った住宅街にある 松粂 (まつくめ) さんです。趣のある京町家の雰囲気にほっと心がなごみます。とはいえ、エアコンの室外機が表に出ていたり、お店の前にママチャリが止めてあったり、飾らぬ風情がまたよい感じ。

こちらはもとは仕出し料理屋さんだったということですが、お手頃価格で本格的なミニ会席のランチが楽しめます。お隣のテーブルでは女子学生4人が期末試験の打上げランチ?なんとも微笑ましい雰囲気でした。

こちらがお昼のミニ会席のお膳です。酢の物、焼物、煮物、揚物、ごはんとお吸い物がついて、どれもおいしかった! 私は特に関西風のふわっふわの出汁巻き卵と海老真薯が気に入りました。これぞ京都というお味でした。

***

おいしいお昼をいただいた後は、市営地下鉄とバスを乗り継いで、金閣寺へと向かいました。

金閣寺は、正式名称を鹿苑寺(ろくおんじ) といい、銀閣寺とともに相国寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつです。でもこの金色に輝く姿は相国寺以上に知られ、国内外を問わず人気がありますね。この日もおおぜいの観光客でにぎわっていました。

1397年に足利義満によって開基された後、2度の落雷、応仁の乱、さらに放火による焼失を経験し、ドラマティックな変遷をもつお寺です。1950年の放火事件は、三島由紀夫の小説でもよく知られています。

2020年12月に京都を旅行した際、金閣寺がちょうど修復中で訪れるのを断念したので、今回予定に入れて楽しみにしていましたが、山々を借景にして水辺に浮かび上がる斜利殿(金閣)の神々しい美しさに圧倒されました。

金閣寺を訪れたのは、ひょっとしたら修学旅行以来でしょうか。当時、中二病を患っていた生徒たちの間では、金閣寺より渋い銀閣寺の方が人気が高かったような記憶があります。^^

でもあらためてこうして見ると、落ち着いた金色が自然の風景の中に違和感なく溶け込んで品格があり、しみじみと美しいと感じました。

後方からパチリ。高低差のある境内全体が広大な庭園となっていて、暑い中ではありましたが散策が楽しめました。

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東京會舘 Restaurant Prunier

2023年09月30日 | グルメ

丸の内の東京會館本館のメインダイニング、Restaurant Prunier (レストラン プルニエ) でアニバーサリーランチをいただきました。2019年に丸の内二重橋ビルにリニューアルオープンした新本館は、車寄せが広く取られ、重厚な中にも華やかさがあってすてきでした。

プルニエは本館2階にあって、皇居のお濠が目の前に見えます。各テーブルがステンドグラスの衝立で区切られ、半個室のようになっていてくつろげました。この日は前日の雨がうそのように晴れ、青空にマグリットの絵に出てくるような白い雲が浮かんでいました。

飲みものは夫はノンアルコールのメルロー(赤ワイン)、私は最近マイブームとなっているジントニックにしました。といっても、NEMAというノンアルコールのジンを使っているのですが、これがものすごくおいしくて感動しました。

最初に運ばれてきたアミューズブーシュは、トマトの泡々のスープ。その下にはオリーブオイルとジェノベーゼがあり、色の層がとてもきれいでした。小さなクチポールのスプーンで、上下を混ぜるようにしていただきます。

前菜は、タスマニアサーモンのマリネ 真っ赤なピーマンのユール仕立て。サーモンがトマトのゼリーに閉じ込められ、まるで生物の教科書に載っていた細胞質の断面みたい!と盛り上がりました。右手前は赤ピーマンを使ったソースです。

右奥のくるくるは生ハムかと思ったら、薄くスライスしたりんごのマリネでした。豆苗などのグリーンが愛らしいです。

ここでパンが運ばれてきました。手前の白いパンは大根を使ったパンということでしたが、大根の風味が全くなくて、柔らかいパンでした。キャンディのように包まれたバターがかわいい。塩が効いておいしかったです。

目の前の銀杏並木の緑がきらきらとして美しかったです。

豊洲市場より届く本日のお魚料理は、スズキを使ったブイヤベース風のお料理でした。お魚の旨味を凝縮した濃厚なスープが淡泊なスズキによく合います。くるくると巻いてあるのは緑、黄それぞれのズッキーニ。これはかわいいので家でもまねしてみたい。

お肉料理は、牛頬肉の赤ワイン煮込み 静岡県 長谷川農場産 マッシュルームの詰め物 ベーコン風味。3時間煮込んだ牛頬肉がほろほろに柔らかくてびっくりしました。赤ワインのソースも絶品です。

ロシア教会のたまねぎ屋根(クーポル)みたいに飾り切りした、マッシュルームがかわいい。中には刻んだベーコンが詰められています。お皿に見覚えがあると思ったら、銀座レカンのお皿と同じでした。おそらくリモージュだと思います。

デザートのお皿にアニバーサリーのメッセージを入れてくださいました。

デザートは、洋梨のタルト ベル・エレーヌ仕立てです。焼りんごならぬ焼洋梨に、アイスクリームとクランブルをまぶしたような芸術的な一品。お皿に注がれた温かいチョコレートソースといっしょにいただきます。

秋色のコーヒーカップは、リモージュです。コーヒーを注ぐポットもおそろいでした。

お料理もどれもおいしかったですが、デザートがおいしいとうれしいですね。

ミニャルディーズ(小菓子) はミニチュアのスタンドにのって、アフタヌーンティ仕立てになっていました。上から2つずつ3種類。紅茶のマカロンは、ピンクペッパーが一粒飾ってあって大人のお味。小さなガトーショコラには、小さな干いちじくが添えられています。

一番下のグラスに入ったのは、胡麻のカヌレ。ラズベリーのソースが添えられています。小さいながらも、どれも技ありのお菓子でした。

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