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足立美術館

2022年11月20日 | +島根

だいぶ間が空いてしまいましたが、昨年11月に訪れた島根旅行記の続きです。久しぶりなので、これまでの2記事をリンクしておきます。

1.島根ひとり旅 出雲大社
2.出雲・稲佐の浜 ~ 松江へ

旅行2日目は、島根県安来市にある 足立美術館 を訪れました。2012年に赤瀬川原平さんの「個人美術館の愉しみ」を読んで以来、ずっと行きたいと願っていた憧れの美術館です。松江駅からJR山陰本線に乗って安来駅へ。駅前から美術館行きのシャトルバスが出ています。

美しい紅葉に迎えられて

足立美術館は安来出身の実業家、足立全康 (あだちぜんこう) 氏が1970年に創設した美術館です。横山大観の日本最大のコレクション (約130点) をはじめ、竹内栖鳳、河合玉堂らの日本画、北大路廬山人の陶芸など約1,500点を所蔵していますが

もうひとつの見どころは、なんといっても5万坪に及ぶみごとな日本庭園です。

中根金作氏が作庭し、足立氏が日本中から岩や松などを探し集めたという庭園は、枯山水庭、白砂青松庭、苔庭など6つのテーマに分かれています。毎日専属の庭師と美術館スタッフによってメンテナンスがなされ、常に完璧な状態が維持されています。

そしてこの庭園が、アメリカの日本庭園専門雑誌 Sukiya living : the journal of Japanese gardening が毎年発表しているランキングで、2003年から19年連続日本一に選出されているということです。

歴史的な価値や知名度ではなく、美術館が所蔵する芸術作品と日本庭園との調和、庭園も美術作品の一部であるという美術館の姿勢が、海外の研究者から理解され、評価されていることがすばらしいと思いました。

苔庭。赤松は山の斜面に生えていたのと同じ状態で、斜めに植栽されているそうです。

枯山水庭。美術館の主庭です。

すでに写真では何度も見ていましたが、実際にこの場に立つと、借景も含め精密に計算された完璧な風景に、圧倒される思いでした。美術館はこの借景を維持するために、周囲の山林も購入しているということです。

横の角度から。

建物の窓枠から見ると、そのまま額縁にふちどられた風景のようになっているのが、心憎い演出です。

坪庭。苔の緑と白砂のコントラストの美しさに目を奪われました。

喫茶室「大観」に面した池庭。お庭を見ながら優雅な気分でいただく島根和牛のビーフカレーは格別でした。

季節にあわせて展示されるコレクションの数々もみごとでした。この時はちょうど秋季特別展が開催されていて、横山大観画伯の「紅葉」が、やはり心に残りました。

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