NETFLIXで見つけて、おもしろそうだったので見てみました。2006年公開、スパイク・リー監督によるニューヨークを舞台にしたクライムドラマです。
マンハッタン信託銀行に強盗が押し入り、従業員と客を手際よく人質にして立てこもりますが、恐ろしく頭の切れる主犯格の男 (クライヴ・オーウェン) の目的はどうやら現金ではなく、はっきりとしません。
ニューヨーク市警 (デンゼル・ワシントン・Jr.) が現場を指揮する中、犯人の目的に思い至った信託銀行の創業者 (クリストファー・プラマー) は、敏腕弁護士(ジョディ・フォスター) に白羽の矢を立て、交渉人として犯人のもとに向かわせます。
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この映画、すごーくおもしろかったです。スパイク・リー監督といえば人種差別をテーマにした社会派作品という印象が強いですが、こういう娯楽作品も作るんだ、というのがまずは新鮮でした。でも主人公がデンゼルというのが、リー監督らしいでしょうか。
このデンゼルが、優秀ながら下ネタ全開の警察官というのがおもしろい。黒人が映画の中で下ネタを連発すると、黒人の人たちから印象操作と批判されることがありますが、監督がスパイク・リーでは誰も文句が言えないですね。^^
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犯人がものすごく頭が切れる、というのも面白ポイントでした。人質全員に犯人グループと全く同じ服装をさせるのは、よく考えたなーと感心しました。しかも全員下着になって着替えさせることで、羞恥心を植え付け、心理的に支配します。
また、解放された際に、誰が犯人で誰が人質なのか全く区別がつかず、警察は犯人を誰一人捕まえることができなかったのです。そのうち、実際に真似する強盗犯が出てくるのでは、と心配になりました。
盗聴されることを見越して、犯人が考えたフェイク作戦もおもしろかったです。それどころか、犯人側が警察側に盗聴器を仕掛けて、警察側の作戦が犯人側に筒抜けだったなんてね。
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「モーリタニアン 黒塗りの記録」(The Mauritanian) と同じく、本作のジョディ・フォスターもすごくかっこよかった!
クリストファー・プラマーは、以前別の映画でも同じ過去を抱えていた設定だったので、真相はそれほど驚くべきものではなかったですが、登場人物たちの魅力と演じる俳優たちの魅力、スピード感のあるスリリングな展開に引き込まれました。