@「多勢に無勢」、山本五十六司令長官始め多くの「特攻隊員」でも敗戦色が見えていたにもかかわらず決死の戦闘せざるを得なかった理由はどこにあったのか。 組織の「多勢に無勢」(政治の暴走)の押され切られるのは現在の政治でも同じだ。 この書で愕然としたことは、終戦間近にその暴走から多くの「人間爆弾・魚雷」なるものが製造され二十歳前後の多くの若者が戦死したことである。 政治家(軍隊)の権力とは意地を通す為人をも「モノ」扱いしてしまうことである。現場を知らない無責任政治家だけで判断する時代は終焉しかない(最近国内で数億枚のマスクを製造したとある発言、今マスクはどこに。机上あるいは噂の話で世間を喜ばせる発言に疑問を持つ)。
最近の安倍首相・政治家の無責任・他人事(実践から乖離)の単語を集めてみた:
完全に、素早く、率直に、万全な、積極的に、敏速に、完全な体制で
あらゆる手を使い、即座に、徹底的に、確実に、速かに、緊急に、万全を尽くし
確信している、力を尽くす、先頭に立って〜を検討をする、しっかり調査する、
~の場合に対して、 ~の場合には、 ~に対しては積極的に取り組み
『指揮官たちの特攻』城山三郎
神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。
- 太平洋戦闘において日本の大敗の原因は米国の暗号解読、さらに圧倒的な最新武器の開発とその製造力。 1927年に作られたハワイオワフ島にある東洋向け250kw海外放送タワー(戦争当時は軍事目的の通信設備)がその日本軍側の通信受信を傍受基地となった
- 海戦3ヶ月前、首相近衛文麿から海戦の見通しを聞かれ、山本五十六曰く「やれと言われれば、1年や1年半は存分に暴れてご覧に入れます。しかし、その先のことは、全く保証できません」と「負ける」は禁句であったが敗戦の可能性が高いことを予測していた。
- 真珠湾攻撃に第1弾を投下した高橋各赫一35才少佐「俺たちは、ただ黙って戦い、黙って死ねぼ良い。後のことは国家国民が知っている」
- 日本陸海軍の上層部はたとえ負けるにしても「1億玉砕」を掲げていた
- 「人間爆弾」の武器(人間爆弾・人間魚雷)
- 「桜花」乗員1名 250k爆弾1発
- 「銀河」乗員3名 500k爆弾2発
- 「橘花」大型爆弾搭載ジェット攻撃機
- 「梅花」木製で松根油利用
- 「彗星」1400万馬力 時速580km
- 「回天」1人乗り
- 「海龍」600k爆弾 2人乗り
- 「伏龍」
- 「白菊」作業訓練機も利用
- 水上観測機(時速250k)・水上偵察機(時速340k)など1400機も導入
- 「人間爆弾」に選ばれない人材は親一人・子一人者・長男・妻子ある者であったが例外もあった。それは本文にある関と中津留も含まれていた。ではなぜ選ばれたのか。本文中ではその謎は解明できないが軍隊という場所がら先輩に睨まれたら「NO」とは言えない環境であったこと。二人ともともに優秀な士官であり教官、妻子ある夫でもあった。(運としか言えない)
- 上官から特攻突撃隊に「行くのか、行かぬのか」と声を張り上げられれば辞退できず「行かせて下さい」となるのは軍隊だった。出撃前(昭和19年10月20日朝)の上官の訓示は「皆はすでに神である。自分の体当たりが無駄ではなかったかどうか、それを知りたいことであろう。自分はこれをを見届けて、必ず上聞に達するようにするから安心して行ってくれ」。それに対して戦闘員たちは「僕は天皇陛下とか、日本帝国の為とかで行くんじゃない。最愛の家内のために行くんだ。命令とあればやむを得ない。僕は彼女を守るために死ぬんだ。最愛の者のために死ぬ。どうだすばらしいだろう!」
- 特攻戦闘員「心に残っているものは、妻の顔、婚約者の顔、親兄弟の顔・・・俺は死ぬ、死ぬんだよ。お母さん、こんなに元気なのに。ごめんね、お母さん。俺の分まで達者でね、お母さん」「この世にこんな事があっていいのか、特攻を考えたやつは、修羅だ。特攻を命じたやつも修羅だ。よおし、それなら俺たちが本当の修羅になってやる。みてろよ、本当の修羅とは、どんなものか!」
- 昭和20年2月11日、宇佐航空隊司令直井敏夫「いまや、戦争に勝つということは考えられなくなった。軍人として名誉ある対処を静かに考えるべき時期がきた」
- 大西瀧治郎、宇垣纏の2名の航空艦隊司令官は玉音放送の15日以降、中津留等を同行させ脱米軍基地沖縄へ飛行、部下を巻き添い死滅させる
- 海軍兵学校飛行科卒業
- 関行男 昭和19年10月25日、神風特攻隊第一号の名誉を担い戦死、海軍大尉23歳
- 中津留辰雄 昭和20年8月15日夜 宇垣長官とともに米軍基地を避け突入(自滅させた、特攻隊隊長・大尉)
- 広田弘毅元首相が漏らす「長州が作った憲法が日本を滅ぼした」(陸海軍は天皇が親率する「統帥権の独立」を振りかざして、政治を踏みにじり暴走を重ねた)
- 文の神様「天満宮」、武の神様「八幡宮」
- 人間爆弾の武器一覧サイト https://origamijapan.net/origami/2018/07/09/suicide-weapon/
文中に出てきた「人間爆弾」武器(画像は全てネットからの転作)