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「自分だけ」を振りかざす世の中『絆』

2020-03-20 08:03:23 | 人生を「生かす」には
@「狂気の沙汰」とは末恐ろしい行動をとることだ。この小説にある「誰でも殺して鬱憤を晴らしたかった」と狂気の辻斬りになった狂気男。狂気者に殺害された家族等の恨みは決して消えることがなく、この小説では家族は夫を亡くしたことから立ち直れず自害するという結末である。 無残な結果を招いたのは、たった一人の狂気者が闇雲に殺害する「相模原障害施設19人殺害事件」を思い出す。 長期的に「孤独」になることで世間で楽しんでいる人々が羨ましく見え、自分が貧弱に見え「自分だけ」がという葛藤を覚えるのかもしれない。 そんな環境をつくらいせない為にも上司・社員・同僚の対話・交流の場が絶対視されるべきだろう。
『絆』鳥羽亮
「内容」土壇場に引き出された罪人を一刀のもとに斬首する処刑人・山田浅右衛門。その剣術の奥義は、密かに今生への未練を聞き、それを叶えてやる慈愛にあった。はたして、罪人が浅右衛門に託した思いとは何だったのか。処刑人として生きる者の苦悩と、斬られる者の哀切極まりない半生を通して、「人生の意味」を描ききる、感動の連作時代小説。
  • 山田家は代々山田浅右衛門と名乗る「徳川家御試御用役」(刀槍の利鈍を試す術を持った剣術役で後に死罪人の首を撃つ斬首が本業となる)7世で時代は安政の大獄。安政6年10月27日、吉田松陰等が斬首されたのはこの小伝馬町の牢獄屋敷内である。松蔭の辞世の歌「身はたとひ 武蔵野のべに杇ちぬとも 留め置かまし大和魂」 その前10月7日には橋本左内、頼三樹三郎等も斬首されている。
  • 「志士」ある元長州藩の革新派的2名浪人が攘夷派の一味として捕らえられ斬首される。死罪が決まった時「我ら何も罪を犯してはおりませぬ。全て掃部頭様(井伊直弼)の配下の者の陰謀でございます」と言った。 斬首の時、罪人に対して浅右衛門は「されば、国のために清い死を。其方の死に様を、諸国の憂国の士が見つめおりましょう」に対して「武士らくし、気よく死んだとお伝えくだされ」と遺した。
  • 「狂気」道場主として親の代からの道場を引き継いだ怠慢な長子侍が道場を潰し世の不満から狂気じみた辻斬りを繰り返す行動に出るようになる。六人もの侍を容赦なく切り殺し、動かない死体にも惨殺な切りを入れる狂気者となった。ある時浅右衛門の門弟が辻斬りにあい無残な死に方をした。その家族は生まれたばかりの赤ちゃんに妻の貧しい暮らしの中にいた。その後妻と赤ちゃんは辻斬りされた夫の死から立ち直れずとうとう自害する。