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戦争から得た財閥『明治の怪物経営者たち』

2024-12-06 07:43:50 | 歴史から学ぶ
明治から昭和にかけて創業(三井・三菱・住友財閥)した人々の人生苦、喜びが記載された本書、で気になったのが、圧倒的な競争心と行動力、判断力など現代の経営者にはみられないリーダーシップがあったことに驚愕する。誰もが戦争の背後(軍需品調達・武器、兵量、食料)で政府の資金で金儲けしたことで財閥を成し得たことだ。元を糺せば国民の税金からの搾取で成り立った族罰と言っても過言ではない。
『明治の怪物経営者たち 』小堺昭三
今こそ時代を元気にする怪物的リーダーが欲しい! 渋沢栄一を明治財界の指導者に押し上げた「変身」とは何か。下級士族だった岩崎弥太郎が、なぜ大三菱を創始できたのか。三井を近代財閥へと改革した中上川彦次郎は「明治の新人類」か。社員十六人で創業した三井物産を益田孝はどのように育てたのか。近代日本を築いた経営者たちのもつ「毒気」を読み解く!
ー渋沢栄一 財界の演出家
    埼玉豪農の生まれ、一橋家に仕え 慶喜の幕臣 
    第一国立銀行を設立 王子製紙 東京瓦 5百社を設立参加 引退後には社会教育事業
    身軽に変身(世渡り上手)幕臣・薩長政府の局長・銀行の総監役><小栗忠順
    「才気・侠気・剛気・毒気」溢れた 日本近代資本主義の指導者「財界の演出家」
    「益者三友・損者三友」三野村利左衛門・大隈・井上・福澤・岩崎 三井組vs三菱組
    「一人の知恵より衆人の知恵。一人の財力より衆人の財力を合併し大商をなすべし」
    「僑木は風に弱し」如何に巨木でも一本だけ山頂にいては強風をモロに受け倒される    
ー岩崎弥太郎 政府を手玉に取った海運王(海坊主)
    土佐生まれ 土佐藩勘定役 土佐商会で貿易 三菱商会設立海運業 軍事輸送で大儲け
    「武士として立身出世を願うより、材木、貿易で開国論の実行したい」
    後藤象二郎のお供でグラバーとの付き合い長崎造船所、高島炭鉱を近代化
    藩札を発行、樟脳販売権で得た30万両、政府の藩札交換、九十九商会で海運業開始
    西郷の「征韓論」で2分した政府 台湾出兵で軍艦貨物での補給を支援 
    軍需品輸送のための軍艦など13隻など無償提供、運航資金と共に政府から提供
    「戦争とはドカンと儲けるためにある」として西南戦争でも大儲けした
    「岩崎弥太郎さえいなかったら西郷軍が大勝、日本の近代史は変わっていた」
    三野村利左衛門「平素よく断の一時を守れ、時期を見失うな、仕事を棄てて礼をするな」(決断・時期・仕事に関係ない手合いとは付き合うな)
ー中上川彦次郎 三菱王国・三井銀行の近代経営
    井上肇による推薦で入行(近代化への実行力を期待
    彦次郎「私はいつでも、どこでも本音で勝負するつもりです」をモットウに行動
    人材をスカウト、給与の典型を作り、組織も番頭以下を課長、係長、主任、平社員とする
    芝浦製作所を吸収し東京芝浦電気、王子製紙を乗っ取る
    三井内部にいた益田孝が強敵として出てくる
ー広瀬宰平・伊庭貞剛 近江国出身 住友家 住友財閥
    宰平:別子銅山支配人・鉱山業・両外業で大阪で活躍
    貞剛:校長から国会議員、その後宰平の事業を継ぐ
ー益田孝 佐渡出身 三井物産の育てたおこと
    社員16名の三井物産(資金も人材もゼロからスタート・三野村利左衛門の支援なし)
    西南戦争での商売で盛り返し、諸外国との交易、三池炭鉱で完全自立