@井原西鶴が見定めた「偽装」商売は現代でも品、形を変え頻繁に起こっている。その根底は人間の欲が貪欲に変わる時に起こる。不思議なのは「目利き」による評価などモノによって大きく価値変化する事である。「知らぬは仏」でも知って大儲けする商人が江戸時代からも多くいた、西鶴の鋭い感覚「永代蔵」は大いに称賛する。
『偽装の商法』堀切実
「概要」後を絶たない偽装事件。江戸に暮らした人々も、同じような目に遭っていた。西鶴の鋭い観察眼を通して、偽物を見抜く力を養う一冊。
ー井原西鶴の「日本永代蔵」にある人間観察・人批判の短編を現代に照らし合わせ紹介する
江戸時代でも多くあった「偽装」事件等を紹介(騙しの術・模様)
ー偽装商法
・「お茶を飲むと十の徳がある」と欲を出しお茶の煮殻を茶に混ぜて暴利
消費者の欲望を満たそうとする手段・市場原理主義をうまく利用(偽装した商品販売)
・偽薬で資金稼ぎ(妙薬の主成分を変える不道徳)
反道徳的な行為とが背中合わせ(狼の主成分を犬に変えて製造)
・ブランド偽装商法
著名な川魚の原材料を変えて売る(主成分が違う製品をブランド名をつけて販売)
ーファンド(利益追求第一の詐欺的商法)
・お宝を見つけ見聞きのある商売人に販売(屏風にある菅原定家の色紙を手に入れる)
・価値あるご開帳を手に入れて目利きに暴利で販売(長谷観音寺での時代モノ発見)
・伊勢神宮にお参りに来る客に神楽料、土産品、籠サービスなどを暴利
・高利で儲ける借金ファンド
欲望資本主義から利の追求、富の獲得に動く。「目利き」をうまく利用
ーアイデア商法
・越後屋三井九右衛門の「現金・切り売り・掛け値なし」で商売
・捕鯨捕獲技術で儲けた天狗源内(熊野国で槍から網の手法で鯨を捕獲)
・紅染め技術で染物屋で儲ける
・金平糖を製造法を編み出し一台を築いた商人(長崎町人)
・包装で味噌小売りで大儲け(蓮の葉で包みは小売)
ー保険金殺人事件
・親の遺産を目当てに悪徳金融ブローカー(放漫息子に貸付)
・遺言に偽り金額を大増ししたことで兄弟相続に殺傷事件
相続権利が平等になったのは戦争後、それまでは家長(長男)を優先していた歴史
常識から非常識、真実の善から悪へ
ー金の魅力
商売人同士、兄弟同士など競争意識からの金銭問題(金銭への欲)が発生するが、苦しい経済社会における金銭の魔力、あるいは人間の欲望の金銭への集中化が見える
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます