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「ふやけ切った」組織に奮闘

2024-02-20 07:44:00 | 歴史から学ぶ
世の苦しみを知らず貪り食う幕府、宮内を転覆させようと二人の元武士が首魁となり掻き乱す一揆を起こす、一方はその阻止する軍団となる。先陣を司る無頼の人材を先見し、育て数万人の百姓らの不満と苦言を一揆にぶつけ戦う。結局、武力に勝る侍軍団には刃が立たないがその動機付けと行動には感服する。今の日本の国民には酷い税金を取り立て自分たちには裏金等を仕組み、金と権力を持つ腐った政治家を見るのは正に室町幕府末期の武士と宮中人に映るのは「いざという時に尻込みし、性根がふやけ切っている」に似ている。
『室町無頼』垣根涼介
「概要」腐りきった世を変えてやる。前代未聞のたくらみを一本の六尺棒で。超絶クールな大傑作エンタテインメント。応仁の乱前夜、富める者の勝手し放題でかつてなく飢える者に溢れ返った京の都。ならず者の頭目ながら骨皮道賢は権力側に食い込んで市中警護役を任され、浮浪の徒・蓮田兵衛は、ひとり生き残った用心棒を兵法者に仕立てようとし、近江の古老に預けた。兵衛は飢民を糾合し、日本史に悪名を刻む企てを画策していた……。史実に基づく歴史巨篇。
世に苦しむ百姓たちを喚起させようと一揆を首魁しようと企てる。5年後の応仁の乱に繋がる室町幕府の末期である。
腐り切った室町幕府、それは自分と身内を食わせるためにしか存在していない。また、税を搾り取られるものことなどお構いなし、と言う状況になった。
ー三代将軍の足利義満以来、日明貿易で銭貨を大量に輸入し、続けたことで富裕層は明銭を蓄え始めた。だが、大量の流民が常に飢え死にしていた。一方、支柱には過度の飽食で大太りも増えた。元武士の主家でも家を亡くし浪人となリ果てていた。市中の治安は乱れ悪党どもが盗賊などを繰り返す羽目となっていた。
ー元武士の兵衞と大人になりきれていない才蔵(厳しい修行の末、誰にも負けずの6尺棒の勝負師となった「吹き流し才蔵」は世の中を混乱させ、今の幕府を交代させるべく立ちあがろうとしていた。
「皆、何かを売って生きている。物や芸事、自らの労を売って生きている。じゃが、遊女は体だけを売っているのではない、体と一緒に、大事な何もかも売り渡している」
「自らが選んだ人生。。。言い訳が利かない」
「多くの人の不幸の一つは、今はわからぬ事にまで、ろくに考えもせずすぐに白黒をつけたがる事にある」
「謙虚であれ、未熟な自分を受け入れ、人を盲従する事なく、信じよ」
「使わぬ金など、鉄と同じじゃ」
「人はのう、何を言われたかではなく、どのように人が語ったかによって動く。信をおいていない者の言う事には、誰も耳を傾けず」(信用を得るには)
「一見いくら銭貸の世界で幅を利かしているように見えても、所詮はこの世の既存の仕組みの中で息をついている人間に過ぎない」
この時ほど、生まれ落ちた時から安逸な生活に慣れ切っている侍どもの、いざという時のおめでたさ加減を思いしらされた事はない。その性根がふやけ切っている」



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