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犯罪アリバイの「完璧」は無い、ミスは何処かに『パンチとジュディ』

2021-09-10 07:42:42 | ミステリー小説から見えるもの
「金」にまつわるミステリー事件では、往々にして捜査する側の内部組織が疑われるがその一つだ。いくつかの証拠に、アリバイ等を用意するのはお手の物、だがやはりミスはどこかで発見され疑問を持たれ、解決に向かう。この小説のミスは偽金で挟んだ本物紙幣束を見抜いたこと、複雑化させる人物・証拠・アリバイなど人柄からの陽動心理作戦だ。
『パンチとジュディ』カーター・ディクソン
「概要」結婚式前日、かつての職場、英国情報部の上司であるH・M卿に呼び出されたケンは、元ドイツ・スパイの老人の屋敷に潜入を命じられた。その老人が国際指名手配中の怪人物Lの正体を明かすと情報部に接触してきたので、真贋を確かめろというのだ。だが、屋敷でケンが目にしたのは老人の死体。事態の急変にめげず、ケンは任務を遂行し、式を挙げることができるのか。奇想天外な大犯罪を暴くH・M卿の名推理。
ーケンの屋敷侵入は何やらゲームをしているかのような展開で、ケンに対する嫌がらせ行為の感のする指令で、その後の変装も、逃亡するも既に筋書き等りに生かされているかのように感じた。ところが実際2つの殺害現場を目撃した容疑者になる。スパイとしての極秘情報を誰にどのように伝えればいいのか、指令したH・M卿及び警察部長・大佐に疑いを持つ。
ミステリーは昔の偽札殺害事件と国家間の情報漏洩事件、さらに殺害された情報提供者らの関係が入り混じった複雑な展開になる。
ー「パンチとジュディ」は英国の人形劇でパンチとジュディの喧嘩で最後に警官も殴りつけてしまい、最後に残るのは道化師だという



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