日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
最近の邦画はだいたいB級とか低予算を除いて二時間近く尺があるのが普通なんですが
この作品ではなんと82分の尺で、個人的にはちょうど良い尺と言えるものの
個人的にはマキタスポーツさん以外、私の知らない男女優さんばっかだし
ヒロインの円井わんさんはお初の女優さんだと見終わって調べたら脇役ですが2本ほど作品を見ているらしいが全く記憶にないほど
ってことと舞台がほとんど小さな下請け広告事務所のオフィスだけで推移してることからもこの作品B級作品に当たるのかな
そしてある意味私の苦手とするタイムループ作品ということで
この広告会社の事務員というか社員たちが週明けの月曜日の朝からその週が終わるまでの一週間のタイムループの繰り返しを淡々と描いていくだけの作品
っていうけどサラリーマンでもね社会に出てる人ならお仕事してる人だと
毎日毎日通勤ラッシュにもまれて目先の変わらない仕事を続けているっていうことは
自分でも気付かないままタイムループしてるかもしれ無いよって言ういう比喩というか皮肉な作品でもあったんでしょうね
ヒロインの朱海は、大手広告代理店からのスカウト転職を前に、残された最後の仕事を手土産にセルフスキルアップを図る為にプライベートも捨て、がむしゃらに家に帰らずに仕事を続けていました。
出世を望んでいるいわゆる仕事にも油が乗ってきた時期のサラリーマンではこんな働き方をしている朱海は観客を代表するようなキャラクターなのではないでしょうか。
いわゆる極々普通のサラリーマンの代表でもあるんですね
そんな朱海は、後輩から鳩の合図を教わるまで、自身に一週間のタイムループが起こっていることに気付くことができませんでした。
タイムループに気付いた後も、仕事の失敗をやり直しクオリティをあげようと姑息な手を打って自分のウリ値を高めようとしていたりしてるんですね
まさに働き蜂日本人の典型でありますし
朱海たちがタイムループしてることをそれぞれ知っていくのはいわゆる会社組織のありようで年功序列とヒエラルキーの順にタイムループを知らせていくっていうのも
いわゆる日本の会社組織の階級精度から抜け切れて無いのも面白いプロットでしたねぇ
したがって部長にタイムループを信じてもらうにはこの上申制度で直属の部下から部長を説得してもらうというやり方でした
ここいらがこの映画の見せ場なんでしょうね
このやり方が実に会社らしく、組織の中での力関係が見えてサラリーマン社会の現実がなんとなく・・・
しかし、そこはドラマですから物分かりの良いマキタスポーツ演じる部長さん
腕輪を壊してくれたりしてみんな一致協力してタイムループからの脱出を図っていく様が面白い
っていうか部長さんの過去の果たせなかった夢の怨霊がこのタイムループの原因だってわかった途端に
部長さんの夢を叶えるために部下全員が一致して協力していく様がカタルシスを呼ぶ作品です
2022年製作、日本映画、CHOCOLATE Inc.作品
竹林亮共同脚本・監督作品
出演:円井わん、マキタスポーツ、長村航希、三河悠冴、八木光太郎、髙野春樹、島田桃依、池田良、しゅはまはるみ