MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

バトル・オブ・サブマリン

2023-05-13 20:08:25 | 洋画
一応ヒューマントラストシネマ渋谷の恒例企画興行<未体験ゾーンの映画たち2023>の上映作品の一本だし
ジャケットには
 
“1940年5月、一隻の潜水艦とドイツ艦隊――
男たちの壮烈な海戦が始まる”

っていうある意味煽情的な惹句につられてセットレンタルに組み込んできたものの
円盤をプレイヤーにかけて見始めたら
 
なんと邦題での“バトル”っていうのはどうやら極限の密室空閑に閉じ込められるというか、閉じこまらずを得なくなる、ポーランドの潜水艦オジェウ号の乗組員65名のそれぞれの自分との戦いが“バトル”だったって言う映画だった。
派手に潜水艦がドイツ艦隊を数隻撃沈する戦闘映画だと思ってたら違ってた。
ドイツ戦艦に水雷弾を撃ち込まれたり、機雷原を進んでいくっていうような緊張感なシーンもあるにはあるんですが
 
っても描写はほとんど潜水艦の艦内の描写に終始していて
所々に幻想的な鑑内の映像が挟まれてくるんですが、それって必要だったのかなぁ
ある意味艦内で交わされる乗組員同士の会話劇と
鑑内の空気の問題で浮上するか否かの緊張と、エンジンが火を吹き火炎に包まれる兵とか煙が充満する艦内の極限状況を描いてるだけで
本当に戦闘シーンは全くない
 
そうなんですね空気入れ替えで浮上できるのは夜間だけって言うのも第二次大戦での潜水艦のある意味弱点なんですねぇ
そういう潜水艦の乗組員たちの究極の極限状況を徹底的に描いて最後に命令のドイツ戦艦を撃沈させるのかって思っていたら
こんなクライマックスでいいのだろうか
空気入れ替えに浮上した潜水艦オジェウになんと味方の戦闘機が爆弾投下させて・・・
オジェウは消息を絶ってしまうって言う
事実に基づいて作られた映画だったようで
最後の戦闘機は劇中の台詞で味方の戦闘機だって言ういう台詞に被って被弾しちゃうだけですし
多分撃沈されたんでしょうが生存者もいないからここいらは創造(想像)でしかないわけですが
実際に見ててかなり見てるこっちも息苦しさが伝わってくるような作品でした
っていうか戦闘シーンが皆無ですから邦題詐欺の作品でしたねぇ
 
2022年製作、ポーランド映画
ヤツェク・ブワヴト脚本・監督作品
出演:トマシュ・ジェンテク、コンラッド・シマヌスキ、ライアン・ラルフ・ジェラルド、ラファウ・ザヴィエルチャ、フィリップ・プワヴャク
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あちらにいる鬼

2023-05-13 05:05:21 | 邦画
日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
まぁ廣木隆一が監督していて荒井晴彦の脚本で寺島しのぶが主演って言ったら、「ヴァイブレーター」、「やわらかい生活」と言った黄金トリオの傑作映画
そのどちらも見ておりブログに感想を認めた記憶はあるが
何せデラシネのブロガーですから今やプロバイダー自体がサービス停止してたりでどこかに消えてしまってるし
「やわらかい生活」においては今作同様に豊川悦司まで加わってのゴールデンカルテット
 
そんな4人がタッグを組んで瀬戸内寂聴(当時は瀬戸内晴美)と井上光晴の不倫恋愛の様相を井上光晴の奥さん側っていうか
光晴と春美の愛欲関係当時は年端もいかない小学生だった光晴の実子井上荒野が実父と瀬戸内晴美とそして母親と言う三者三様の人生を小説にした『あちらにいる鬼』の完全映画化作品
っていうことで日本映画のレイティングもR -15指定ですもんね
 
実際に寺島しのぶさんなら剃髪のシーンはきっちりリアルに撮らしただろうなって思ったらやっぱその通りですし
上記の作品でも脱がれておられたもののまだまだ廣木隆一監督自体もエロチックさを寺島しのぶの裸に込めて作られた時代でもあったように思うし
40過ぎた洗濯板の寺島さんの裸っていうよりは
瀬戸内晴美になりきって女の性(さが)に殉ずる女の業(ごう)的なエロチシズムを着衣であれほどまで蒸せ返るように見せてくる寺島しのぶさんの演技っていうか艶っぽさに感心させられた作品だったかな
 
まぁ井上光晴さん自体はその実態を知りはしませんが、あの風貌でよくまぁ
この作品で描かれるように瀬戸内寂聴さんだけでなく
どこかしこで女を口説きまくってよくまぁどれもこれも手当たりしだいに口説き落とせたもんだと感心させらる人物ですよね
文学者も芸人も女が肥やしって言うのは定説ですがそれを地でいって実践してきた文学者って永井荷風とか檀一雄とか私の知ってる作家さんもいるけども
 
この作品もそうなんでしょう、やっぱそんな男を支えて生きる妻の存在ってすごいなぁって思わされる
ちゃんと家庭を守り子を育てて悋気の焔に焼かれずに耐えるって言うよりは諦觀と言ったほうがいいんだと思うけど
きちんと瀬戸内晴美とも交流できるって・・・
 
まぁそんな支えがあってこそ井上光晴もハメが外せるわけでして
これまたそんな父親を題材に小説にしてしまう娘もまた・・・
って言う気もしないでもないが
そんな井上光晴に負けないほどの瀬戸内春美の女の性もまた奔放でしかないわけですが
瀬戸内晴美の唯一の救いは出家したことであって
この春美から寂聴に変わったと言うことが唯一の彼女の女との訣別だったのかなぁ
 
井上光晴の奥さん役に広末涼子さん
この三人の演技が真剣勝負のようにスクリーンの中で火花が散ってるのが見える作品だった
二時間二十分の長尺作品だったがさほど長く感じなかった
 
ついこの5月10日にDVD&Blu-rayがリリースされたばっかりなんですが
なんと5月14日には日本映画専門チャンネルでOAが予定されている
一応録画しておこうかな
 
2022年製作、日本映画、「あちらにいる鬼」製作委員会作品
井上荒野原作、荒井晴彦脚本、廣木隆一監督作品
出演:寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子、高良健吾、村上淳、蓮佛美沙子、佐野岳、宇野祥平、丘みつ子
 
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