最初って言っても映画会社のロゴが出てくる前、配給元が敢えて付け足した映像にはこんな注意書きが
っても一部だけ抜粋
ルーマニア語には白、ハンガリー語には黄色、その他の言語(ドイツ語他他国言語)にはピンク
と字幕スーパーが色分けされてるとのこと
まぁ物語があのヴァンパイアで有名なルーマニアのトランシルバニア地方の小さな寒村が舞台になっているので
彼ら村民が話す言葉は地理的な土地柄のせいでルーマニア語とハンガリー語のある意味チャンポンな地域なんですね
そんな小さな寒村からドイツの生肉工場に出稼ぎに行っていたマティアス。工場で問題を起こしヒッチハイクで村に帰ってきたものの、出稼ぎが長かったせいで妻との関係は冷えきっており、息子が通学時森で見た事件をきっかけに口がきけなくなったことや病気で衰弱した父との関係も上手くいかない中、元恋人シーラに心の安らぎを求めるマティアスだったが、シーラが責任者を務める地元のパン工場がEUの補助金目当てでアジアからの外国人移民労働者を雇ったことをきっかけに、よそ者を異端視する村人との間に不穏な空気が流れはじめる・・・
いや映画は二時間7分なんだけど三時間位の長さに感じてしまった
しかし色別の字幕はいいアイデァでしたよ、見やすいしわかりやすい
他の映画も見習うといいかも
って言うのももともとこの村自体が地形的にルーマニアとはハンガリーの両国民が混血してるコミュニティですからね
それで平和を保ってきていたものがヨーロッパの寒村に外国人移民労働者を入れたものだから
まずは国民性の違い、宗教の違い、原語の違いでコミュニケーションが取れない
そうなんです映画は実はヨーロッパ全体が今抱えてる移民問題と経済の問題の縮図として描いていたようで
村民はアジア人の排斥にかかるわけで、村自体が排他的になっていく
そう格差の問題と移民によって村の経済的な問題とかが浮き彫りにされていくわけで
それが邦題の「ヨーロッパ新世紀」と言う寓意に隠されていたりしてたんですね
ルーマニア語はわかりませんが原題の「MRN」とは”MRI“のことで
どうやらマティアスの父親が受けたあの医療器具のMRIのことで
父親の脳にできた腫瘍のことで
いわゆる村にまぁ現実の世界観でいうところのヨーロッパが受け入れてきた移民難民が主人公の父の頭に中の腫瘍のようにこの寒村(ヨーロッパ)を蝕んでいくって言う寓意に他ならないわけで
映画もそんなこんなでクライマックスのワンカットになだれ込んでいくわけなんですね
すごいむづかしい映画を見てしまったけど色分け字幕はナイスアイディアでした。
2022年製作、ルーマニア・フランス・ベルギー合作映画
クリスティアン・ムンジウ製作・脚本・監督作品
出演:マリン・グリゴーレ、ユディット・スターテ、マクリーナ・バルラデアヌ、オルソレヤ・モルドバン
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