山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

癒しの森

2014-07-07 01:20:04 | フライフィッシング
山の外気に触れるのはひと月ぶりのことだろうか?
週末は雨に祟られ続けたのをいいことに仕事三昧を決め込んでいた。
衰えてままならない足で徘徊するのにはうってつけの小渓が幾筋もこの森を潤している。





しばらく釣りあがると芝生を敷き詰めたような穏やかな緑の平が現われる。
ちょっと腰をおろして、今度はここに幕営して独りの夜を明かそうかと思いに耽りつつ紫煙をくゆらす。





雨の後だからだろうか、手のひらサイズの岩魚がポイントごとに飛び出してきて楽しい。





鮮やかな柿色のおなかは居着きの岩魚であろうか。
どの子も僕の手のひらですやすやと安らかな寝息を立てる姿が何とも微笑ましい。

 



この小さな沢は上流に進むにつれて岩魚のサイズが大きくなる。





23センチ、この小渓にあっては尺上の喜びがある。





この小さな淵尻にはゆらゆらと憩う岩魚がいるのだけれど不用意な僕はいつも気づかれて釣れたためしがない。





もう最源流に近いこの辺りまで遡ってきてしまった。





最後の一尾はちょうど8寸、この細流にしては尺二寸の価値があると勝手に思うことにして悦に入る。







午前10時半、少し早いけれどビ-ルにしよう。





ビ-ルのアテはヨモギの天ぷらだけ、侘しすぎる。

 



ネットで得たソ-メンの茹で方をご披露しましょうか。
沸騰したお湯に麺を入れて5回程ゆっくりかき回し再度沸騰したら火を止めて1分45秒放置、
すると完璧なアルデンテが出来上がる、どうぞお試しあれ(お好みの茹で加減は放置時間を調節して下さい)





夏の渓食はやっぱりこれに限ります!





ほろ酔い加減のまま横になって本を読む『百年前の山を旅する』
まだ山地図もない時代、なんの情報も山装備もなく徒手空拳で山に入った先人たちの足跡を服部文祥が辿る。

ちょうど百年前、若き小暮理太郎と田部井重治は高尾駅から景信山~三頭山~雲取山へと日本初の縦走を成し遂げる。
小さな肩掛けカバンに鍋と米と佃煮だけを入れ、足元は脚絆にわらじ、着ゴザを敷いて野宿しながらの2泊の山旅が自由でいい。
猫も杓子も山ナビを携えて歩く現代の登山者は文明や道具の進化に反比例して感性も能力も退化が進んでいるような気がしてくる。
まあ山ナビと人間をセットで考えればそれでいいのだろうが、戦国自衛隊もヘリの燃料が切れた途端に武士の刀になすすべもなくなるのと一緒か。




このほか黒部奥山廻りなど興味深い山の話が収められている。
日本の登山の黎明期、先人たちは我らより遥かに逞しく自由に山を楽しんでいたように思えてくる。


久しぶりに山と渓と岩魚に触れることができて生き返ったような気がする。
いよいよこれから本格的に山と渓が楽しい季節がやってくる、皆さん楽しみましょうね!

コメント (26)
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