柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

遺言書キット

2010年07月31日 | 遺言書を作る時
「遺言書キット」なるものがあるんですって!

私、知りませんでした。
ちょっと調べてみたら、文房具のコクヨが出していました。

遺言書を書きましょう!て。

高齢者向け、というより今の自分に残せる遺言書を書きませんか。
と、勧めてます。
確かに、遺言書は何度書き直してもいいんです。
15歳になったら遺言書が書けるんです。

結婚したてのあなた!
幼い子がいて、もし突然死んでしまったら?
幼い子供も相続人ですが未成年の場合は、特別代理人がいるんですって。
相続を受けるためには、特別代理人のお世話にならないとダメ。
でも遺言書があれば、その必要はない!

というような虎の巻が付いています。

はじめは、夫婦で遊び感覚でやってみるのも面白いかも。

遺言書がなんて、関係ないね!とは言ってられない時代になってきました。

ただし、自筆証書遺言書なので
自分で保管をし、もし亡くなったら、裁判所に提出して開封しないと
中を見れません。

ちょっと面倒ですが、手始めに自分を整理するつもりで
試しに書いてみるのもいいですね。
仲がいい兄弟でも、遺産ではもめる家庭が多いのです。
いえ、まずもめます(どこかで不満が出やすいです)
だから、書いておいたほうがいいのは間違いないです。

遺言書があれば、不思議ともめる率は減るんですよ。

この「遺言書キット」は正式な遺言書になりますよ。

ちなみに遺言書の用紙が4枚入っていて書き直しもでき
2300円だそうです。

遺言書は仲良しの秘訣

2008年09月12日 | 遺言書を作る時
子供のいない友人がご主人に遺言を書いてもらった・・・
という話、覚えてますか?

自筆でラブレターのようなステキな遺言を便箋に書いて
封筒に入れ仏壇の中にしまっていました。

ご主人の死後、全財産を妻に贈るという内容です。

子供がいない場合は、ご主人の親や兄弟にも相続の権利がある。
妻の老後の資金は減ってしまいます。
場合によっては、家や土地を売って、兄弟に相続しなくてはならないことも
ありえます。

そこで、威力を発揮するのが遺言書ですが
自分で書いたものは、正確さに欠け遺言と見なされない場合があります。

友人はそれを知って、すぐに公正証書の遺言書を作る手続きをとりました。
そして、今日遺言書は出来上がりました。

ご主人が外出が出来ない体なので
公証役場の方が自宅まで来てくれて
出来上がった遺言書の内容確認をしました。

どこから突っつかれても、問題ない状態で遺言書は書かれていました。
これなら、トラブルは起きないと思います。

この遺言書作成に必要な手続きをしたのは、司法書士の先生です。
わたしの信頼できる仕事のパートナーです。

彼女の打合せは
若いけど、とても優しくて、頼りがいがあるんです。

手前味噌かもしれないけど
どうして私の周りにいる人は、こうも良い人ばかりなのかしら?
「幾つになっても未熟者」には自然といいサポーターがつくのかも。

そして、彼女と私が遺言書作成の証人になりサインをしました。

出来上がった遺言書は公証役場に本書が保管され
写しが友人の手元に残ります。

万が一、火事になったり、泥棒に持っていかれても大丈夫。
又、テレビドラマのようですが
故意に書き換えられても、本書があるので間違いは起こりません。

遺言書に書かれている項目や財産の額によって
料金が違ってきますが
10万円前後位~でしょうか。

いつもは、ご紹介だけが多いのですが
今回は友人だったので
事の流れを一部始終見ることが出来、大変勉強になりました。

皆さんは
知らないでしょうが、相続時のいざこざは、
大なり小なりですが、ほぼ100%あります。

連れ合いが死んだ後
残った方が、子供に財産をとられて
肩身の狭い想いをしている・・・
そんな人は、周りを見渡せば必ずいるでしょう。

今の世の中なら
夫が死んだら、財産は妻が相続し子供にはさせない。
妻が死んで初めて子供に相続される。
この形が、いいのかもしれません。

そうすれば、子供は残った親を大事にします。

それには遺言書が一番です。
末永く、皆が仲良しでいる為の知恵です。

なんか、悲しい気もしますけど。
やっぱり、もめるよりイイ。

自分流の遺言書は危険です。

2008年08月30日 | 遺言書を作る時
昨日、ご主人が遺言書を自分流で書いた方の所へ行ってきました。

いつも一緒に動いてくださる司法書士の先生と一緒に。


ご主人はテレビで、遺言の書き方を見て
その通りに作ったから、間違いはないと言って、
その遺言書を見せてくれました。

「遺言」と封筒に表書きがあり
中には、「今まで、自分の世話をしてくれ、長年苦労をかけた妻に
とても感謝している。私が亡くなった後に、妻に全財産をあげたい」
と書かれていました。

奥様への気持ちが書かれていて
素人が見れば、ちゃんとした遺言に見えます。

しかし、専門家の指摘を受け
結局、正式な公正証書の遺言書を
作成することになったんです。

例えば
「妻に財産をあげる」では、「妻に財産を贈与する」という意味にも
取れます。
相続と言う言葉がないと、正確な意味にはならないとか
財産と一言で表現するより、もう少し具体的な表現をしたほうが明確になる
とか。

なるほど・・・
側で聞いていて、頷くことが何回もあり
私も勉強になりました。



昨日のご相談は、半分以上が雑談でしたが
その中で、知り合いの親子が遺産分けで縁を切ってしまった、とか
知らないうちに、親の財産がなくなってた、とか
ご主人の身近にある、世間話に花が咲いてしまって。

ご主人から、ちゃんとした遺言を作れて、安心した。
教えてもらってよかったと、言っていただけました。

数日前に奥様と会って、何の気なしに話したことが
キッカケでしたが、おしゃべりもたまには
役立つ物ですね。

このご夫婦は、お子さんがいなくて
ご主人のご兄弟がいます。
もしも、ご主人が亡くなると
奥さんとご主人のご兄弟の4人が相続を受けることになります。

今回、遺言書を作成したので
奥様お1人が相続人になり、ご兄弟に財産を分けなくてすみます。


最近では、お子さんがいるご夫婦のどちらかが亡くなった時に
残られた伴侶に、全財産を相続させる遺言が書かれるようになりました。

残った伴侶が生活に困らぬように
子供には、その時点では相続を放棄してもらう訳です。

確かに、高齢者の生活が年々、厳しくなってくるので
1人になった時、将来は不安ですね。

これからの時代は今までとは確実に違います。
人の気持ちや考え方も違ってきました。

そうなると益々、遺言が必要になってくると思います。





死ぬまでお財布は握っているべし

2008年08月24日 | 遺言書を作る時
ある講演会でこんな話を聞きました。

「私は毎年、正月に遺言書を書き直しているんです。
私に孝行してくれた子に有利に遺言書を書き直す。
一生懸命、働いて作った財産ですよ。
親を大事にしない子にやる必要はない。
皆さんも、そうしてご覧なさい。
子供は、みんな親切になる」

また、ある未亡人からは

「私の友人は、病気になったとき
息子さんに、通帳と印鑑を預けてしまったんですよ。
あんなに、預けちゃダメって言ったのに。
でも、死ぬまでほとんど面会にも来なかった。
年に数回来ても、顔を見てすぐ帰ってしまう。
当たり前ですよ。
子供だって、お金を持ってると思うから
優しくしてくれるんですもの」

「子供が憎い訳じゃないけど
親はそのくらいの覚悟でいなきゃ。
甘えて、べったりと頼っちゃいけないんですよ。
だから、子供とも上手くやっていけるんですよ」

まだ、親がいる身の私には
耳が痛い言葉です。

でも、これは真実を言い当てている部分も大きい。

誰でも、親を見たくても自分の生活が一杯で
金銭的にも、精神的にも、物理的にも
親の面倒を見られないのも現実。

だから、先にお金を預かったら
親の事が面倒に感じる人もいますね、きっと。


そう考えたら、親は最後まで
お財布は握っておかないといけないかも。
平均寿命が、毎年更新している日本ですから。


本当に親孝行な人も沢山いますが
世の中、おかしくなっているのも事実です。







今のうちに 遺言書を書いて!

2008年08月21日 | 遺言書を作る時
今日、お目にかかった方は、ご主人と二人暮らしです。

「もうこの年になったら、いつ逝ってもおかしくないでしょ。
 だから、主人に財産を私1人に相続するように、書いてもらったのよ」

「そうね。 あなたの所はお子さんがいないから、
 ご主人が亡くなったときが問題よね」

「そうなのよ。妹が3人いるでしょう。なんだかんだあると思うのよ」

「その遺言書は、どうやって作ったの?」

「主人に紙に自筆で書いてもらったのよ」

「それじゃ、安心できないわよ。公正証書にしておいたほうが
 いいわよ。自筆だと正式に認められない書き方をしていることもあるから」

「えっ!そうなの。聞いてよかった。 すぐ、作り直すわ」



これって、テレビのコマーシャルみたいでしょう?

今日の午前中の話です。
彼女のところでは以前、おばあちゃんが亡くなった時に
ちょっと、たいへんな思いをしています。

自宅の土地がおばあちゃん名義だった為に
姉妹に財産放棄を頼みました。

そのときには、お金をつけて頼んだそうです。



お子さんがいない御夫妻のご主人が亡くなると
財産は、奥さんが全てもらえると思いません?

ところが、もらえないんですね。
夫婦の財産なのに、納得いかないですよね。

ご主人の親が生きていれば、親に1/3 妻に2/3
の相続権があります。
ご主人の兄弟姉妹がいれば兄弟姉妹に1/4 妻に3/4
の相続権があります。
もし、兄弟姉妹が亡くなっていれば、その子供に相続権が
移ります。

これって、結構たいへんなことですよね。
財産の大半が住居の土地と家だったら、財産を分ける為に
住まいを売却して支払うことになりますよね。

これって、チョット変でしょう。
でも現在の法律では、そうなんですよ。

デモネ、ご主人が遺言書に
「財産は全て、妻に相続する」と書いておけば
その通りになります。
親や兄弟姉妹の場合は、いくらゴネても大丈夫なんです。
遺言書のほうが勝ちなんです。

但し、正式な遺言書と認められないと無効になっちゃう。

自筆証書遺言書は自分で書くから、簡単そうだけど
 書き方が法的に反していると無効になったり
 遺言書がすぐに見つからなかったり
 反対に、故意に隠されたり・・・
 又、裁判所の検認を受けないと遺言書を見れなかったり・・・
結構、死後に大変な思いをします。

公正証書遺言だと
 公証人が作成してくれるので無効になる事はないし
 偽造されることもありません
 公証役場で、一部を保管してくれるので紛失もなし
 又、遺言書もすぐに見ることが出来ます。
作成に費用は多少掛かるけど、安心度が高い。

「うちは大丈夫よ、もめるほど財産ないから」
ほとんどの人が、こう思ってるのです。
・・・・これが一番、危険。

人は「もらえるお金」があると、少し(沢山かな?)気持ちが変わります。
残念ながら、こういう場面を少なからず見てきました。

「面倒だな」と感じても、これが一番面倒にならないコツです。

お子さんがいない奥さん、ご主人に遺言書を書いてもらいましょう。
そうしたら、
ご主人も、奥さんに遺言書を書いてもらいましょうね。

奥さんが先に逝けば、ご主人も同じ状態になるんですよ。